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雲が回る

 ベランダでコーヒーを飲みながら雲を見ていて、小学5年生の頃に考えたことを思い出した。

 多分、北杜夫の『ドクトルマンボウ航海記』のはずだが、

「晴れた日に船で洋上を進んでいると 雲が自分の周りを回っているように見えることがある」

という趣旨の文章があり、不思議に思ったので、それが実現する条件を考えたのだ。ちょうど、相対速度という概念を知った直後だった。

〔当時たどり着いた推測〕
 船の進行方向を基準に、左側の風が30km/h 、右側の風が20km/hで吹いている時に、船が25km/hで進んでいれば、左側の雲は前に進み、右側の雲は後ろに下がるように見えるから、全体として自分の周りを回っているように見えるはず。

 前方と後方の雲の動きはどうなるのだ、という若干の疑念があったものの、当時はこの理解で納得して、それ以上の考察をしなかった。しかし、今日になって、それとは違う可能性に思い至った。

〔今日たどり着いた推測〕
 単に、高気圧の中心付近にいたんじゃない?

 40数年ぶりにスッキリした。

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