「典論」の一文に、狼狽える
「文章は経国の大業にして、不朽の盛事なり」(典論)
という文章に出くわしてしまった。
「出会った」と言うよりも、やはり「出くわしてしまった」の方が、この一文により困惑している気持ちが表されていて、しっくりと来る。
この「典論」(てんろん)という文学論は、かの三国志の偉大な武将である曹操の息子であり、魏の初代皇帝である文帝こと曹丕が、書き残した文学論である。
最初に挙げた一文の意味は、いたって素直である。読んで字の如し。
「文章は国にとって重要な事業であり、永久に朽ちるこ