【酒飲編Vol.0】ウィスキー遍歴について

音楽やギターに対してかけた時間や本気度には遠く及ばないが、ウィスキーもまた自分の趣味の中ではとても大きな1ピースとなっている。
いきなり話が逸れるが、このような自分語りの場にnoteを使おうと思ったキッカケは何を隠そう、ウィスキーのテイスティング記事である。
今後はNoteにもレビューを載せて行こうかなと思ってはいるが、こちらもやはり自分が飲み始めたキッカケや酒趣味の変遷などを、一部実所持ボトルの紹介も兼ねて書いて行こうと思う。

◯ジャックダニエル 黒

多分初めて飲んだ(バーボン)ウィスキー。
〇〇生の頃に、とにかく形から入るギターの相方M君(レスポールを極限まで低く構え、革ジャンとサングラスを身につけ、タバコとジャックダニエルを決めるタイプのギタリストだった)がコレのロックを店で頼んでたのである。試しに飲んでみなよ、と、一口もらったのが多分初じゃなかろうか。(良い子は真似してはいけません)
世の中、40度越えの蒸留酒なんざ口に入れただけでヒーヒーする人もいる中、初めて飲んだ感想は「あ、美味いじゃん」であった。よく酒とセットで付いて来るタバコの方は一口吸っただけで「あ、もういいです・・・」ってなったのにね・・・。
以降居酒屋では、基本ウィスキーを頼むように。それもロックばかり。カクテルはジュースで良いという理由で、ハイボールは薄まるからという理由で目もくれなかったと思う。
キッカケはジャックだが、父親も時折ウィスキーを買って来ており、
・バランタイン ファイネスト
・オールドクロウ
・ジョニーウォーカー 黒ラベル
辺りは時々家で飲む機会があった。
暫くしてから、バーボンではなくスコッチ(シングルモルト)の方が好きというのが分かってくるが、だーいぶ先の話である。

◯オールドパー 12年

ウィスキーの内訳を、バーボンとウィスキーぐらいにしか分類していなかった頃は、特別な機会に買ってくるのはこの1本だった。
今考えて相対的に美味いかどうかはさておき、当時買ってた近い価格帯のブレンデッドスコッチの中では1番好きだった。当時感じていた特徴は、後味周りの草っぽい香りだったと思う。

◯ラフロイグ 10年

問題の1本。沼落ちの瞬間。
大学に入り、初のサークル合宿に参加した際に、バーテンのバイトやってたK先輩が家の在庫処理として持って来たのがボウモアとコレだった(もう1本、リベットかマッカランか何かもあったような気がするが・・・)。
どれも初めて飲んだウィスキーだったが、気に入ってコレばかり飲んでいたと思う。あの薬と煙のコンビネーションは一生物の出会いだったと思う。
以降、当時の4000円クラスの酒のファーストチョイスはコレやアードベッグになった。尤も、当時はこれよりもギターに金掛けてたので定期的に買うようになるのは社会人以降の話なのだが・・・。

◯グレンファークラス105
◯ハイランドパーク 12年

サークル以外に金を出せるような環境になってから、アイラ以外でハマったのがこの2本。
切り口は違えど、個人的にはこの2本にはシングルモルトウィスキーに求める好ましい要素がほぼ全て詰まってるイメージだった。それも地の酒質由来の。んで辛口が欲しい日には105、甘口や煙が欲しい日にはハイパ、という感じで飲み分けてたと思う。
未だに飲みつけている2本(銘柄)で、自分の中の好き嫌いの評価軸の1番太い部分かもしれない。

◯ラガヴーリン 16年

一通りアイラに手を出したけど、ちょっとだけ価格帯が高かったコレにはまだ手を出していなかったな〜なんて思い購入。当時はギリ7000円行かないぐらいだったかな。
あなたの1番好きな1本は?と聞かれたら今でもおそらくラガ16年と答えるだろう。それぐらいインパクトの強い1本。
正直、飲む前はそんなに期待してなかった。当時はフェノール値信者だったので。ところがコレが信じられないぐらい美味かった。
他のアイラと違いなんというか煙の重心が低い。そしてその存在感が凄まじい。アイラ特有の薬っぽさ、カラメルっぽさやボディの厚さ、年数由来と思しき円さの相乗効果で凄まじくマッシブな煙だったのだ。味も文句無し。余談だが、先日モルト好きの友人と飲む中で、自分はどうもウィスキーに香りの複雑さとその組み合わせが演出する世界観を求める傾向がある事を認識したのだが、今思うとそうなったキッカケはこのラガ16年ではないかと書きながら思ったりする。
結局、今日まで何十本とウィスキーを揃えたが、ラガ16年を超えた美味さだと言えるのはほんの2〜3本程度。それも数万円クラスのもの1品物ばかり。コレは(今だともう怪しいけど)レギュラーラインの4桁円だからね?色々超越している1本だと思う。

◯ハイランドパーク 25年 (旧ボトル/現行の2世代前?)

