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NISAとかについてまとめる記事 2:株式投資ってなに?

NISAとかの話に入る前に株式投資ってなんなのかという概念をご説明させてください。NISAのしくみに関わる話なので。
いやNISAの話してよ、株なんて怖いやつの話しないでよ、という気持ちの方もいるかもですが、まあ聞いてください。

株をやる、とか、株で儲ける、とか、株が暴落、とか株を買い占め、とか、そういうかんじのあれは聞いたことがあると思います。
これはだいたい「株式」の略ですね。

では「株式」ってなんなのか。前記事のお年玉の例のように、ざっくり卑近なたとえばなしにします。比率とかはめちゃくちゃなのであまり気にしないでください。


株式会社って、株ってなあに

あなたが「こいつは天下を取るに違いねえ、DMMのジャンル一つ増やしちまうな」という斬新かつクソ強ド性癖エロCG集のネタを思いついたとします。
やるからには全力で制作したい、その間の生活資金や販売手数料や管理費やもろもろが必要…… というときに、取る方法としては、近年では「クラウドファンディング」などありますね。

それでもよかったんですが、あなたはこのジャンルを向こう数年は出し続ける自信がありました。なので、「特別なチケットを10000円で売ります! このチケット持ってる人には、うちのサークルが利益を出すたびに利益の0.5%を差し上げます!」というチケットを用意します。あなたはこのチケットを60枚売ることにしました。

そうすると「総売り上げの30%は永続的にチケット持ってる人に渡さないといけないけど、とりあえず急ぎで必要な現金が60万円手元に出現」という状況が作れますね。しかもこの60万は借金でもないです。

このチケット作るのが「株式発行」、株に対して発生する売り上げの利益差し上げますシステムが「株式配当金」というわけです。

配当金は決算(一年の利益が確定する会計的なサバト)の2、3ヶ月後だったり、年に2回だったり、4回だったり、そのへんは会社によってさまざまだそうです。
でも当然、現金ベースで考えれば株を買ったときの金額が配当金を上回ることはあんまりないです。

じゃあ株持ってることにどういう利益があるのか?
一つ、「株を持ってる」といことは「持ち株ぶんの経営権を買った」とも言えるんです。株を持っている人間、株主、は、その企業の経営に口出しする権利も得られるんですね。たとえば先ほどのサークルの例で言うと、出回っている60枚のチケットのうちの31枚(過半数)を買い占めると、その会社を個人の株主がいいなりにすることができます。すけべですね。

なので先ほどの例では発行したチケット60枚を全部売りましたが、通常の株式会社においては、株の過半数は経営者本人が持っているというケースがほとんどです。(でっかい会社だと株を保有するためだけに存在する○ ○ホールディングスという関連会社作ってうにゃうにゃしてます)

ちなみに年に一度、株持ってる株主たちがあつまって、経営者から直接この一年どういう経営だったのか説明されたり、今後一年どうする予定なのか説明されたり、株主たちが「経営どうなってんだよおい」「人外×人外はエロっていうより怪獣大決戦なんだよどっちか人間にしろよ」「いや今の路線で進むべきだろ」って要望を伝えたり糾弾したりしながら囲むサバトのことを「株主総会」といいます。

任天堂や東映は、この「株主総会」に参加するために任天堂や東映の株を買ってる強火オタの話題が定期的に流れてきますね。経営、方針に口を出す権利、一般のプレスリリースには出さない経営方針、コンテンツが狙う購買層、前年度のコンテンツの売り上げの実際はこうだったから今年度はこっちを強化する、などを真っ先に知る権利を札束で購入してるということです。

さてこの「株式」、売ることができます。また、売りたい人から買うこともできます。

つまり株式投資とは

「10000円であの特殊性癖サークルの株買ってみたけど、マジで勢いすごいうえに他のサークルが全然真似できなくて独走状態だな……サークルの方針に口出ししたいから15000円で買うって言ってる人いるなあ、うーん自分の性癖とはちょっとずれてたし、高く売れるなら売っちゃうか、来月出るフィギュアで欲しいやつあるし」
「10000円であの特殊性癖サークルの株買ってみたけど、最近の作品はオワコンだな、類似サークルがもっと上手いやつ出してきたし。売っちゃいたいな。でも需要がないな、え? 7000円でなら買ってやってもいい? うーーーん……」
「いやいやあのサークル、今はちょっと低迷してるけど持ち直すって。たしかに初期にぶち立てたジャンルではネタ切れ傾向があるけど、新作のあのキャラ、あの方向性に書き手が気付けば化ける。7000円にまで下がってるなら今のうちに買えるだけ買うわ、絶対12000円相当の価値に持ち直す、いやそれどころか20000だって見える。よし売りたいやつは俺のとこに来い、15000円で買う」

みたいな波があるとしましょう。
これが「株取引」ってやつです。価値の変化が「株価の変動」です。

「じゃあいろんなサークル(会社)の動向に目を光らせて、安く買って高く売ればめっちゃ儲かるじゃん」と思いますよね。
はい、それが「株式投資」です。

株の売り買いで稼ぐのは素人には無理、ではあるんだけど、方法はある

「株の売買で儲かる理由はわかった。要はせどりだよね? でもそんなの、仕事したり趣味したりしながらやるの無理。誰か得意な人に代わりにやってほしい。タダでとは言わない、報酬の何%みたいなかんじでお金払うから」
みたいに思う人が出てくるのは当然ですね。

