第39回 「損切り」しない投資(9616共立メンテナンス)

今回は、私の個人的な経験です。
今の私の長期保有のポートフォリオの中で、大きく成長している銘柄は、9616共立メンテナンスです。
リーマンショック後に、株主優待目当ての長期保有銘柄として2008年に360円ほどで買いました。
家族全員分5名義で持ってます。

本当のところ、実際の買値はもっと高いです。
なぜなら9616共立メンテナンスはその後、1:1.2、1:2、1:2と3回の分割を実施しているからです。
当時の100株は、今の480株に増えているという訳です。
だから購入額も、360円の4.8倍になる1,728円くらいです。

9616共立メンテナンスは、私の購入後、リーマンショックの不況の煽りを受けて、2011年には200円割れまで経験しました。
この時期、多くの新興不動産会社が倒産していたような状況です。
実際、底値付近だと考え、360円で買ったのですが、予想外に相場は弱かった訳です。

最初から長期投資ということで、次の好景気の絶頂期まで保有し続けるつもりでしたから、下げれば買い増しということを考えていました。
だから、当初の想定通りに、買い増しを続けて、最終的に平均買値は300円ほどにまで下がっていました。
それでも、最悪時には、買値300円に対して評価額は200円です。
約33%の下落ですから、損切り投資的には、手遅れと言えるほどの含み損でしょう。

ところが当時の私は、損切りする気など無いどころか、喜んで買い増しを続けていました。
なぜなら、同じ不動産銘柄でも、自己資本が違ったからです。
不動産を生業とする企業は、まず土地を買って、そこに家なり、マンションなりを建設して販売します。
ですから、最初の土地の購入から販売までは、数年かかることが当たり前であり、その間は銀行からの借り入れで賄います。
そうなると、必然的に借入額が大きくなり、自己資本比率が低下してしまう訳です。
しかし、9616共立メンテナンスは、倒産したような他の企業とは異なり、銀行からの借入れが少なく、貸し剥がしを受けるような会社では無かったからです。

その後、アベノミクスで、日本の株式市場は復活します。
2011年の終わりには、ほぼ買値平均の300円弱まで回復します。
翌2012年には400円、翌々2013年には800円まで上昇しました。

そして2015年には2,600円まで上昇します。
上昇し始めて5年で、ほぼ10倍近くまでの上昇が得られました。
ところが翌2016年、チャイナショックによって急反落の動きになります。
ほぼ半額の1,400円まで売られてしまいました。

実は、この時の記憶は、私にはありません。
なぜなら、株価を見ていなかったからです。
長期投資目的で、次の景気の絶頂期まで持ち続けようと考えていた訳ですから、私にとって株価は関係ありません。
関係あるのは、景気が天井を打つかどうかということだけだったのです。

中国経済の腰折れから、日本も影響を受けて景気が減速するという話が飛び交いました。
しかし、結果的に売らなかったのは、中国の景気が政府主導で強引に持ち直されるという話が広がり、実際にそうなったからです。
その後、2018年には3,200円まで上昇し、新型コロナで900円まで大暴落してしまいます。

2018年以降は、株価の伸びも無く、景気減速懸念が高まっていました。
ただ、低金利を背景にした円安により訪日外国人は多く、景気が大きく崩れることは考えられなかったことを覚えています。
だから持続としたのですが、新型コロナショックでは、全てが吹き飛びました。

多くの方が、新型コロナショックを経験していると思います。
私は、当時、超強気に考えていました。
なぜなら、2009年に新型インフルエンザショックを超強気して大儲けした経験があったからです。
この時も、新型インフルエンザで感染死が多く出ると、社会は大混乱になりました。
が、実際は、その混乱も直ぐに収束し、感染死も想定よりはるかに少ない人数で済みました。
踊らされた投資家は損切りさせられただけで、強気に買い向かった投資家は大儲けとなったのです。
だから私は、超強気に、下がれば下がるほど買い増しを続けたのです。
結果、全てを失いかけましたが・・・・・。

何とか首の皮一枚で繋がり、冷静になったところで長期投資銘柄を考えました。
売るのか、それとも買い増すのが・・・・。
結果、買い増すことを選択します。
「新型コロナで人類が滅亡するなら、株式を売って現金化しても意味が無い。滅亡しないなら、結局、元通りに戻るのだから、数年我慢すれば全てが利益になるはずだ。」
そう考えた訳です。

まぁ、AI、ロボット、メタンハイドレード関連を中心に買ってしまい、効率は全く良くないですけど・・・・・。
因みに、9616共立メンテナンスは、家族全員で今も保有し続けています。
もう、買い増すことは無いと思いますが・・・・。

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