見出し画像

今がルネサンス以上の変革期である理由

<1,847文字>

2010年から2035年までの四半世紀は、おそらく人類史上最も劇的な変革期になるでしょう。
というのも、これまでの歴史で最も大きな転換期はルネサンスでしたが、それを超える巨大なパラダイムシフトが起きているからです。
けして予言めいた話ではなく、何故そうなのかを論理的に解説してみます。


まず最初に、ヨーロッパで起きたルネサンスの何がすごかったのか?

ひとことで言えば、世界の中心が『神』から『人間』に移ったことです。
コペルニクス的転回ですね。
その比喩が若干こんがらがるのは、天動説が人間(=地球)を中心にしたのに対し、地動説では神(=太陽)が中心になるからです。
が、その関係性は「動くものが上位にあり、動かないものが下位にある」と考えると腑に落ちます。
だからこそ、神と人間の立場を逆転させるガリレオの地動説を、キリスト教会は認めるわけにはいかなかったのです。

いずれにせよ、「世界は神がつくったのではなく、神もまた人間がつくり出したもの」という世界観がつくられていきます。
つまり、人間は世界で最も賢い(と、自分を考える)存在になりました。
もちろんその変化は一足飛びではありませんでしたし、そう思う度合いには今でも個人差があります。

しかし、種族全体として『人間こそが世界を正しく見ている』と考えるようになったわけです。
その象徴が、ルネサンスに生まれた遠近法でした。
それまでの絵画表現は神の視点で描かれていたため、平行線はどこまでも交わらず、世界は無限に広がっていました。

ルネサンス以前の絵画では、平行線は交わらない

一方、人間を固定した視点とする遠近法では、平行線は消失点で交わり、世界は有限です。

ルネサンス以降の絵画では、平行線は交わる

また、時間に関しても、ルネサンス以前と以降では価値観が大きく変わりました。
ルネサンス以前は『変わらないこと』が善しとされ、平和な生活のくり返しが求められましたが、ルネサンス以降は『変わる』ことが美徳となり、目的地=ゴールを目指す競争が始まります。

わたしたちが「絶えず時間に追われている」と感じるのには、文化的背景があるわけです。


今、何が起きているのか?

コンピューターやAIの発達は、上記の変化をさらに押し進めるものであり、10年ほど前まで、競争は激化するばかりでした。
が、コンピューターの発達が、指数関数的な発達の曲がり角を超えたことで、劇的な変化が起き始めました。


新しい時代の始まりです。

まず、「地球上で誰が最も賢いのか?」という問いに対しては『AI』という答えが返ってくることになります。
かつては神でしたが、やがてそれが人間になり、今度はAIに・・・
つまり、人間は賢さの王座から降りることになるのです。
それを嘆く必要はありません。
何故ならそれは、ルネサンス以前の謙虚さを取り戻す契機だからです。

また、コンピューターの発達は2次元空間の中に人間が入っていくことを可能にします。
それが『メタバース』です。
メタバースは『立体空間』と訳されますが、人間が見ているのはあくまで平面上に再現されるバーチャルな立体空間ですから、本当の立体空間ではありません。
正確には『無限に広がる遠近法的空間』であり、それは「まじわって見える平行線が無限に後退する」空間表現です。
それは、ルネサンス以前の絵画表現と以降の絵画表現のミックスと言えるでしょう。

遠近法的空間でありながら、原理的には無限に広がるのがメタバース空間の特徴


つまり、今起きようとしているのは、ルネサンス以前と以降の文化の大いなる融合。
弁証法的発展と言ってもいいのですが、『あれもこれも』の文化と言った方がわかりやすいですね 😊


というわけで、ちょっと難しい話になりましたが、今起きている変化は、それこそ何百年に一度、もっと言えば『人類史上初めての大転回』です。
なので、なかなか受け入れられないこともあるでしょう。
たとえば、『AIに人間が負ける』とか。
しかし、そもそも勝ち負けの世界ではなくなりつつあるのです。

せっかくだったら、そうした変化を楽しんでいきたいですね。


早く行きたいなら一人で行け
遠くへ行きたいならみんなで行け

みんなで行くには進め方が大切ですね 😊




最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よろしければ、『スキ』ボタンを押していただけると、励みになります。 そして、誰かのお役に立ちそうだったらシェアやオススメをお願いします。
もちろん、コメントも大歓迎 😃

世の中に、笑顔のあふれる人を増やしたい、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?