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アカン!ⅮⅩ 感想

DX...なんじゃそれ?

デジタル・・・トランス・・・フォーマー?
あの車が変形するやつのこと?
ああ、機械だからデジタルってことか!

私が初めてDXなる言葉に触れた時のリアクションです。
めっさはずいけど、正直に書きました(笑)

正しくは「デジタルトランスフォーメーション」です。
これは似てますよね。勘違いしちゃいますよね。私だけじゃないですよね?
すいません。仲間が欲しくて必死なんです。これを読んだあなたも間違えたんじゃないですか?
(; ・`д・´)

といことで、恥の上塗りはここまでにしておきます。

訳すと「デジタル技術を活用したビジネス構造の変革」です。
具体的には以下のことを意味します。
①:デジタルを活用した新規ビジネスの創出
②:デジタルを活用した既存のビジネスの変革

新規ビジネスを作ることと今のをビジネスを変革することかー・・・
なるほね!って、本書を読む前にふわっと理解してたことと全然違った。
私が考えてたことは、「なんでもデジタルを活用すればいいんでしょ?」です。

タイトルの「アカン!」と強調している部分は、まさしく私が考えていたことに対する著者の強い訴えだったのです。

今、日本企業や行政がこぞってDXに取り組んでいる。だが、私は日本で取り組まれているDXの大半は失敗に終わると見ている。この本のタイトルに即して言えば、日本企業などの試みの大半は「アカン!DX」である。

DXを平たく言えば「デジタルを活用したビジネス構造の変革」だ。変革すべきビジネス構造は企業ごと、あるいは行政機関ごとに様々であろうが、DXの手段はあくまでもトランスフォーメーション、つまり変革である。その本質を理解しようとせず、いたずらに「デジタル」を叫ぶ。そんな例が多すぎる。

例えば、スマートフォンアプリを作っただけでもDXだ。新型コロナ禍対策としてテレワークを導入したことをもって「わが社もDXができた」と喜ぶ愚かな経営者も大勢いる。社内にDX推進組織を設置したものの「何をして良いか分からない」と担当役員が困惑している企業もある始末。

ある調査によるとDXの重要性を理解しているものの、現場任せと言う経営者が4割もいると言うから、呆れるしかない。

本書より抜粋
nikkan-spa.jp

はぁ~、私の会社も完全にアカンDXしてました。というか、前書き部分で打ちのめされてしまい、先を読むのがだいぶしんどかったです。

なんと、うちの会社では令和にもなってようやく「そろそろペーパレスしなきゃなー」なんて言ってるんです。FAXはバリバリ現役!!連絡事項は回覧板。デスクの周りにはキングファイルが並び、調べものをするたびに紙を一枚一枚ひたすらめくるのです。

完全に紙依存体質なんです。

「IT企業と違って製造業なんてそんなもんでしょ」と冗談まじりに談笑していましたが、いよいよ本当に変わらないと「やばい」と言う事態がコロナ禍によって進行しています。今までは紙の図面で製作物の発注がありましたが、大手の取引先から徐々にデータでのやり取りに移行しています。

そんな環境の変化があり、妙なあせりから書店で本書を手に取りました。

「よし、DXだ!」と意気揚々に読む始めたわけですが、前書き部分であっさり轟沈してしまいました。そう、DXとはただのIT化じゃなく、ビジネスの変革なんですよね。とても。とても勉強になりました。あざっす(`・ω・´)ゞ

イノベーションの本質が分からない日本企業

DXを推進するにはイノベーションが不可欠だ。これには誰も意義はないと思うが、多くの日本企業は、DXのみならずイノベーションの意味を履き違えている。イノベーションを「技術革新」と言う極めて狭い意味に捉えてしまっているからだ。

もっとも、官僚やジャーナリストの中にも「イノベーション=技術革新」と捉えている人が大勢いるから、企業ばかりを責めるわけにはいかない。

イノベーションの本質は「今あるものに今までにない工夫を施すこと」により、仕事を思いっきり楽にしたり効率化したり、新しいビジネスを編み出したりすることである。だからこそDXの実現には何らかのイノベーションが不可欠なのだ。

