銀河の奥の赤い部分の話

泣くしかないんです。ナウシカではありません。

銀河鉄道の夜―。
「眠れないときは、あなたのとなりで歌いましょう。
眠れないときは、広大な夜の空を見上げて見てください。
あなたと同じ傷を負った誰かも同じ空を見ているから。」

さむい夜です。こんばんは。
窓を開けてみました。『銀河鉄道の夜』のイントロが流れています。
あなたと同じ夜空を眺めてみました。
それはそれはちっちゃな星たちが、ちいさく、なんとも小さく息をして、たくさん輝いています。
本当にちいさくて悲しくもなったけど、なんだか安心したんです。

今、飛行機が真っ赤に光りました。

月は出ていません。
深夜の三時なのに、車が通りました。この町は、思っていた通り真っ暗です。

なんか、全てだいじょうぶな気がしてきました。

いろいろなことがありすぎるけど。
どんなにまっくらでも。
ねむれない日が続いても。

私が五体満足で、あなたの言葉を感じられるなら、なんでもいいんですね。
私の正解で、世界は止まっているんです。自分で立ち上がらなければならないんでしょう。

ついに、ナイフを握るときが来ました。

嫌いなアイツを刺すわけでなく、自分の手首をぐちゃぐちゃにするわけでなく、大好きで大好きでしかたのない、あの人を殺すためでもなく。
自分の未来を切り裂くときがきたんです。

切り裂くことができたとき、心臓の真ん中から、黒い液体と赤い液体と青い液体が出てきて、自分が自分でなくなるようで、涙が出ることでしょう。

それでも、私は、あなたの魂を捕まえにいくんです。
笑われても、揶揄されても、いなくなっても。
泥臭くありたいです。

寒いので窓を閉めようと思います。
"ハロー、今君に素晴らしい世界が見えますか?"

おやすみなさい。

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