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部下の給料を上げられない会社で働くマネージャーへ


うちの会社は、部下の給料を上げられへん。そんな会社で戦うマネージャーとして、同じような悩みを持つマネージャーにこの文章を捧ぐ。

これな。ホンマ、めっちゃ渋いねん。給料上げられへんとか。


あ、ちなみに毎回関西弁で書いてるわけじゃありません。標準語のほうが多いと思います。関西弁の記事になるか標準語の記事になるかはそのときのテンションです。関西弁の文章は読みにくいという方もいらっしゃいますよね?是非大阪に移住してください。英語と一緒で、移住すればいつか読めるようになります。気がつけば話せるようになるかもしれません。

さてさて掲題の件でございますが、内勤の会社で、かつ単純作業を契約社員にやらせてるみたいな会社に多いんちゃうかな?うちの場合は、リーダーとか役職がつけば給料上がんねんけど、そうじゃない限りは一生給料上がらへんねん。かわいそうやけどな。そういう会社やねん。せやから、プレーヤーとして、どんなに仕事を極めても給料一緒やねん。新人と一緒。新人の3倍速くても新人と一緒。

うちはこれの半分くらい

これはどっちか言うたら、新人がもらい過ぎなだけやねんけど、やってる本人としては理屈じゃなくて感情的に受け入れられへんわな。わかるで。それはわかる。

こういうルールの会社の場合は、事前にちゃんと説明してもあんまり効果ないねん。つまり、「うちはプレーヤー極めても給料変わりませんよ」って事前にちゃんと伝えていたとしても、「なんで給料上がらないんですか?おかしいですよね?」的な不満は必ず出てくる。説明してようがしてまいが関係あらへん。不満がたまったが最後、やっぱり言うてくるわ。

こんなとき、どうしたらええか、僕の圧倒的な経験をもとに書いてみる。圧倒的に偏見に満ちてるって意味な。

お金だけのために働いてるわけじゃない

基本的に、うちも含め、多くの会社で働く契約社員はお金だけが目当てで働いているわけちゃうねん。そんな人はもっと高収入な職に就くやろ?「お金だけ」が目当てやねんから。

カジノディーラーって儲かるん?

でも、そんな人、極極極少数やで。ほんでな、会社で手に入るものって給料だけじゃないねん。一番わかりやすいのが給料っていうだけで、それだけじゃないねん。ここがポイントやねん。

僕の動機

たとえば僕は今の会社、スタートは契約社員やねん。家族おるから正社員の仕事を探してたんやけど、ここやったら契約社員で働いたってもええかなって判断したんよ。上から目線で。別に時給は全然高くないで。それでもここって決めた理由の1つは、契約社員とは思えないくらいいろんな仕事を任せてくれるからやねん。

個人的にめっちゃおもろいねんけど、うちの会社の、転職サイトのレビューめっちゃ低いねん。ビビるくらい。超絶ブラックみたいなこと書いてあんねん。

契約社員とは思ないくらいいろいろやらされる。そのくせに時給は上がらない。やりがい搾取。

とかな。こんなんばっかりやねん。でも、僕に言わせればこれってめちゃくちゃええ環境やねん。もちろん、時給は上がるに越したことはないで。そこはたしかにそうやねんけど、いろいろやらせてもらえるところが最高やん?

いろいろやらされることを「やりがい搾取」と感じるか、「正社員で採用されなきゃできない経験を、契約社員でやらせてもらえるなんてラッキー」と感じるか。まぁ人それぞれやわな。

この辺は人生設計の話になるのかもしらんけど、僕は契約社員の一番の欠点は、裁量が小さいことやと思ってるんよ。権限がほとんどない。だから、転職に不利やねん。経験値が上がらへんから。

これ、今流行りのタイパ重視の人にはわからん感覚やと思うわ。まぁ僕らオジサンのほうが、タイパ重視の人が本当に何を求めているかをわかってない可能性も高いし、彼らには僕ら世代には想像もつかない生存戦略があるんかもしらん。僕ら世代の働き方も、親世代からしたら納得いかんかったやろうしな。僕は転職すればするほど社会で通用する人間になれるっていう考えやねんけど、親はやっぱちゃうもんな。親からは、僕らの考え方は、好き嫌いじゃなくて、根本的に理解できへんかったかもしれん。僕はついついタイパ重視の若者に将来が心配やっていう話をしてしまうんやけど、たぶん、僕には彼ら世代のエコノミーが、紫外線のように見えてへんのかもしれん。たしかに存在しているのに、それを感じ取るセンサーが備わってないんかもしれん。

