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ド素人だけど推しのフィギュアを作ってみたい③

【フィギュアのお教室を受講してみました】

で、結論から言うと先日まで削り倒していた原型は廃棄です。ミギャー。悲しみと共にとりあえず脚を叩き折ってみました。前回は脚を4回も折った失敗談を語りましたが、そもそも「正しいやり方で作っていれば脚は折れない」とのこと。このポッキリ出来る膝こそが作り方が間違っていた証拠……。

ポッキー感覚で折れますね。

ちょっと過程の説明をはしょりすぎていますね。順に説明していきましょう。

今回は「現在頓挫しているフィギュア作成を再稼働させたいが、どこから手をつけたらいいか相談させてほしい」と、フリーの相談枠を1枠お願いしました。

で、事前資料としてこれまでに作成した素体写真、公式から出ている等身の高い全身絵、ゲーム内のモデルの前後左右からのスクリーンショット、このnote①②をお送りしたわけなんですけど、先生が資料として採用したのは「公式から出ている等身の高い全身絵」のみでした

たくさん資料を用意したつもりなのに!それに作りかけとはいえ、現状の素体のシルエットがもとの画に合っているかどうかなんかも見て欲しいのに!と私はいぶかしんだのですが、これは後に理由が判明します。

今回の受講内容の大筋はこんな感じ。


①教室に来る生徒はアナログ1割、デジタル9割。

フィギュアをこれから作ろうと思ったひとはアナログとデジタル、どっちがいいんだろう?と悩みますよね。
先生いわく「ウチの教室はアナログ1割、デジタル9割」との事でした。デジタルツールはZblushだったり、Blenderだったり。

どっちがおすすめ?と聞いてみたところ、「Zblushは2週間くらいお試し期間があるんだし、とりあえず触って合うと思う方を選べば?」とのこと。ごもっとも。

②複合素材(下地プルミエ、上にファンド)はダメ!

今回、これまで作ってきた素体をパキーン!と叩き折った理由がコレ。
私は前回まで「プルミエである程度厚みのある素体を作り、その上にファンドを重ねてきた」わけです。最終的に軽くなるし、そのほうがいいのかな?と思っていました。

ところが「それだと磨きの時にファンドの厚い層、薄い層が出来るから均等に磨けないし、磨いてる途中でプルミエが出てくる。素材はファンド1種にしたほうがいい」「やわらかいプルミエが芯に入っているから脚が折れるのであって、そもそもファンドだけで作っていれば、高い所から落としでもしなければ折れたりしない」とのこと。
実際、プルミエ+ファンドの素体はちょっと力を入れたら簡単にポッキリ。

③針金を組んで素体を作るコツ

で、さらに針金にファンドを盛って素体を作る方法も、私が思うよりずっと薄くつけるのが正しかった模様。詳しくは下図をご覧ください。

赤い〇は関節のあるところ。足もこの時点では△のペラペラ足でOK。
ファンドは「モリッと盛ってから削る」素材ではない点に注意。

もしファンドを使用して「折れ」が発生した場合、接着剤を使って修復するのは「オーブンなどの熱で乾燥を促進させようとしたときに接着剤部分が軟化するので×」とのこと。こちらも詳しくは下図をご覧ください。

抉った面は水で荒らして、粘土の食いつきを良くしておくこと。

さらに「指」などの細部パーツは、折れるだろうから針金を入れて作るのかな?と思っていたのですが、それも間違い。細いパーツに針金を入れるとちょっとしたことですぐ削れて出て来ちゃうとのこと。

④「似せ」の座標を元の絵から見抜く+⑤資料をできるだけ集める

はい、ここで「たくさん資料を用意したのに、先生ぜんぜん見てくれなかった」理由を説明します。

まず「公式から出ている等身の高い全身絵」のフィギュアを作りたいのであれば、ゲーム内のデフォルメされたモデルの資料には意味がありません。
そして私が用意した「等身の高い絵」は公式の「斜め下からの、パースがついたイラスト」1点のみ。これも造形用の資料としては×。

そういえばこのキャラを作りたいんだ…って明言してなかったですね。
「メギド72」のプレイアブルキャラ、アンドラスです。

ここで用意するべきだったのは「正面絵」を含む、できるだけたくさんの「公式から出ている等身の高い全身絵」だったのです。
(……元のモチーフがソシャゲだとそもそもキャラの正面絵が一枚もないケースもありますけど、そこはまあ合成するなり自作するなりして都合します)

で、続いて「顔の各パーツの座標」をなるべく正確に把握します。またまた下図をご覧ください。

ちゃんと数値や器具で計測するのがポイント。

「似せ」についてはプロの造形師であっても「……似せ、っていうか偽?」って方もいるくらいの鬼門。先生は都度こうやって測っているとのこと。

⑥何か選ぶ時は三択、失敗したと思ったらひとつ前に戻る

で、たくさん資料を集めていざモノを作り始めても、どこかで悩んじゃいます。
そんな時先生は「二案を出して選ぶ」のではなく、必ず「三案を出して選ぶ」ようにしているのだとのこと。で、失敗したなと思ったら「ひとつ前に戻る」。全部ナシにして振りだしに戻らない。そのためにも自分が進めてきた道程を、しっかり記録しておくこと。

……コレはあんまり立体に関係ない話だな?

⑦先生も12月にスタートした原型の仕事が、9月現時点でまだ終わらない

このnoteの第二回で「フィギュアってそんなにすぐに出来るものじゃなかったんだ」と気づいたわけですが、先生に「プロの場合、フィギュアって何日くらいで出来るんですか?」と尋ねました。
「先生も12月にスタートした原型の仕事が、9月現時点でまだ終わらない」とのお答えが返ってきました……。

原作があるものは版権元からのダメ出しが絶対に来るわけで、それに対応していたらもう全然終わらない!のだそうです。
お仕事ってつらい。

で、私も同じように自分の中で延々とダメ出しをしていたら終わらないのは当たり前!とのこと。
どこかに締め切りを設けるしかないですね。ちなみに先生、監修ナシなら顔なんか20分で作れるそうです。ミギャー。


受講の記録は以上でございます。

先生は「地図がある道のりなのか、それとも目的なくぶらぶらする散歩なのか」という例えを使っておられましたが、地図。まず地図を作って目的地を確定させなければなりません。手を動かすのはその後だった。

なので次回の目的は地図という名の三面図の作成。それからZblushを試してみる。そんな感じでしょうか。
……2023年の内にどこまで進むんでしょうね!

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