クラロワリーグ | CRL West | 2019-S2 | ウェストの12チーム(7~12)
後編では旧CRL NAの4チームと旧CRL LATAMの2チームを紹介。昨季3位の”IMMORTALS”、同4位の”COMPLEXITY”の2チームのみオフに動かず。
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『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」(Clash Royale League, CRL) 2019 Season は、CRL China・CRL Asia・CRL Westの3つのリーグで世界展開されている。そのうち日本チームが所属しているのはCRL Asiaだが、今回はCRL Westについてのお話。
ChinaとAsiaに遅れること約1カ月、9月14日にCRL WestがS2の開幕を迎える。そこで当noteでは昨季と同様に、CRL Westについてかんたんな観戦ガイドも添えて、所属全12チームの紹介をレポートしていくことにした。情報量が多いので、前編と後編の2部構成だ。
今回はその「後編(7~12)」。旧CRL NA の4チームと旧CRL LATAM の2チーム、計6チームについてご紹介!
クラロワリーグ | CRL West | 2019-S2 | ウェストの12チーム(1~6)
https://note.mu/kabutom/n/n69aff0bfe8ea
クラロワリーグ | CRL West | 2019-S2 | ウェストの12チーム(7~12)
https://note.mu/kabutom/n/n9adbf6c6b348(本note)
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Overview(抜粋)
※昨季の順位表はこのページにもあった方が見やすくて便利だろうということで、前編に掲載した「Overview」から「(2) Season1 のおさらい」の項目だけを再掲する。
(2) Season1 のおさらい(※再掲)
2019年5月~7月に行われた「CRL West 2019 S1」を軽くおさらい。
「レギュラーシーズン(RS)+プレイオフ(PO)」というリーグ形式で、POは上位6チームによるステップラダー式トーナメントが採用された。RSは2位から5位までが同じ勝利数でならぶ大混戦であり、どのチームが勝ってもおかしくないPOだったが、最終的にTeam Liquidの優勝でS1は幕を閉じた。
▼順位表(2019 S1 RS)
▼プレイオフトーナメント(2019 S1 PS)
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7. COMPLEXITY
COMPLEXITY(COL)は、2003年にアメリカで設立されたesportsチーム。現在はNFLのダラス・カウボーイズ傘下に入っていて、2019/5のブランドデザイン刷新により”カウボーイズ感”がはっきり打ち出された。クラロワ以外のゲーム部門には、CS:GO、FIFA、Rocket league、Fortnite、Apex、Madden、MTG Arena、Hearthstoneなどがある。(アメフトのMaddenが含まれるあたりが実に”らしい”)。パートナー企業は数多く、世界最大のビデオゲーム販売店GameStopやコンピュータのMSI、ビールのMiller Liteといった大企業がその中に含まれている。
COMPLEXITY(COL) NA('18)>West('19)
coltonw83/Razzer/Adrian Piedra/VULKan/airsurfer
IN: -
OUT: -
昨季(2019 S1)のCOLは、7W-4Lの12チーム中5位でPlayoffsへ進出し、TRBとFNCに連勝したものの同国のライバルIMTに敗れ4位でシーズンを終えた。All Killリーグ最多4度のVULKanを擁してKOHに強かったのがS1の特長で、チーム全体でもWest最多7度のAll Killを記録するなど実に華々しかった。
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、S1と変動なし。今オフ不動だったのはCOLとIMTの2チームだけ。確かにS1の戦いぶりを見れば補強もリストラも不要と判断したとしても理解できる。ただ、強いチームにも常に”刺激”が必要なのがあらゆるスポーツの鉄則で、一番分かりやすい”刺激”が人事なのもまた事実。S2は監督・コーチの手腕が試されそうだ。
COLの予想布陣は「1v1&KOH:VULKan・Adrian Piedra・airsurfer。2v2:Razzer・coltonw83」。2v2ペアは歴戦の2人で鉄板。1v1&KOHがカギになるが、S1大活躍のVULKanにさらに上を要求するのは酷というもの。不完全燃焼だったAdrian Piedra・airsurferの2人に思い切り燃えてもらうとしよう。
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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8. IMMORTALS
IMMORTALS(IMT)は、2015年にアメリカで設立された新興のesportsチーム。創業者のノア・ウィンストン(現在24歳)は、大学を中退してこのチームを興した。現在は複数企業から成るIGC(Immortals Gaming Club)グループを形成している。クラロワ以外のゲーム部門には、LOL、Rainbow 6、Apex Legendsなどがあり、系列チームがOverwatch leagueへと参戦している。パートナーの中にSt. Jude Children’s Research Hospital(聖ジュード小児研究病院)やシューズのK-SWISSなどが含まれている点が異色だ。
