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みんな戦っているのかな

【注意】2022年のウクライナ・ロシア戦争についての記述を含みます。


暮らすように旅をしよう、みたいなキャッチコピーがありましたね。

泊まりはホステル、食事は外食、といったように、どちらかと言うとバリバリ旅行者的に楽しんできたわけですが、偶然の出会いも楽しみつつ、気の向くままに大いにその街の空気を吸ってエンジョイしてきました。2018年、11月。ウクライナ・リヴィウ。

よもやこの世界がこんなことになろうとは。海外どころか同じ国にあるはずの実家にも2年半ほど帰れなくなって。マスクをしないとどこにも行けない。ようやくなんとかなるのかな、という思いを何度もひっくり返され、いつかこの騒ぎが落ち着いたら……なんて思っていた矢先に起こったこの戦争。これは戦争ですよ。決して特定地域で局地的に起こった小競り合いなどではない。

よもや、自分のいた地が戦場になろうとは。血を流し涙を流し命を落とす人に溢れる場所になろうとは。

自分の行ったリヴィウは、ウクライナ西部の街。なので比較的(比較的!)落ち着いている、と、はじめは聞いていました。その他地域から逃れてきた人が殺到しているそうです。ポーランドに抜ける国境沿いの道が、Google mapによれば大渋滞だそう。おそらく自分もバスで超えた国境だろうな。

総動員例が発令されたらしい。18歳から60歳のウクライナ人男性はウクライナを出国できなくなったそうです。おそらく、それぞれが覚悟を決めさせられているのでしょう。自分の親、子、友人、そして国を守るようにと。

リヴィウ旅行中、色々な人に会いました。見かけただけの人もいるし、話した人もいる。

ホステルのカウンターのお兄さん、simカードを売ってくれたお兄さん、市役所前でアコーディオンとギターを引いていたおじさんたち、笑顔がどうにもこうにもイケメンすぎたカフェの店員さん、夜中の駅で、周到な話の展開によって器用にお金を巻き上げようとしてきたあんぽんたん、めんどくさくなって逃げ込んだ旅行者向けカフェで警備をしていた警備員さん、チョコレートショップで全身使ってチョコレートを作りまくっていた職人さん、そんなに遅れてないのに、やたら申し訳無さそうに「遅れてすいません……」とビールを持ってきた、おそらく年下のレストランの店員さん、夜のリヴィウの街をかっ飛ばしてくれたタクシー運転手のおじさん……

顔をはっきりと思い出せるかというと厳しいところはある。だけど、確かにそこにその人達がいて、たしかにその人達を見たり、声を聞いたり、言葉を交わしたりした。

その人達が、今、国のために戦うことを強いられている。上に挙げた人たちの誰かは、誰かを殺すのかもしれない。死んでしまうかもしれない。目を失ったり、腕を失ったりしてしまうかもしれない。消えない心の傷を負ってしまうかもしれない。

ロシアにはロシアの事情が、たとえ、1人のマッチョなリーダーの荒唐無稽な妄言に近いものではあっても、あるらしい。でも、誰かが傷つくことを国として正当化できる理由なんてないはずです。

戦争に反対します。

本とか買います。