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【ショートショート】放課後ランプ(413文字)

成績トップの高梨夢乃さんは、近寄りがたい。
必要最低限のことしか話さないし、誰とも群れない。
おまけに笑顔を見せないから、孤高の存在だ。
ただ、それが格好良いと、男女ともに人気があった。

高梨さんははるか上の段にいて、すべてが並の僕の段からじゃ、目視できない。
それほどに高梨さんと僕の間には段差があったのだが……

「わっ!」
「ご、ごめんなさい。うちのポンタがご迷惑を……」
「ふふふ、可愛いワンちゃんですね。ポンタと言いますの?」

ポンタが本屋の入り口に近づいたところに、高梨さんが出てきたようだ。
高梨さんはポンタを見て、愛おしそうな表情で語りかける。

僕は自分にその笑顔が向けられているのだと錯覚した。

「あの!犬、好きなんですか?よかったら一緒に少し歩きます……か?」

その日以来、放課後になるとスロープを降りるかのように夢乃さんは僕の隣にいてくれる。

「本当にこれからも放課後だけでよいの?」
「うん(学校ではその顔しないで、モテちゃうから)」



*たらはかに(田原にか)さんのこちらの企画に参加しております。

「lamp」ではなく「ramp」で考えてみました。
前回の「トラネキサム酸笑顔」と同じような入りになってしまったけど、最近の少女漫画のタイトルっぽくて気に入ってるのでそのままで。

※サムネイルはAIによるものです。

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