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花盛りに リストラーズを

明るい初夏に ふさわしくない話かもしれない。
やめようと思ったところで 離脱していただいてかまわない。
ただ 花盛りの季節に思い起こすことがあって 残しておこうと思う。

BGMは もちろん自由に選んでいただいていいが 筆者の気持ちから こちらをオススメしておく。  


近しく親しい人たちを両手にあまるほど見送った。
周りの景色が すっかり変わったように感じる。

まだまだ起こるはずはないと思っていたことが 立て続くと 心が麻痺した
ようになる。
 
目の前に 半透明のシールドを立て 半分見て 半分見ない。
事務的に さまざまなことに対処してその日その日を越える。

 
自分より年下のひとを見送るときは 言葉にならない。

十年以上 家族崩壊に近い形にまで 追い込まれた時期が続いた。
それでも となり同士の部屋で共有した思い出は多く いつかお互いに懐かしく話す日が来るのだと思っていた。

 
そんな日は この世では もう来ない

 
大変だったね 
分かってあげられていなくて ごめんね
心のなかで つたえるだけ
 
あやまれなかったこと ごめんね
ありがとうって すなおに言えずに ごめんね
 
ライバルだって思っていたんでしょう?
比べられることに うんざりしていたんだよね
同じ気持ちだったんだ
 
しんどいって言い合えたら 良かったよね
どうしてこうなのかって 抗議できたら楽だったよね
 
でも しなかった
できなかったよね

ライバルなんかじゃなくて お互いの支えで いたかったのにね

ホントは アニメを創る人になりたかったんだよね
好きだったアニメやマンガ 映画の話 よくしてたね
海外のめずらしい体験を 聞かせてもらったこともあった
言葉の壁をこえるあなたが 自慢だったんだよ
 
きれいな花が好きだったよね
友人に囲まれて 話題の中心にいたのに 生き方は 超現実的
本ばかり積み上げて どこか現世離れしている となりの部屋の住人とは
大違いだった
 
どこで つまずいたんだろうか

取り返しの効かないほど 変わってしまった あなたがいた
もどってきてほしいと願っているのに
すなおな言葉を届けてあげられなかった

 
今 ね
すこし 立ち直ってきていると思う
歌がね 励ましてくれる気がするの
また あたま上げて しっかり生きてゆけって
 
あなたは 笑うよね たぶん
「ほんと 変わってるなー」って

 
みんなと同じようには できないことが たくさんあったんだよ
当たり前が なんだか みんなと違っていたから
 
それでも大丈夫と思えるまで 時間も手間も かかった

同じように
でも 全くちがう角度で もがいていたんだね
 
ごめんね
長いあいだ 自分のことに せいいっぱいになっていた
 
ほんとは 大好きだって
またゆっくり話そうよって 伝えたかった

 
ねぇ
マンガやアニメの話 してよ
物まねして 笑わせてよ
 
ノートのすみに描いていた似顔絵 見せてよ
突然 部屋に来て 「また 本が倒れるー!」って支えてよ

 
一緒に 聴きたい歌もあるの
笑ってもいいよ  笑わせてくれるひと達なんだから
一緒に 笑って 一緒に 聴こうよ

 
たくさん 思い出つくってくれて ありがとう
次のとびらを開けた日に 会おうね
 
そのときは ちゃんと言うよ
正反対みたいだったけど ホントは うらやましかった

ちゃんと 言うよ
こういう生き方も いいなと思っていたって
 
HNは あなたが大事に思っていたものにした
「たからもの」っていう意味なんだよ 知ってた?

大切なものに触れるとき その大切さを 忘れない意味なの
たくさんの あたらしい経験もしたんだよ 見てた?
 
ありがとうね
また 会おうね 
とびらの向こうの 花盛りの場所で


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