さらに言えば、経営者が「過去最高益の5割増を目指せ」と言い出す企業も、イノベーションを実現したからこそ、絶対に無理な目標達成してしまったわけだ。このケースではITやデジタル技術を活用していたわけではなさそうなので、技術革新と言う狭い意味でのイノベーションではないし、DXとも言えない。

だが、経営あるいはビジネスのイノベーション(新機軸)に取り組むことで、業務のやり方を抜本的に変革したからこそ「そんなの絶対無理」なことが達成できたと言える。

そんなふうに考えると、DXをこうも定義できる。「ITやデジタル技術を活用したイノベーション(今あるものに今までにない工夫を施すと言う新機軸)により、『そんなの絶対無理』なことを実現するのがDX」。

だからDXを本気でやろうと思えば、これまでの業務のやり方の延長線上では絶対に不可能な目標を定め、それを実現するためのイノベーションを起こさなければならない。

本書より抜粋
keikakuhiroba-mfl.com

著者が定義したイノベーションを起こすには、とてつもない努力と、それを実現しようとする大勢の強い意志が必要なことは間違いないはずです。

と、「良い事いってやったぜ」的なことを書きましたが、現実は、ほぼ無理ゲーです。現状を今よりもっと良くしよう、改善しよう。たったそれだけのことでも、抵抗勢力の強さに絶望してしまいます。頑張れば頑張るほど、絶望は大きくなり、やがて「なんかもういいや」って感じになりあきらめてしまいます。

うちの会社でそれが如実に表れるのがIT化です。

 ①:ipadを導入して図面をデータ化し、どこにいても直ぐに情報を共有できるようにすることを提案。
結果:却下
理由:なんか難しそうだから無理。(他にも細かい理由がありましたが、だいたい主な理由がこれ)

 ②:毎月の成果発表会用の資料をPCで作成しましょう。それをモニターで映して全員が内容を理解しやすくなるようにすることを提案。
結果:却下
理由:PCなんか触ったこともないから無理。(職人さんはアナログが全てで、頑として譲りません。)

 ③:2DCAD(PCで図面を書くソフト)を3Dに変えることを提案。
結果:一旦、却下。時勢を見極めて再検討。
理由:取引先がまだ2Dだし、そんなに急ぐことないよね。取引先から3Dの問い合わせがくるようになったらその時考えよう。(その時になってからじゃ遅いんだよな・・・)

まあこんな感じでわが社の現状を恥を忍んで書いてみました。どうでしょうか?「まじかよこれ、遅れすぎだろ」なんて感想を抱いた人も多いと思います。私も最近では、「本当の危機がくるまで放置してやるぜ」とか考えたりしてます。誰か良いアドバイスください(;^ω^)

イノベーションの感想を書くはずが、脱線して私のぐちを書くという分けの分からん感想文になってしまいました。内容が論理的につながっているかも、よう分からんくなったのでこのまま書いちゃいます(笑)

hello2.net

皆さんの会社はどんな感じですか?IT化は進んでいますか?DX(ビジネス構造の変革)に挑戦してますか?コロナ禍になって、今のままでは「まずい」と気づいた方が多いのではないでしょうか?

本書は、日本企業のDXが如何に問題だらけかということを強く訴えています。また、そのダメなDXを支援しているSIer(エスアイアー)の戦略性の無さや、ITベンダーの多重下請け構造の問題について解説している内容となっています。

SIer(エスアイアー)「System Integrator」の略
・顧客の要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用、コンサルティングに至るまで様々な仕事を請け負うこと。

ITベンダー
・企業が必要とする情報技術に関連した機器やソフトウェア、システム、サービスなどを販売する企業。

私自身は現状の危機感から本書を読んでみましたが、かなり勉強になったと思います。感想文では触れていませんが、SIerやITベンダーの問題にについて、「これでもか!」というほどコテンパンにしいる部分です。まったく未知の業界のことだったので、新たな知識が上書きされたと感じています。

会社員、起業家、ビジネスにかかわるどんな人にもお勧めです。
是非、読んでみてください。

長くなってしまいましたが、ここまで感想文を読んでいただいてありがとうございました。


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