見出し画像

【7月27日発売新刊案内】矢吹晋『コロナ後の世界は中国一強か』

コロナ禍が始まって早数か月。これをお読みの方は、お元気ですか……?
数か月が経つと、コロナ禍の初期段階にどのようなことがあったのか、思い出せないことが増えていきます。その一つは「あれ、中国とアメリカが何かバトルしていたけれど、なんだっけ……?」ということです。

3月12日、中国外務省報道官の趙立堅(ちょうりつけん)は、以下のようなツイートをしました。

つまり、「アメリカ軍が武漢にウイルスを持ち込んだ」と言ったのです。


これに激怒したアメリカ国務省は、駐米中国大使を呼び出して強く非難。トランプ大統領は3月16日ごろから「中国ウイルス(the China Virus)」という発言やツイートを多用していくこととなります。


正直、「この騒動はもう終わった……」と思って忘れていました。しかし、熟練のチャイナウォッチャーこと矢吹晋・横浜市立大学名誉教授は、新刊『コロナ後の世界は中国一強か』(本体1500円・7月25日発売)の中で、つぶさにその応酬を分析し、コロナ後の世界の覇権の行方まで分析を広げました。


矢吹先生コロナ後の世界は中国一強かカバー


コロナ禍をめぐっては、上のツイート以外にも、さまざまな疑惑がインターネットなどでささやかれています。

例えば……

・新型コロナウイルスの発祥地はどこか?
・なぜ、中国外務省報道官は「アメリカ軍が武漢にウイルスを持ち込んだ」と言ったのか?
・本当に、新型コロナウイルスは武漢ウイルス研究所から漏洩したものではないのか?
・化学兵器ではないのか?
・どうして中国ではワクチン開発が進み、あれほど早くに武漢を閉鎖する決断ができたのか?
・中国が故意に世界中にウイルスをばらまいたのか?
……等々。

矢吹先生は、米中の政治家の論争のみならず、中国内外のインターネットで飛び交った上記のような疑惑や、それらに対する科学的応答などをとりまとめ、米中でどのような情報戦が行われ、それにどんな意図があり、どのような結果となったのかを明らかにすることで、コロナ禍後の世界の行方を大胆に読み解いています。

しかもこれは、実は日本に関係のない話ではありません。
本書では、中国国内で拡散した、日本が新型コロナウイルスの発祥地だとするウワサや、「731部隊」と新型コロナウイルスの関係についても切り込んでいます。

故・西部邁さんが大絶賛し、ベストセラーとなった主著『チャイメリカ』


本書では、新型コロナウイルス禍を契機に、米中は「新チャイメリカ体制」に突入した、と断言されています。その詳しい根拠と今後の世界の覇権については、実際に書籍でお確かめください。


ちなみに本書の最初の打ち合わせの際に、担当編集と矢吹先生との間ではこんな会話がありました。すなわち、いま世界中で、中国人がウイルスをまき散らしたかのように言われ、日本も含めたあちこちの国で中国人(やアジア系)が個人的にも攻撃されているけれども、本当に中国だけが悪いのか?ということです。たしかに最初のアウトブレイクは中国・武漢でしたが、本書では、中国国内で現在も報道やSNSでのシェアが続いている世界各国の発祥地疑惑や、それに答えを出す最新のゲノム解析結果なども紹介しています。
矢吹先生は、尖閣諸島問題で激減した日本国内の親中派が、このコロナ禍によってインテリ層の中でもさらに減ってしまったことに対して危機感を抱いていらっしゃいます。一方では、中国が経済的にも、コロナ抑え込みのハウツーについても、世界をさらにリードし存在感を増しています。中国で何が起きているか、日本では詳細な情報を得ること自体が難しくなってきていますが、中国の側から見た「新型コロナ禍」を知ることは、同時代の世界情勢の理解においても必須のことであるように思われます。


コロナ禍後の世界のパワーバランスについて知りたい方も、本当の発祥地はどこか、新型コロナウイルスは生物兵器じゃないかと気になっている方にもおすすめの一冊です。激動する世界で、今後生きていくための必読文献です。ぜひお読みください!!!!!


さらに矢吹先生は、ほぼ同じ時期に白水社さんからも書籍を刊行されます!
『〈中国の時代〉の越え方――一九六〇年の世界革命から二〇二〇年の米中衝突へ』

白水社書影

こちらは矢吹先生が、60年安保で命を落とすこととなる樺美智子さんと常に一緒に行動し、日々激しい議論をかわした東京大学の学生時代のことから、現代中国におけるデジタル・レーニン主義の進展分析までを収録。
とても専門的なこともかなりわかりやすく書いてある、矢吹先生にとっての集大成のような一冊です。弊社代表が60年代を綴った『未完の時代』とあわせてお読みいただければ嬉しいです。


『コロナ後の世界は中国一強か』は、7月27日発売予定。全国書店さんの他、ネット書店でもお買い求めいただけます。ぜひお読みください!

目次

目次1

目次2

目次3

https://books.rakuten.co.jp/rb/16378473/




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?