IMMORTALS(IMT) NA('18)>West('19)
ah craaap/thegod_rf/Royal/Lapokati
IN: -
OUT: -
昨季(2019 S1)のIMTは、7W-4Lの12チーム中3位でPlayoffsへ進出し、COLに勝ったがTLに敗れ3位でシーズンを終えた。S1オフにはWest代表の一員として「WCG - CRL」にも出場した。ah craaap & thegod_rfペアは相変わらず健在で、”新鋭”Lapokatiと”世界一のゴーレム使い”Royalの1v1ダブルエースが他チームの脅威となった。
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、S1と変動なし。今オフ不動だったのはCOLとIMTの2チームだけ。COLの紹介の時と同じ指摘をくりかえすが、戦力的に十分との判断には同意できるものの、チーム内のマンネリと停滞を排し、選手に刺激と十分な動機付けを与えるには、マネジメントが重要になる。
IMTの予想布陣は「1v1&KOH:Royal・Lapokati・thegod_rf。2v2:ah craaap・thegod_rf」。起用はまず昨季と変わらないだろう。チーム内に競争原理が働いている1v1に心配はない。チームがもしつまづくとすれば、替えの効かない2v2がスランプに陥ってしまった時だろうか。
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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9. NRG
NRG(NRG)は、2013年にアメリカで設立されたesportsチーム。ブランドロゴが最近新しくなったばかりだ。NBAのサクラメント・キングス傘下であり、投資家兼アドバイザー陣にはなんと、シャキール・オニール(元NBA)やアレックス・ロドリゲス(元MLB)といったプロスポーツ界のビッグネームの名前が入っている。クラロワ以外のゲーム部門には、APEX LEGENDS、CS:GO、Dragon Ball FighterZ、Fortnite、Hearthstone、Overwatch league、Rocket league、SMASH ULTIMATE などがある。パートナー企業には、ゲーミングチェアのOPSEAT、移動体通信のクアルコム、PCメーカーiBUYPOWERといった順当なesports関連産業の企業名が多く見られる。
NRG(NRG) NA('18)>West('19)
Hazard/ThunderStruck
IN: Boeufmac(TL)/Trainer Diputs
OUT: xPedro15(KIX)/lichpentakill/Carter(TRB)
昨季(2019 S1)のNRGは、4W-7Lの12チーム中10位と苦しんだ。しかしこれも無理のない結果で、実は開幕ロスター4人のうちの2人のベネズエラ選手にVISAが下りなくて選手が足りず、慌てて1人緊急補強したものの結局その3人体制でシーズンを乗り切らざるを得なかったという事情がある。よくぞ完走した、ナイスファイトと言うべきだろう。
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、2人IN・3人OUT。2人のベネズエラ選手xPedro15(KIXへ)とlichpentakill(FAに)、そして昨季からの柱の1人Carter(TRBへ)がチームを去った。
新たに加入するのは、1人の移籍選手と1人のFA選手。昨季優勝TLからなんとBoeufmacが電撃加入した。彼はS1のPlayoffsでAll Kill(3人抜き)を達成したり、夏の「WCG - CRL」では1v1でSet:2-0だったりと大舞台に強いプレイヤー。Westに参戦中の英国選手はBoeufmacとThunderStruckの2人だけということもあり、新天地での共闘を選んだようだ。Trainer Diputsは、昨年Dignitas(当時CRL EU)に在籍し、今年はFree Agentになっていたベテランプレイヤー。新生NRGはイギリス2・アメリカ2の英語圏チームになる。
NRGの予想布陣は「1v1&KOH:ThunderStruck・Boeufmac・Hazard。2v2:Hazard・Boeufmac・Trainer Diputs」。チーム浮沈のカギを握るのは、Boeufmac。彼が1v1に2v2にとオールラウンドなエースという重責を果たすことで、チームの上位進出への道が拓けていく。
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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10. TRIBE GAMING
TRIBE GAMING(TRB)は、チャンネル登録者数250万人を誇るアメリカのYoutuber ”Chief Pat”が2017年に設立したばかりの成長中のesportsチーム。クラロワ以外のゲーム部門は、Clash of Clans、Brawl Stars、PUBGM、とモバイル系やSupercell社系が中心だ。パートナー企業には、ゲーミングチェアのSecretlab やDiscordの名があるがWestの他チームに比べその数はまだ多いとは言えない。
TRIBE GAMING(TRB) NA('18)>West('19)
B-rad/TOMMY/Nitram/Eelke(H.C.)/MadRaider(C.)