あかん、、違うテーマで話膨らみそうやわ。

僕がこの会社に契約社員で入社したときは、実はもう1個損保のコールセンターも受かってたんよ。時給1,650円。この時給やったら、毎日定時でも月収29万あるし、残業ある会社やったら35万くらいいけるかもしらん。それでも、僕はあえてクソ低い時給の今の会社に入社してん。決め手は何か言うたら、裁量の大きさ。

「単純作業だけだったら、この時給では働けません。これ以上あがらないならなおさらです。でも、もし正社員と同じくらいの裁量を与えてくれるなら、この時給で働きます。」

って面接で伝えたら、一部の機密情報を除いてOKという返事がもらえたから、ここで働くことに決めたんよ。僕が何より欲しいのは経験やったからね。正社員じゃないのに、正社員と同じ経験ができるなんてクソラッキーやん。履歴書に書けることギャンギャン増えるやん。なんやったら、契約社員なのに正社員と同じ裁量を勝ち取ったみたいなエピソードも書けそうやん。

仕事の解像度

低解像度の恐怖

こんな風に、経験が手に入るなら時給が安くてもいいっていう人もおるわ。僕みたいに事前に明確になってる人はええねんけど、たいていの場合、本人も気づいてへんねん。残念なことに。ここが難しいとこやな。本人に「経験が積めるで」だけ伝えても、「いや、時給が上がらないなら別にいいです。」ってなるねん。

この辺は、こっちのトーク力・質問力がいるところやな。ほとんどの人は自分の人生を想像するときの解像度が低いから、ガラケーの待ち受け画像でも認識できる「時給」くらいしか見えてへんねん。

ガラケー時代のエロ画像とか、今思えば何やったんやろな。どこが乳首かわからへん。画素が少なすぎて、表現できてへん。それでも、あの時代は鮮明に見えてる気がしたんやから不思議やわ。カップルが望遠鏡を覗きこんでた午前2時、僕は必死にガラケーとにらめっこしてたんや。見えないものを見ようとして。

ほんで、信じられへんかもしれへんけど、見えたんや。ホンマに。理論上は見えへんはずやのに。

今の若い子らは、物心ついたときには4Kやもんな。テレビの裏には本物の乳首があるんじゃないかと錯覚するくらい鮮明なものしかない時代に生まれてんねん。そのせいで、育む機会が失われたんやな。見えないものを見る能力を。自分に飛び込んでくる情報はすべて鮮明なんやって。自分は、ありのままの情報を受け取れてるんやって。そういう認識の若者が増えてんねん。VRで見てるやつなんかこの世の終わりやで。便利で手軽やけどな。

でもちゃうねん。見えないはずの乳首が見えるようになるまで脳を鍛えた僕ら世代に言わせれば、真実は見ようせなと見えへんねん。どんなに少ない画素からでも、脳内で4Kに補完するスキルを磨かなあかんねん。

ええか。現実世界は4Kとちゃう。思考停止の受け身やったら、ガラケー以下やねん。ゲームボーイ級やねん。何も見えへん。見えないはずの乳首を4Kに変換する能力を磨いてへんやつは、自分の仕事を「クリックするだけの単純作業です。」って言うてまうねん。俺には見えてる乳首がそいつには見えてへんねん。

「見えないはずの乳首」って何回言うねん。その表現気に入ったんか?

気に入りました。

せやから、もし経験の価値を伝えるなら、まずは人生の解像度を4Kくらいに上げてから話してあげなあかん。これは大変やねん。ガラケーの画像から4Kを生み出す努力が必要やねん。乳首やったら(しつこい)、わざわざガラケーで見らんでも、4Kで見たらええねん。そういうテクノロジーのある時代に生まれたんやから。でも、人生は、仕事は、誰も4Kには変換してくれへん。自分で努力して変換するしかないねん。知らんけど。

4Kのモニター欲しくなってきた。

仕事の作業効率上がるからな。

ほんでな、解像度を上げるっていうのはな、ほとんどの人はホンマにビックリするくらい低解像度でしか考えられてへんから、こっちでサポートしてあげなあかんで。これは人生経験由来やと思う。つまり、ニアリーイコール年齢やね。若い人の解像度の低さはゲームボーイ級や。まぁ僕もそうやったし。20歳のときの僕は、外資系企業はすごくて日系企業はしょぼくてラーメンは美味いっていう3ピクセルしかない世界で生きてたからな。それでもなんとかなったんやからみんなもまだ間に合うわ。

