青瞬 (せいしゅん)


青い絵です。
私の今年の夏の全てを投影させました。
私は青が好きです。昔好きな人の色だったからです。
私はパンクロックが大好きです。あなたが聴いているからです。
私はこの夏、なんだかなぁ、と思わず言ってしまうような事をたくさんしました。
腕を何回も切ったこと。血の付いたティッシュで何回も黒い涙を吹いたこと。大きい正方形の絆創膏を何度も開けたこと。精神薬を用法容量以上のんでゲロを吐いたこと。睡眠薬が足りなくなったこと。夏休みの宿題をやらなかったこと。カミソリをぶっ壊したこと。夢の中で夢を5回見たこと。自転車に乗ってたらガードレールにつまづいて自転車が半回転して頭を打ったこと。道端にたぬきが死んでいたこと。過去に何度も何度も救ってくれた歌を久しぶりに聴いてみたけど何も感じなくなっていたこと。披露できるわけもないギターを毎日のように弾いてノイズを家中に響かせていたこと。ずっと絵を描いてずっとヘッドホンと仲良しだったこと。
こんな夏です。寂しくなんかないです。後悔なんてものもしてないです。

セミの鳴き声も気にならないほど静かな部屋で過ごした夏休み。私は、私の部屋で、私の心の傷を癒す小さなカミソリを、いつの日にか、私の心の闇を切り刻む大きな魔法のステッキになりますように、なんて、ずっと祈っていました。
「やらなきゃいけないことをやるだけさ。そしたらうまくいく。」ボブ・ディランもそう言っていたからです。
私の人生にパステルカラーで色とりどりな青春なんて存在しないのでしょう。音楽だけが本当の友達です。だから私は絵を描きます。あの人に近づけるように。そして映画を観る。本を読む。あの人と同じになれるように。唯一のあなたが教えてくれた音楽は優しくて温かい、私だけの贈り物だと信じてるから。だから寂しくなんかないのです。

9月3日
なんだかセンチメンタルな夜12時。
布団に入り、何事も無いだろう明日を想像しながら大好きな音楽を聴いていると、私はこう、思わず心の中で唱えてしまうんです。
「おやすみ、マイスリー。100年前から好きだったよ。本当だよ。」

これは夏の事。
この夏は、世界のどこかできっと私を待っている君のための青瞬。

12月11日
夏の青い出来事なんて、いつの間にか薄い水色になってしまって、真っ白になって忘れられてしまうのです。その時、私はどんな絵を描けるようになるのかなぁ。
今、私の部屋は月光に刺されて、少し苦しくて、精神薬と息が喉に詰まっているから、なんだか宇宙にいるようなフワフワな気分です。
きっと、今夜は満月だからなんでしょう。
結局寂しくなってしまいました。
私は、眠りにつけるのでしょうか。

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