IN: Carter(NRG)/Soking(SK, *loan)
OUT: JMonte/Spades
昨季(2019 S1)のTRBは、6W-5Lの12チーム中6位でPlayoffs最後の1枠を獲得したが、COLに敗れ下剋上は成らず。6位でシーズンを終えた。B-rad & JMonteの2v2は強力だったのだが、1v1とKOHでTOMMYに次ぐ選手が現れず孤軍奮闘の状態だった。
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、2人IN・2人OUT。2v2の主力の1人JMonteとAll Killを1度達成したSpadesの2人がチームを去ったが、Carter(NRG)とSoking(SK)という実績ある選手を2人獲得することができた。SokingのLOAN移籍というのは耳慣れないが、他スポーツによくある”レンタル移籍”のようなものだとすると、TRBにとって実に賢いプランだと思う。(ひょっとしたら”SK戦には出場不可”というような縛りはあるかもしれない)
TRBの予想布陣は「1v1&KOH:TOMMY・Soking・Nitram。2v2:B-rad・Carter」。CarterにはJMonteの後釜となる2v2で、Sokingには1v1&KOHでの活躍が期待される。2018年にTQをCRL EU優勝に導いたときの輝きがSokingに戻れば(現スタッフ陣にはあの時と同じMadRaider(Coach)もいる)、TRBが優勝争いに絡んで来てもおかしくはない。
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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11. CREAM ESPORTS
CREAM ESPORTS(CRM)は、2017年設立のヨーロッパ・ラテンアメリカのスペイン語圏を対象としたesportsチーム。今季からブランドマークが新しくなった。クラロワ以外のゲーム部門は、LoL 、CS:GO、Fortnite、AoV、FIFA、BS、FF、R6、PUBGM、COC、とモバイル系が多い。スポンサー企業には、メキシコ企業Score OneとLATAM系のライブ配信Peek studiosの名があるがWestの他チームに比べると多くはない。
CREAM ESPORTS(CRM) LATAM('18)>West('19)
Kodigo/Lince/LucDubs
IN: Pompeyo4(New)
OUT: Flash/Jose Brayan/DiegoE
昨季(2019 S1)のCRMは、4W-7Lの12チーム中11位でひっそりとシーズンを終えた。2018年のCRL LATAMで好成績を挙げた選手を集めた”中南米オールスターズ”として期待され、Westで唯一の6人体制採用も注目されたのだが、Set1(2v2)が致命的だったうえ、Set2(KOH)も壊滅的だった。
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、1人IN・3人OUTで4人体制となる。2v2での出場数が多かった順に上から3人がチームを離れた。新たに加わるのは”ポンペヨ・バルーン”で世界にその名を知られたメキシコのPompeyo4だ。彼はゲーム内ランキングで世界1位を3度(2017/1, 2018/3, 2018/9, 彼自身のプロフィールによると4度)獲得した経歴をもつトップオブトップの実力の持ち主。チームやファンにとってこれほど楽しみな吉報はない。
CRMの予想布陣は「1v1&KOH:Pompeyo4・Lince・LucDubs。2v2:Kodigo・Lince・(Pompeyo4)」。Linceが昨季と同等の活躍をするとして、Pompeyo4がエース級の数字を出せるなら1v1&KOH陣には希望が持てる。ただ問題は2v2だ。経験値の少ない未知数なコンビを採用せざるを得ない。消去法で考えるなら、スペイン語圏の2人になるのだろうか?
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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12. PAIN GAMING
PAIN GAMING(PNG)は、2008年にブラジルで設立されたLATAM有数のesportsチーム。クラロワ以外のゲーム部門には、League of Legends、CSGO、Rainbow Six、Arena of Valorなどがある。パートナー企業の中には、LOL部門限定ではあるがCoca-Colaという超ビッグネームも含まれる。(残念ながらクラロワ部門のユニフォームの胸にあの赤いロゴはない)
PAIN GAMING(PNG) LATAM('18)>West('19)
WEN/Renan Cava/Karnage/Leo(Coach)
IN: Michifu(New)
OUT: Surg TS(TL)
昨季(2019 S1)のPNGは、5W-6Lの12チーム中7位で惜しくもPlayoffs進出を逃した。1v1・2v2・KOHとどのSetにも決め手を欠いていた。シーズン終了後の選手・スタッフのtwitterからはチーム内部に問題を抱えていたこともうかがえた。(それを公言してしまうあたりもまた問題だ)
今季(2019 S2)の開幕ロスターは、1人IN・1人OUT。中心選手だったSurg TSの移籍は痛い。(しかも行き先はよりによって昨季優勝のTLである)。代わって加入するのは、スペインの新人CRL選手Michifu。彼はゲーム内モード「グローバル大会」で世界2位を3度獲ったことのあるシルバーコレクター。最多トロフィーは8000越えだ。これで新生PNGは、ブラジル(公用語ポルトガル語)2・スペイン2という構成になりバランスは良くなった。
PNGの予想布陣は「1v1&KOH:WEN・Karnage・Michifu。2v2:Renan Cava & WEN・Karnage & Michifu」。今季の2v2は、ポルトガル語組とスペイン語組の2パターンが考えられる。1v1との兼ね合いで両パターンを使い分けていく戦い方になるのではなかろうか。
▼チーム成績
▼2019 S1 個人成績
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関連note
昨季(2019 S1)のWestチーム・選手紹介。
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⇒(前編)ウェストの12チーム(1~6)
Overview
観戦ガイド
1. DIGNITAS
2. FNATIC
3. TEAM LIQUID
4. MISFITS
5. TEAM QUESO
6. SK GAMING
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League Information
クラロワリーグ ウェスト Clash Royale League West, CRL West
Official HP(EN/DE/FR/ES/PT)
https://esports.clashroyale.com
OGN HP
https://www.ognesports.com/leagues/clash-royale-league-crl-west/
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