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【2月の新刊】大反響『禁断の果実』続編(?)リーヴ・ストロームクヴィスト作・よこのなな訳『21世紀の恋愛』

書評続々!!!
瀧波ユカリ先生

女優の内田理央さん

荻上チキさん絶賛の女性器コミック『禁断の果実』

2020年2月、満を持して続編(?)が刊行になります!

『21世紀の恋愛――いちばん赤い薔薇が咲く』

21世紀の恋愛_カバー帯なし


今やスウェーデンを代表する知識人となった、リーヴ・ストロームクヴィストの最新作はズバリ「恋愛」がテーマ。

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(LIV STRÖMQUIST ©Maja Flink)

なぜ、レオナルド・ディカプリオはとっかえひっかえ若いモデルと付き合うのか……?

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というのを発想のきっかけに、

なぜ、後期資本主義を生きる私たちは、
恋に落ちるのがこれほどまでに難しくなっているのか?

という疑問を、古代ギリシャ哲学からビヨンセ!に至るまで、古今東西の言説を紹介することで解明していきます。

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(画像はすべて本文からの引用。©Liv Strömquist/よこのなな/花伝社)

タイトルも、資本主義との関係からピケティを意識したのですが、かえってわかりにくかったらすみません。
副題の「いちばん赤い薔薇が咲く」というのは、本作に登場するアメリカの詩人、H.D.(ヒルダ・ドゥリトル)の詩からの引用です。

前作を応援してくださった日本のZINE第一人者の野中モモさんと、前作の翻訳者にして大好評『キングコング・セオリー』訳者の相川千尋さんに素敵な推薦文をいただきました!以下はコメントのフルバージョンです。

「恋に落ちる」ってどういうこと? 21世紀の「幸福な恋愛」とは?
現代のセレブリティから古代の哲学者、それに神話の神々まで、古今東西のおもしろエピソードを縦横無尽に参照しつつリーヴさんが真面目に考えます。ところどころ笑っちゃうのは、彼女独自の語りのリズムとグルーヴのなせる技。
それはまるで読むスタンダップ・コメディ。
おもしろくてためになる大人の学習まんがです。
野中モモ(翻訳者・ライター)
身体や性のタブーは破られた。次は「愛」の番。
性については友達と話せても、愛については話せませんでした。愛はセックス以上に恥ずかしいことなのか、タブーなのか。そんなことを突きつけられました。
恋愛は女性にとっては罠だらけで、否応なしに強くなってしまう私たち。でも、それでいいのか、それが幸せなのか、あらためて考えさせられる作品でした。
相川千尋(『禁断の果実』『キングコング・セオリー』訳者)


作中で主に引用・紹介されているのは以下の2人の恋愛をめぐる言説、

一人目はモロッコ出身の社会学者、エヴァ・イルーズの『Why Love Hurts』。


二人目はドイツの哲学者、ビョンチョル・ハンの『Agonie des Eros』

どちらもヨーロッパでは大人気ですが、まだ日本語訳は出ていません。
(ビョンチョル・ハン『疲労社会(Müdigkeitsgesellschaft)』『透明社会(Transparenzgesellschaft)』は花伝社から今年刊行予定です。)

こうした未翻訳の新しい恋愛をめぐる理論を知ることができるのも、今回の本の大きな魅力です!!!

スウェーデン語翻訳者のよこのななさんによる、詳細な訳者解説には、これまでロマンティックな恋愛観や作られた家父長制に対して警鐘を鳴らしてきたリーヴが、なぜ今回恋愛論を描くことになったのかが、新聞記者や読者からの鋭い指摘とともに記されています。フェミニズムとロマンティックな恋愛は両立するし、「一人で強くなれ!!!」というだけがフェミニズムではない、そんなことを感じさせてくれる一冊です。

2月10日ごろの発売予定です、バレンタインはチョコの代わりにこの本を渡してもよいかも……?

全国書店さんでのご予約、花伝社オンラインショップ(送料無料)や各種ネット書店でもお買い求めいただけます!ぜひご覧ください。

https://books.rakuten.co.jp/rb/16615340







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