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みどりのなかの、みどりと、みどり

絵が描きたいなあと思って絵の具を買った。きっかけなんて単純なもので、YouTubeでたまたま見かけたアクリルガッシュで絵を描く動画がやたらいい感じだったから。アクリルガッシュだな!と思ったあとで動画の中では水彩の絵の具も使っていることも分かり、どうしよう……となって、結局水彩も買った。とはいえ水彩はおためし程度で、100均のもの。同じく100均でいい感じのポーチを買って、筆とかスケッチブックとか、必要なものを詰め込んで、満足してしまった。いちおう日常の鞄に突っ込んではいるのだけれど。

さて。何を描こうかな~~~と考えるようになった。「いいなあ」と思う絵は風景画が多い。身の回りを眺めてみる。

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植え込み。緑色。

言ってしまえば日常の風景の一要素。この写真で言えば、自転車があって、歩くところがあって、建物があって、等々の中の1つ。

どう描く?緑色だよね。と思いつつ、近づいて、よくよく見てみる。

植え込みの見た目を構成しているのは葉っぱなわけだけど、その中にも色々ある。葉っぱの表裏でも濃淡が違うし、生き生きとした緑色のやつもいれば、なんだかもうくたびれてしまったやつもいる。物によってはもう、黄色なんじゃないかというものもある。アクセント気取りでどこかの木の枝がのっていたりするし、影は黒だろう。反対に、光が当たるとまた色合いが変わってきたりする。

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びっくりした。ちょいと目を向けるだけで、こんなに変わるものか、と。

「世界の解像度を上げる」なんてフレーズを使ったことはあるが、なんてことはない。目を向けて、目を凝らしてみればいいだけだ。この世界ははじめから、万人に向けて緻密なのだ。

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こういうことへの気づきも、絵を描くことの楽しみのひとつなんだろう。それを自分の手で再現する(できるかどうかは、ひとまずおいておいて)ことは、また次の楽しみということで。

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また別の植え込み。形というのも、また別の要素だな……と、おののく。

本とか買います。