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【日記】 親の背中をさすること 2020/01/10

もう起き上がれない父の背中をさする。我慢しきれないほどのしんどさが背中をさすってもらうことで緩和するんだから、人間の体は不思議だ。

母は父を「赤ちゃんに戻ったみたい」と形容する。表現しようのないこの最後のしんどさを少しでも和らげることができたのなら、帰った甲斐がある。

介護は大変だ。と思う。

実際に自分はしなかったので、それを担ってくれた母と姉には感謝しかない。「やれる人がやれることをやればいい」と家族全員が言ってくれた。自分は仕事を頑張らせてもらえてる。そして父もそれを望んでいる。

「なんや、お別れに来たんか?」

と父はか細い声で言った。

そうだよ。とは言わなかった。仕事で寄っただけだと。

悲しさはない。早く楽にさせてあげたい。と思った。

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