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二次創作サバイブ術としての個人サイト

※2024/05/12 21:06 誤情報修正と追加

すげーーーーいろいろ「二次創作ってさあ!!」みたいな記事書いてきたんですけど(noteはじめたのもその傷を癒すためだったりする)、先月あたりから二次創作再開しました。
落ちるときは落ちるもんですなあ!

ただ前回の反省からいくつか決めたことがあって、それがうまく機能していたり気づきがあったりしたのでまとめておきます。


決めたこと1 「物語にだけ課金する」

一つめがこれです。 キャラの絵柄がついたグッズへの課金はキリがないし、私には使い倒すことが難しいし、義務で買うけど満足度が高いかというとけっこう難しいところなので「物語を得られるもの」にだけ課金する、というルールを課しています。
なんらかのストーリーが読めるとか体験できるとか設定資料とかそういうやつですね。

缶バッジやアクスタは使いこなせないしポスターなども難しい、概念グッズも「自分」を薄めてしまいやすいので買わない、といったかんじです。
(推し色だからと自分自身の好みではない装飾品を買うなど)

前のジャンルで「ぬい系だけは買う」という人がいて、それすごいかっこいいな! と思ってから、「買う種別」を決めることにしています。それが私には「物語」。
前述の「ぬいは買う」という人はかなりぬいとの暮らしが上手だし、入手しそこねると高騰しがちなグッズであるし、ぬいなら買う! と決めてると買うかどうか迷う期間も打ち消せてすごくいいですよね。

アクスタも撮影が得意とか祭壇作るのが上手とかな人もいるので、そういう人はアクスタにしぼるといいのかもです。

決めたこと2「自分が読みたいから書く、を魂に刻み込んでおく」

前ジャンルでは人が多かった(飛翔系のアニメ化もされた連載中作品だったので)こともあり、純粋に人口も多ければ商業レベルの書き手も多かったんですよね。なのでついつい脚本術などを踏まえた「ちゃんと起承転結のある物語」「楽しんでもらえるような物語」を書いていたんですけど、それもまあ楽しくはあったんですけど、もっとカジュアルに2000字にもみたないようなシチュエーションの描写、絵でいうところのエチュードとかとういうのもざくざくざっくり妄想のままに書いていいよなあと思ってます。

というか今のジャンルはそういうの多くて、でも物足りないかっていうと実は全然そんなことなくて、前ジャンルの50000字です! 鈍器本です! ていうのも悪くなかったんですけど、案外カジュアルな「いいよね〜」っていう空気もちゃんと楽しくて、あ〜、まだなんか脚本癖ぬけきれてないけどもっと断片で楽しく気軽にやっていきたいし楽しんでくれる人が最悪誰もいなくても私ひとりが楽しければそれでいいんだよな〜〜、だから発表しなくてもいいんだけどもしかしたら誰か一人くらいに刺さるかもしれないしその人にとってよいものになるのならばピクシブに置いておく意義もあるかなみたいな、なんか、そういうかんじです。

決めたこと3 「個人サイトを作る」

今居着いてるジャンルが30年前のPCゲームなのでプレイ日記や各種資料への感想文も同時に残したいな、と思っっていたので、サイトを作るぞと決めていました。
あとせっかくレトロなタイトルなので「あのころ」の個人サイト(バナーは200px40px)再現するぞ! という決意。

私は当時やってた個人サイト(サモンナイトシリーズなどのファンサイト)の知識でそのままウェブデザイナーにもぐりこんだ人間なので全然やれるつもりだったんですが、めんどくさいな! という気持ちが先にたったので「てがろぐ」を採用しました。てがろぐについては後述。

個人サイトの効用

で、個人サイトの効用。
きっかけとしては上記のような「レビューのアーカイブを作る」「ノスタルジーによる再現」程度の目的だったんですが、やってみたら「これSNSスラム化の今こそ全同人作家に必要なものなのでは」とすら思い始めたので記録です。

まずですねー、個人サイトがあるとなにがいいかって「自分が言いたいことを反射でない状態で言える」なんですよ。

SNS(といいつつX一択で想定してますが)での発言って、持論ではなく反射になってしまいがちで。
タイムラインで推しAに関する解釈を見た、それを見て自分のA解釈を言う。タイムラインでコラボカフェの情報をアンソロの情報を見た、それを見て何か思ったことを言う、みたいな。

バッティングセンターで出てきたボールに打ち返す、みたいな、「反射」なんですよ。リアルの会話と同じで、反射行動。
で、「反射」の発言って実は自分の中にある資産的なものを切り崩しての発言で、思索が深まったりとか資産的なものが増えてくれたりはしない。しかも考えたことがあるにしても短文での投稿になるし、その短文の返事がまた短文だし、それを見て反応するし、みたいな。SNS疲れっていわれてる状況の理屈はこれだと思ってます。資産的なもの、つまり思索が深まらない。

でも個人サイトがあると違うんですよ。
自分が思うことを好きなだけすきなように他の意見が入らない状態で綴れる。さきほどの例でいうと「自分の思うAの解釈」を2000字とか3000字とかで書き連ねられるし、原作の展開や新刊などもたっぷり、自分だけの空間で書きちらせる。

べったーやふせったーでこれをやっている人もいるけれど、文字数がたくさんかければいいかっていうとそうではなく、文字数は本質ではなく、「自分のサイト」でないと結局Xの枝の先の存在でしかないのでは、と思ってるんです。

