マガジンのカバー画像

第3篇 単利と複利

14
投資をする上で最も重要視するべきことは、複利効果です。 この複利効果は、資金が増えるだけではなく、普段の生活でも、様々なところに影響しています。 先進国で、日本が一人負けになって… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

第40回 「損切り」する投資(8245丸栄)

今や死語となっている言葉に、「仕手」というものがあります。
仕手とは、本来は能や狂言で主人公を演じる人のことです。
これが転じて、人為的に相場を作り出して、短期間に大きな利益を得ることを目的に、株式市場で大量に売買して相場操縦を主導する人のことを言います。

この仕手ですが、現在ではSNSの普及により、完全に姿を消してしまいました。
なぜなら、相場を作ろうとすると、直ぐにSNSで情報が拡散されてし

もっとみる

第39回 「損切り」しない投資(9616共立メンテナンス)

今回は、私の個人的な経験です。
今の私の長期保有のポートフォリオの中で、大きく成長している銘柄は、9616共立メンテナンスです。
リーマンショック後に、株主優待目当ての長期保有銘柄として2008年に360円ほどで買いました。
家族全員分5名義で持ってます。

本当のところ、実際の買値はもっと高いです。
なぜなら9616共立メンテナンスはその後、1:1.2、1:2、1:2と3回の分割を実施しているか

もっとみる

第38回 「損切り」をするべきか、しないべきか

よく投資家の間では、「損切り」をするべきか、しないべきか、が議論の的になります。
結論から言えば、「投資期間により異なる」なのですが、この問題をこれまで説明してきた「risk management」と「複利効果」を交えて説明したいと思います。

まず、最初に「損切り」の定義です。
買値から下がって、損して売ったものは全て損切りとしてしまえば、議論の余地は無くなります。
かなり乱暴なものになることか

もっとみる

第37回 「ゆでガエルの法則」と投資

短期投資では、損切り値を事前に決めることが必須になっていると言って良いでしょう。
なぜなら、事前に決めていないと、「ゆでガエルの法則」を食らう可能性が高いからです。

例えば、100万円でスイングトレードをします。
利益目標5万円、損切り値3万円、期間は5営業日と決めます。
1,000円の銘柄を1,000株買います。

1,000円の銘柄なら、普通の日の値動きでも、990円~1,010円の間は動く

もっとみる

第36回 ゆでガエルの法則

「ゆでガエルの法則」とは、危険が迫っているにもかかわらず変化がゆるやかなためになかなか気がつかず、気づいたときには手遅れになっている、という状況をあらわす造語です。
カエルも、熱湯に投げ入れれば、即座に熱くて逃げだします。
ところが、水をゆっくり過熱していると、熱さに気づかず、気づかない間に死んでしまうということです。
まぁ、さすがにカエルも、実際にはそこまでアホではなく、途中で飛び出してしまいま

もっとみる

第35回 複利で悪化したバブル崩壊後の日本

私も、学生時代は、バブル崩壊以前でした。
詳しく言えば、大学在学中にバブルが崩壊したのです。

ですから、当時の常識では、受験戦争を勝ち抜くことが必須でした。
最上は、旧帝国大学系国立大学、次いで早慶上智、国公立大学、GMARCH・・・・、みたいな感じでした。
より良い大学に入学することが、より良い企業に就職し、円満な社会人生活を送ることができると考えられていた時代です。
このため、殆どの学生は、

もっとみる

第34回 コンビニのカップラーメンが節約!?

前回の最後は、私の個人的な知識をひけらかすような内容になってしまいました。
- 何これ!! -
そう思って、途中で読むことを止めた方も多かったと思います。
真意が正しく伝わらないのは私としても不本意なので、今回は逆に知識の広がりが無い人のことを書きたいと考えます。
- そんな人は居ないだろう!! -
読んでいてそう感じる人は多いだろうと思いますが、決して大げさには書いていません。
本当に、私が出会

もっとみる

第33回 複利の効果は投資だけではない②(知識)

前回は、経済での複利の効果の説明をしました。
経済と投資は同じ範疇でしょ、と考えている人も多いと思います。
また、あの説明だけで複利の効果を実感し、このままの日本ではダメだと考えることが出来たのなら、それは意識が高い系の人です。
普通の人は、結局は良く分からないと感じただけでしょう。
なぜなら、経済の話なんて、普段の生活からは遠い世界の話だからです。
なかなか自分の問題だと身近に考えることは出来な

もっとみる

第32回 複利の効果は投資だけではない①(経済)

ここまで数回に渡って、複利の効果を説明してきました。
複利については、大分理解してもらえたのではないかと思います。
そして、ここからが重要です。
この複利の原理原則が世界を支配しているという現実も、また理解しなければならないということです。

去年、日本はドイツにGDPを抜かれて世界4位に落ちました。
そして中国に抜かれて世界3位になったのは、2011年と10年以上前です。
昭和時代の中国のイメー

もっとみる

第31回 投資サイクル

投資を行うと、サイクルという言葉を良く耳にします。
サイクルとは、状態が続けて変化し、再び最初の状態に戻ることを言います。

人の行動は、適度に止められることはなく、必ず行き過ぎということが発生してしまいます。
なぜなら、どんな人も、余裕を持ちたいと考えるからです。
10時ちょうどの電車に乗りたければ、9時55分には駅に着きたいと考えるでしょう。
予算2万円で服を買いに行こうと思えば、財布には2万

もっとみる

第29回 投資は100万円から始めよう

前回までに説明していた10万円から1億円に増やすのは、実に元本を1,000倍にすることです。
50年間やり続けて、結果的に失敗だったと言われれば、目も当てられません。
マンガやアニメと違って、転生したり、やり直したりすることは出来ないからです。

当然、誰もがそんな気の長いことなんて出来ないと考えるのは、当たり前のことです。
そんなうまい話がある訳が無いと思うのは、今の社会では当然の感覚です。

もっとみる

第28回 複利と期間

前回、複利の利回りについて説明しました。
同じ元本で10年運用しても、そこから生まれる利息は利回りで大きく違うと言うことを説明しました。
でも、10万円を10年間で1億円にするには、年利100%で運用しなければなりません。
100%なんて普通の人間には無理だと考える人が殆どでしょう。
こういう時は、期間を伸ばせばよいのです。
期間の長さによっても、複利の効果は爆破的に変わるのです。

まず、前回と

もっとみる

第27回 複利と利回り

前回、複利と単利の違いについて説明しました。
同じ利回りで10年運用しても、そこから生まれる利息は大きく違うと言うことを説明しました。
でも、10万円を10年間運用して、違いが12,886円程度だったら大きな違いは無いと考える人がいるかもしれません。
これは利回りが5%だからで、利回りが大きくなればなるほど、複利の効果は爆発的に変わるのです。

まず、前回と同じように、5%の利回りの結果は、以下の

もっとみる

第26回 複利と単利

複利とは、利息にもまた利息がつくことです。
もうちょっと難しく言えば、「当初の元本+利息」を再投資して、新たな利息を得る方法です。
複利の対義語は単利になります。
単利とは、「当初の元本」の金額のまま運用して収益を得る方法です。

言葉で説明するとちょっと分かりにくいので、具体例を挙げて説明します。
今、手元に10万円あります。
これを年利5%で10年間、単利、複利それぞれで運用します。

まず単

もっとみる