ありますそういう仕組み。
これを「投資信託」といいます。投資を、信じて、託すんです。

この「投資信託」をやってる会社のことを「証券会社」といいます。「証券」ってのは株券とか、国の債券とか、そういう、現金以外のものの価値を保証するチケットです。株を買うというのは証券を買うということとイコールです。
その、証券を扱う会社、証券会社、ってことですね。肉を売る店は肉屋、本を売る店は本屋、ということです。

「いや得意な人に代わりにやってほしくはあるけどまじでそういう仕組み出てくるとちょっと引く、信じる基準がようわからんし。あと報酬の比率もどのくらいが妥当なのかわからんし」
ってなりますよね。

なので証券会社にはいろんなニーズに応えるために、めちゃくちゃたくさんの「投資信託」という名前の商品があります。2022年現在でおよそ6000本だとか。
証券会社の社員、俗語でいうところの「証券マン」の説明やらなんやらで「よし、この投資信託に決めた!」とBETするわけです。

そんな山ほどある投資信託商品の有象無象の中で、「一般人がごく少額から手を出せるし、国が認定したのでめちゃくちゃいろんな優遇がされているプラン」が、NISAなんですね。あまりにも優遇されてるので2018年に登場した際、投資界隈が騒然としました。日本政府、ガチじゃん、と。
いろんな優遇の具体例については別記事にします。

上場とか、ストックオプションとか(ちょっと蛇足)

ところで株の売買ってどんな会社の株でも自由に買えるわけではないんです。

自社株を誰でも売買できるようにするには「証券取引所」の認定を受ける必要があります。
取引所は、日本だと「東京証券取引所」がいちばんでかくて、ここの認定を受けることを「東証一部に上場した」と言ったりします。東証には一部と二部があるので。

あとマザーズとか、JASDAQとかもなんとなくニュースなどで聞いたことがあるのでは。これも証券取引所の名前。
マザーズってのは「母」って名前のとおり、認定がめちゃ緩いそうです。「上場企業認定するにはバブちゃんだけどがんばりたい気持ち汲み取って上場させてあげる〜」だそうです。

この「上場」ってのはまあ「同人作家が商業作家になった」くらいのあれで考えてもらって大丈夫です。(大丈夫? 本当に?)

上場するとどういういいことがあるか、というと、まあいろいろあるんですが、価値とハクがついて資金調達がめっちゃしやすくなるとかすげえ信用されるようになるとか、信頼感が出るので優秀な人材を採用しやすくなるとか、いろいろです。
上場を維持しつづけるには常に成長しつづけていないといけないので、あえて上場しない、という会社もあります。例えばグーグルの日本法人なんかはあえての非上場。どころか株式を発行しない「合同会社」という仕組みの会社です。
先日東芝が非上場になったっていうニュースもありましたね。これは凋落ですね。

非上場から上場する際(この儀式をIPOといいます)、その会社の株は数倍に膨れ上がるんですが、IPO直後は開店セール価格になるので(ひとまず安く値段つけて、需要と供給のバランスで相場が収束していく)ここを狙うIPO投資というやりかたもあるそうです。IPO投資は買うのがめっちゃむずいので抽選式だとか。抽選にはずれ続けると「残念ポイント」が溜まっていって、残念ポイントが貯まると当選しやすくなるそうです。演劇チケットもそういうの導入してほしいですね。

あと、ストックオプション。ベンチャー企業には福利厚生として「ストックオプション」てのがついてることが多いです。
ベンチャー企業ってのはまあ「新しいことをやるために頑張る若手企業」みたいな意味で、一発逆転狙いの斬新な何かしらのビジネスという野心を持っています。
なので「ストックオプションの権利あげるからがんばれ」って言うんです。

ストックオプション、ストックとは株ってことです。
つまりなんなのかというと、「店頭実売価格でなく原価でうちの株を買う権利をあげるよ」ってやつです。非上場の会社の株式って、経営者とそこに近しい人しか保持できないのが普通なので、それを一社員のお前にも買わせてやるよってことです。
「だから上場するまでいっしょに頑張ろうね(給料の範囲を超えた積極的な勤務、自前の知識の持ち出し、サービス残業など含めて)」という話。

私も以前勤めていたベンチャーではストックオプションの購入権がもらえる書類にサインしました。私は買いはしませんでしたが……
部長課長クラスはけっこう買ってたみたいです。

その会社どうなったんだろとさっきサイト見たら無事上場してました。
ストックオプションで家買ったみたいな話、知人の範囲でそこそこ聞くので、まあ、だいぶあれだったんではないでしょうか。

あとIT企業には「上場ゴール」という現象もあって、良いSNSが劣化する理由の主な原因はこれで……というといよいよ蛇足になるのでやめましょう。

まとめ(とても蛇足)

突然始めた「NISAってなあに」シリーズのマガジンですが、自分で理解したくて書いてます。なので基本的には書き続けたくはあるんですが、お勉強みたいなものなのでモチベが切れる可能性は全然あります。(今回も2日かけてしまった)(自分の理解度が浅いコンテンツなのでどうしても文章量増えてしまう)

なので続きが読みたい方は、noteで本マガジンの記事にハートマークつけたり、コメントしたり、twitterで記事告知したらイイネしたりなんやしたりという、なんらかのリアクションをいただけると助かります。

次回以降の更新予定タイトルは下記。

  • 前提知識:控除ってなに?

  • 前提知識:アメリカはすごい(金融的に)

  • 前提知識&本題 ドルコスト平均法

  • NISAって何で、どうすごいのか

  • iDeCoってなに?

  • 参考文献一覧


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