私は同人サイトの知識からウェブ制作者にすべりこみし者ですが、クライアントには「自社サイトにはブログをつけたほうがいい、facebookやtwitterだけでは資産にならない」みたいな提案をします。
これはブログの項目があれば見積額が増えるからとかそういうんじゃなくて(やらないっていうならわかりました、って言うしブログ機能なんてたいした金額にはならない)、SNSってアーカイブとしての性能がないんですよ。流れていくだけ。

SNSって、データが運営会社に依存してる、というのもあるんですけども、二年前の5月の投稿一覧、みたいなのがすぐに取り出せないものが多いんですよね。
「資産」にならないんです、発表したその数日の賞味期限で終わってしまう、というか。告知とかお知らせのビラ、チラシでしかないというか。
なんだろう日記帳とフセンの違いというか、そういう。

んで、自分で個人サイト運営してそっちにキャラ観とか感想文とかちょいちょい連ねていって、「あーーお仕事ではSNSだけにするなっていってたけどプライベートの活動でもそうだったかーー」ってなってます。

作品発表といえばPixiv、ちょっとした発言はTwitter、で済む時代になって、個人サイトの意味が失われて久しいです。
が、いわゆる「界隈疲れ」から離れて自分の思索、キャラ観、解釈などを深めるための文章……というか「感情」を置いておく場所として、個人サイトおすすめです。
タイムラインでいろんなものが吹き荒れていると、つい自分も参加していろいろ言わなきゃいけないような気になってしまいがちです。でも個人サイトがあれば、自分のサイトの中でゆっくり意見や考えをまとめなおして書き留めることができますからね。嵐の中で自分だけコテージあるようなもんですよ。これ本当に持つことではじめてわかると思う。

荒れ果てた世界のなかで自分の家があるということ、本当に、本当に、すごい。心の安定が。思ったことをSNSに言わなくてもいい、でも言いたいことは言える、という、この「僕には帰る家があるんだ」感。
単にSNSから離れる、だと「思ったことはあるけど口をつぐむ」ことになるだけなので結局はぐるぐる溜まり込んでしまう気がするんですよね……大事なのは自分の意見を大事にできる家。

同人活動やっててSNSと「距離をとる」ということ、いろんな意味で難しいと思うんですが、「個人サイトをつくる」ことこそが本当に距離をとれる手段かもしれない……と考えています。
個人サイトがあるとSNSが「外泊先」にすぎない存在になる、これはでかい、でかいですよ。

個人サイトを作るいろいろ

で、単に「個人サイトはいいぞ」と言ったところで今から知識つけてサイト作るのはなかなか困難であることも理解しています。
むかしは個人サイト作らないとかいたもの見てもらえなかったからみんな個人サイト作ってたけど、今は作品発表ならPixiv、交流ならXで事足りますからね。

なので私から見てここならいいんじゃないかなーと思ったやつなどもおすすめしておきます。

はい、ウィッチサーバーです。
同人専用レンタルサーバー。

月額300円で普通のサイトでやりたいことは大体できます。
もともと長いこと「個人サイトはいいぞ!!」とおっしゃって同人向けwordpressノウハウやテンプレートなどをずっと作り続けていたかたがとうとう作ったレンタルサーバー。(勘違いでした別の人でした)
レンタルサーバー、実はR18がOKなところって少ないんですけど、ここは大丈夫。
他社のレンタルサーバーに比べるとスペックに対して月額がすごい安いです。おそらく「同人専用にしとけば逆にたいへんなことにはならんやろ」という運営者の無言の声が聞こえるし「せやな」と思います。(用途を絞らないとポルノ系とか違法ファイルとかも警戒が必要だろうから)

もともとwordpressノウハウやテンプレートなどをずっと作り続けていたかたなのでサポートも異様に手厚いようで、運営者に直接連絡するとだいたいなんとかなるようです。

今から個人サイトを自力で作るとなるとwordpress一択になると思ってたんですが、ちょっと素人が扱うにはいろいろと「重い」ツールであると考えてました。
(私は業務ではむしろwordpress専門くらいのあれなんですが、その私でもプライベートで使うのはちょっと重いよなあと思っていた)

が、ここ、同人専用をうたうだけあって、私が今のサイトで使ってる、wordpressよりずっと軽い「てがろぐ」がサーバーパネルからインストールできます。すごすぎる。これができるレンタルサーバー、おそらく唯一。

てがろぐがどういうものなのかはいろいろ調べていただくとして、ブログ風のサイトとか一人っきりで喋り続けるtwitterみたいなものとかが簡単に、しかもやたら軽く制作できます。
(自分でつかってるとwordpressならこういうカスタムができるのにとかおもってしまうけどもとにかく「はじめる」ことの難易度についてはものすごく低い)

ここのサーバー運営者の人、同人サイト制作マニュアル本みたいなのも出版されてるので、良いと思います。

そんなわけで「出費してもいい種別を決める」「一番の読者は自分」「SNSの波にさらわれないための島としての個人サイトのすすめ」みたいな話でした。

あとなんの二次創作を始めたのかは本記事のアイキャッチで察してください。見かけたらお手やわらかに。

あとついでにnoteでかいたてがろぐの記事などもリンクしておきます、ご参考までに。


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