解像度高く働いているのに見えてない

解像度の話やけど、たとえばうちはパソコン上で書類を確認してOKかNGかをポチポチやるだけの仕事やねん。←これがまさに初代ゲームボーイ級の低解像度。

こんな解像度やったら、

「うちって別に経験積めないですよね。クリックするだけだし、うちでしか役に立たないから、他の会社では使えないし。無駄に年を取るだけですよね。フォトショとか、他でも通用するスキルを身につけたいです。」

って言われてもしゃーない。フォトショ使う仕事なんて世の中の仕事の0.1%もないやろって言いたくなんねんけど、正論は置いとこ。

単純作業の人も、ホンマはもっと複雑なことやってんねんで。うちの場合、複数ある案件の中から、限られた時間の中で優先順位をつけて対応してるやろ?これを間違うと、タイムオーバーになる案件が出てまうからな。そうならへんために、瞬時に複雑な判断してんねん。すごいやないか。

ほんで、欠勤が多い日とかやったら、その分を加味してこれくらい対応しなきゃまずいなとか、調整してくれてるやん。ほんで相談しにきてくれるやん。これって、上司からしたらめちゃくちゃありがたいことなんよ。

転職に役立つスキル・経験っていうと、やれExcelだのやれAdobeだの、ガラケーでも見えるものばっかり言うんやけど、採用する立場からしたら、そんなん全然響かへん。ホンマどうでもいい。みんな言うてくるし。

もっと低い解像度

それよりも、「前職の業務構造を理解してたんやな。」っていうほうが、評価高い。つまり、売上やクライアントからの評価に対して一番インパクトが大きいのはどの要素で、どの要素は些末なことなのかとか。そんな話が面接で聞けたら2億%採用する。Excelできます!よりはるかに有益。こっちはあなたの解像度を見てんねん。目ん玉についてるカメラがガラケーか一眼レフかを見てんねん。Excelができるとかフォトショができるとかは、オプションや。

具体的には、

「私の前職での業務は書類審査でした。一見すると単純作業なのですが、やっていく内に、この業務で成果を上げるためのポイントが3つあることに気づきました。それが、●●と●●と●●でした。その中でも、●●が、もっとも簡単に改善できて、かつ成果への効果も大きそうだと思ったので、私なりの工夫を社員さんに伝えたら、そのやり方がマニュアル化されることになりました。今でも、業務ではそのマニュアルが使われています。」

とかでええやん。業務はクリックだけの単純作業かもしらんけど、職務経歴書に書ける内容としては十分やん。クリック以外のこと考えたらクビって言われてるわけちゃうやん。思考は無限やん。

せやから、単純作業の業務では経験が積まれへんっていうのは、解像度の低さが生むおおきな誤解で、ほんまはそんなことないねん。どんなに単純な業務でも、抽象度を一個上げたり、解像度を上げたりすることで一気にお宝のような経験が詰めるようになるから。

うちの場合は、億単位の売上がある業務を担当してるから、「クリックするだけの業務」だと認識するのはホンマに死ぬほどもったいない。解像度を上げたら、めちゃくちゃいろんなことを学べる。たとえ時給が上がらんくても、これを学ばんと辞めるのはもったいないわ。

まとめ

あー。

まとまらへんくなったな。

まぁええわ。

ざっとこんな感じのことを、面談とかでしゃべるねん。僕は。
やってることを構造化すると

  1. 面談者の解像度を4Kくらいに引き上げる

  2. 転職について、4Kでイメージさせる

  3. 今の仕事を、4K&一段階上の抽象度で考えさせる

  4. 仕事を大部分を、4画素・低い抽象度でしか見えていなかったことを実感させる

  5. 4Kで働いてからじゃないともったいないと気づかせる

です。

ポイントは「させる」ってとこやな。それくらい気合いいれなあかん。最近、何に配慮してか「していただく」っていう人多いねんけど、それはある側面では配慮やけど、ある側面では熱量不足や。この辺はまたいつか書こうかな。書かへんかもしらんけど。注意点としては、松岡修造みたいに暑苦しく言えばええってもんじゃないで。相手とチャネリングするんやで。暑苦しいのが苦手な人に熱狂的に語り倒すのは一発退場やからな。

いや、ホンマにもったいないねん。「ずっと単純作業ばっかりで、無駄な時間を過ごした。」という認識で辞めていくのは。それが一番かわいそうやわ。それは阻止したい。辞めるのを阻止したいんじゃなくて、「そんな認識のまま」去っていくのを阻止したい。なぜなら次の職場でも低解像度で仕事することになるから。そして低解像度のまま30歳になり、40歳になり……って何もいいことあらへん。

……最後の1~5の構造化に沿って書けばよかったな。そのほうがわかりやすかったな。まぁええわ。今度書くわ。たぶん。きっと。

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