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ざっくり読んだし使う:独学大全

鈍器本の代名詞、独学大全を(ざっくり)読んだのでこういうふうに思ったとかこういうふうに使うとかのメモです。

半年寝かせてた本と向き合った経緯

本書は半年くらい前に購入したものの本棚のオブジェになっておりました。
で、本棚の整理してて「買った本はちゃんと使わなきゃな(読まなきゃな、ではない」と思ったので改めて向き合いました。

そして改めて向き合った結果、「バラしたほうがいいわこれ」と思って、バラした。

向き合うとは分解すること

分厚い本を分解する利点は以下。
・持ちやすい
・開きやすい
・今持ってる章のみに集中できる
・持ちやすい
・持ちやすい
・特定の章だけ持って外出が容易(ただ薄い章のやつを喫茶店で読んでると飲食店で同人誌読んでるようなタブー的錯覚が襲ってくる)

分解に至った理由。
そもそも半年寝かせていた理由なんですが、この「独学大全」って辞書だと思ってたんですよね。国語辞典とか、大技林とか、そういう。
とにかくいっぱい網羅されてて、ぱらぱらめくって必要なところだけ広い読みするという性質のもの。
辞書って一部の特殊な人以外は通読しないじゃないですか。辞書でなくても、仕事で使う技術書も通読ではなく逆引き辞書みたいな使い方してるし。

本書もそういう性質のものだろうから分解に意味はないと思ってたんですよね。そのせいで半年寝かせることになったんですが、どうも誤解してました。というか「パラパラめくる本」「必要なところだけ読む本」というレビューも実際いくつかあったので見誤ってました。
この本は全体の構成を知る、その上で拾い読みするべき本
一冊に綴じられた状態で目次と本文を往復してそう感じるに至ったため、章ごとに分解しました。

実はコレクションボックスではなく時間の流れのある本

繰り返しになりますが、本書は辞書ではないです。スクラップ集や大技林ではなく(大技林って今の若い子わからないだろうな)、カタログのようにそれぞれが独立しているものではなく、時間の流れのある本です。
そして自分が今どの時間にいるのかを認識することで本書の「使える度」が大きく異なってくるように思います。

言うなれば本書の一章、二章、三章、四章は、春の章、夏の章、秋の章、冬の章のようなもの

読み手が夏にいるのなら、そして夏から抜けられないと感じているなら夏のノウハウと心構えがたくさん書かれている夏の章を読む、夏が終わりそうだと感じてるなら秋の章を読む、秋にいるけどどうもうまくいかないから春からちゃんとやりなおしたいと思うなら春の章から読む。

そういう意味で「必要なところだけ読めばいい本」ということだったみたいです。

本書には55のテクニックがあるけれど、それ単体を拾い読むより、自分が今どの季節にいるのかを把握した上でテクニックの必要性と使い方を知った方がよいです。そうでなければ適当に検索したどこかのライフハック記事で十分で、時間の概念がある一冊の本でバックグラウンド込みに、氷山の一部の存在として取り入れられるのが書籍の強みであると思われます。氷のかけらをちょっともらってくるのではなくて。

章ごとの構成

で、全部で4章の構成です。本文とは違うタイトルここでつけたので持ってる人は見比べてみてほしいかんじです。みなくてもいい。

一章:そもそもどうして勉強したいのか考えて、環境を作ろう

学びたいと思ったきっかけを掘り起こして磨きなおしたりとか、1日のうちのどの時間ならどういう勉強ができるのかとか、そういう「準備の準備」みたいなことのためのツール(ノウハウ)がある章です。

二章:そもそも何を、どんな資料をインプットするのか探そう、資料探しを間違えないようにしよう

独学は良い本やべー本の見極めが困難なのでその探し方についての章です。検索ツールの使い方、図書館の使い方、雑誌の使い方。クトゥルフTRPGでいう「図書館」ロールにあたる手法の章です。ここがいちばん分厚い章で最も重要なのだと思われます。
適切な参考書、資料を選んだあとのメタ化、論文の探しかたや読み方、複数の本の索引化の方法とその効用などについても記載されています。
「資料」を扱うための章。中身ではなくて。

三章:インプットとアウトプットの方法はこんなにあるから応じて選ぼう

ここまできてようやく、いわゆる「勉強法」みたいな内容になってきます。「読書」だけでない「◯書」のいろいろな形、音読、記憶術など。
思うに「学校」では一章と二章が不要なんですよね。学校やスクールと言われてるものだと動機があやふやでも計画と選定済みの教科書とスケジュールが用意されてるわけで。なのでここなら受験生まじめにやったことある人ならわかる内容が多いし馴染みがあるところなんじゃないでしょうか。
とはいえ本のいろんな調理のしかたコレクションみたいなのはぐっときます、「魚って焼くだけじゃなかったんだ…」みたいなおもしろさがあります。本ってただ目で文字を追うだけじゃなかったんだ、という。

四章:独学のベースになる基礎ツール(国語、英語、数学)の王道学習ルートのサンプル

この章は著者みずから「おまけみたいなかんじ」的なことを言っており、じゃあ1〜3章を実践して英語を学ぶなら数学を学ぶならこういうかんじになるよねというのを具体的な本や本書のテクニックやスケジュールを提示して示してくれてます。即効性がただほしいならこれでもいいと思うんですが、ここそのままやると厳密な意味での「独学の方法」を理解したとは言えず、こんな物理的に4分割にしてようやく普通の本みたいなサイズ買った意味が薄くなってしまう気がする……ので、四章はエキシビジョンとして読むところかもしれない。

で、私はどう使うか

二章に関しては私けっこう得意なところなので流し読みでオッケー、むしろ一章が一番重要、三章はところどころ参照しながらという形になりそうです。
で、本書のテクニックであるところの「グレー時間クレンジング」「逆説プランニング」「習慣レバレッジ」「ラーニングログ」あたりは取り入れてやろっかなーーと思ってます。あと「学習マップ」は昨日のnoteにも写真のせた。

「限読」「刻読」「レーニンノート」「ポストマップ」に関しては自力で発明してやってました。
55もあると誰でも何かすら「自分でこれやってたな」に遭遇することになると思われます。

まとめ

どんなノウハウ本も「ものすごく突飛で斬新なこと」が書かれてるわけではないですが、そこには頭のいい人が時間を使って考え出したこと一覧が入ってます。自力で考えるよりも大幅なショートカットになるわけです。
読まなきゃいけないものというよりお得情報がまとまってる紙の束として、今後もおりに触れ使っていきたいものです。

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