読書⑩ 300万円ビジネスプロデュース侍
以下は慶應義塾大学ビジネス・スクール「ビジネスプロデュース論」の講義の要約です。
ビジネスプロデュース論
ビジネスプロデュースはビジネスの構想を作るところから始まる。
ここでは、自社の属する業界にとらわれず業界を超えた視野・発想を持つことが重要である。
構想ができれば次に戦略を構築する。
新しいビジネスは自社のビジネスの枠組みを超えたものも多いため仲間作りが必要になることが多く、構築した戦略に基づいて仲間作りを行っていく。この時に、自社と仲間になる相手とがWin-Winの関係を構築できることが重要である。
そして、必要に応じルール作りを行う。
新しいビジネスモデルは既存のビジネスの枠組みの中では成り立たないことも多く、場合によっては政策も動かしながらルールを作ることもビジネスモデルを構築する上で必要となる。
そして、社内外をドライブするためのマネジメントを行い、期待する結果を出すところまで実行する。
ビジネスの戦略を構築する上で、将来の市場を分析してどのポジションで戦うかを考えるアプローチが、一般的によく使われている。
勿論、そのアプローチも大事であるが、ビジネスプロデュースでは、将来の市場をどう創っていくか、そのためにどう仕掛けていくかを考えることが重要である。
また、“仕掛けるプレイヤー”をよく分析することが戦略構築の上で重要となる。
そして、仕掛けからビジネスの実現までをトータルで考えて、実行する。「0 を1 にする」、「1 を10 にする」、「10 を10,000 にする」という長いプロセスを見据えた上で1 つ1 つのアクションを設計し実行する。
この資料はネットに公開されていますので、ぜひ御覧ください。https://www.kbs.keio.ac.jp/doc/kbsforum2015_3.pdf
共感した自分なりの解釈
私が300万円で会社を買ったら、どんなビジネスプロデュースをするか。
タイトルでも匂わせましたが、今回読んだ本はこちら
年間5万件が廃業する今日ですが、そのケイパビリティを今日の人々のニーズに合った見せ方で提供したり、今日の成長分野に提供価値を変化させることこそ、ビジネスプロデュースではないかと思うのでした。
本書では、「畳張り替えのとある会社」の事例が紹介されます。
その会社は斜陽産業である畳表市場において大成功を収めているのですが、それは「深夜に畳の張り替え対応をする」という今日のトレンド”時差ビジネス”の発想によってもたらされました。
例えば私が自転車屋を買ったとするなら、
ユーザーが、24時間、パンクした自転車を設置できる場所を開放
ユーザーは住所を自転車屋に申し込みフォームなどで伝え、自転車の鍵を置いておく
翌日の朝には修理された自転車がユーザーの自宅の自転車置場に置かれている
というビジネスをやってみると思います。
この時代だからこそ「侍」みたいなことをしたい
侍という概念のコアは「仕える」というところにあるようです。
私は、この時代だからこそ人や地域、それが織りなす「市場」に仕えるビジネスをやりたいと思っています。
廃業してしまうことは、これまで仕えてきた人や地域をきっと悲しませてしまうことになります。
武士が武芸を磨いて侍として仕えるように、事業者がビジネスを磨いて市場に仕え続ける助けとなる、そんな侍ビジネスプロデューサーでありたい。
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