鍵しっぽ
2022年2月〜2023年2月 きじとらレオと黒猫ククリの日常を写真と俳句で綴っています。
朝仕事へ行く時、玄関マットへごろんと寝て私を逆さまに見るレオ。 「行っちゃうの?」と言ってるよう。 人生を猫と伴走萩戦ぐ (じんせいをねことばんそうはぎそよぐ) 孕めなき猫声やさし芒の穂 (はらめなきねここえやさしすすきのほ) 足止めを覚える猫や秋惜しむ (あしとめをおぼえるねこやあきおしむ) アンモナイトめく寝る猫秋日和 (あんもないとめくねるねこあきびより)
幼な木は幼な木なりの桜咲く (おさなぎはおさなぎなりのさくらさく)
囲まるるよき枝ぶりの八重桜 (かこまるるよきえだぶりのやえざくら)
花守やニッカポッカに裸足足袋 (はなもりやにっかぽっかにはだしたび)
花吹雪引力らしきものわれも (はなふぶきいんりょくらしきものわれも)
あらぬところにアテロームができて、飼い主はしばらくは痛みに耐える治療生活。 皮膚にめりこんだ弾丸を麻酔なしで取り出す映画のシーンみたい。 どうして麻酔しないのか…。 そんな状態がわかるようなレオとククリ。 春の風邪猫の撫でゆく足の指 (はるのかぜねこのなでゆくあしのゆび) 猫の目に黄砂の色は何色ぞ (ねこのめにこうさのいろはなにいろぞ) 掃除中の猫入りたき冷蔵庫 (そうじちゅうのねこはいりたきれいぞうこ) 生え際の汗に後れ毛猫床に (はえぎわのあせにおく
夜桜やわんさかわんさ夜に放ち (よざくらやわんさかわんさよにはなち)
桜蕊降るシートごとの一団 (さくらしべふるしーとごとのいちだん)
話したい君に触れずに桜散る (はなしたいきみにふれずにさくらちる)
堤防に潔き列遅桜 (ていぼうにいさぎよきれつおそざくら)
キャンパスの二人掛け椅子初桜 (きゃんぱすのふたりかけいすはつざくら)
桜狩蜜を舐めたき雀より (さくらかりみつをなめたきすずめより)
桜とは大黒天のご来臨 (さくらとはだいこくてんのごらいりん)
いつの間にか爺とレオとはなんとも言えない関係が築かれていたんだね。 うつ伏せの尻猫蹴るや春炬燵 (うつぶせのしりねこけるやはるこたつ) 9㎏でたっぱもあって春の猫 (きゅうきろでたっぱもあってはるのねこ) 春の鳥猫ワクチンの駐車場 (はるのとりねこわくちんのちゅうしゃじょう) 爺の手に肉球重ね春惜しむ (じじのてににくきゅうかさねはるおしむ)
里桜旧家と新居とのまあい (さとざくらきゅうかとしんきょとのまあい)
瞳から余力解かれり糸桜 (ひとみからよりょくとかれりいとざくら)