居住地近くのバーに頻繁に顔を出していた頃にマスターに好意で出して貰ったテイスティングサンプル。
長野のバーで凶悪なスペックのアードベッグとマッカランを飲むまではコレが人生最高の1杯だった。本当に1杯貰っただけなので何がどうとかのディティールはあまり覚えて居ないのだが、何もかも今まで飲んでいた物とは桁違いで、特に余韻の長さが異常だった事はよく覚えている。冗談抜きで飲んでから1時間余韻が続いたし、そんな事は初めてだったので。
チャンスがあればこういうのにも食い付かなくては、と思うキッカケになった1杯。

◯ダフトミル 2008 サマーバッチ
◯インチマリン 2009 Hubボトル

脱煙教のキッカケとなった2本。なおダフトミルの方は散財加速のキッカケにもなった模様。。
ダフトミルはボトル買いしたのだが衝撃だった。「本物が来た!(AJではない)」という感じ。もう継いだ瞬間から凄まじいバナナ香で、香りだけでは無く味の方にもキッチリ旨味が乗っかってる。カスクでも無いのにカスクを超えるレベルのパワーが香りにも味にも感じられるボトルだった(味も相対的に凄いというのに気付くのはもっと後だったりするが)。
そしてダフトミル購入からしばらくはこのフルーツ・ケミカル系のフレーバーを求めて色々物色していたが、そんな中で見つけたのがインチマリン。たまたま行ったHubで飲んでみたがコレもやはりバナナ系の1杯で非常に美味かった。インチマリンはこのボトル含め後日色々買って試したが、バーボン系カスクはどれも素晴らしい出来で、今ではすっかり評価軸のひとつになった。
この2本のお陰で、ノンピート系にも食指が伸びるようになり、漁る範囲が増えた。増えてしまった。。困った物である・・・()

◯厚岸 芒種

都内のバーで飲んだ1杯。
これは本当に美味かった。香味の構成はラガ16年とかに近いが、4年やそこらの熟成でこういうのが出てくるのに驚いた。個人的に、厚岸の特徴は余韻近くで感じる牧地の土をそのまま燃やしたかのようなピート感にあると思っていて、少なくとも芒種については他の香味との構成を考えてもドンズバでベストマッチだった。
ジャパニーズにも目を付けたキッカケであり、特に厚岸については完全にロックオンした瞬間だった。ただ、近年の厚岸はやたらミズナラに拘っていて、純粋にミズナラの香味があまり好きでは無い自分にとっては、早く芒種辺りのリリースの雰囲気が戻ってきて欲しいと密かに思ってるのである・・・。

◯アードベッグ 28年 1972 (キングスバリー)

長野旅行で寄ったバーにて発見。写真がちゃんと残ってる。

多分コレ:https://www.whiskybase.com/whiskies/whisky/1503/ardbeg-1972-kb

なんか泊まる場所の近くにヤバそうなバーがある、寄ってみようとの事で行った所、コレが出てきた。他にもファークラス42年なんていうトンデモアイテムも出て来たが、1番インパクトがあったのがコレ。
これも幾分か前なのでテイスティングノートとかは残って無いが、今のアードベッグからは想像も付かない香りだった、なんなら現行のラガとかに近いものを感じたのを覚えている。特にボディの厚みは全くの別次元で、こんなに“美味い”ものか、という印象だった。余韻もいつかのハイパ25年よろしく1時間残るレベルの長さで、長熟のオールドボトルの凄味をまざまざと見せつけられた1杯だった。
今まで飲んだウィスキーで、多分2番目に美味い1杯。1番目は・・・

◯マッカラン プライヴェート・アイ

懲りずに2年後に同じバーに行ったら、コレが出てきた。写真有り。

https://www.whiskybase.com/whiskies/whisky/11165/macallan-private-eye

昔バーで飲んだ現行マッカランがあまりにもマ・・・アレだったのでマッカランは敬遠していたのだが、ボトルスペックから考えたら行くしか無いと思い、頂いた。
茹だるような干し葡萄と糖の香り、濃くて優しいシェリー風の甘みにしっかりモルトが乗る格好で、これまたいつまでも続く余韻・・・。飲み切るのが惜しい、夢のような1杯だった。
何故、世間一般でマッカランがあれほど有り難がられているのかの証明みたいな1本だったと思う。まさにウィスキー界のロールス・ロイス(GSでバイトしていた頃にロールス・ロイスはいくつか洗車したが、本当にイメージ通りだと思う)。今は光岡ぐらいかもしれないけど。

このボトルについての蘊蓄はこちらでどうぞ。
https://springbk2.exblog.jp/240678934/

・・・はい。という事で、雑に引っ張ってたけどヤバいのが出て来る長野のバーとは乗鞍のスプリングバンクさんの事でした。。また行きたいなぁ。


個人的に特筆して書きたいボトルはいくつもあるんだけど、今現在の趣味を決定付けたのはこんなものかな、という感じ。持ってるボトルは再度Twitterからnote書き直そうと思ってるし、多分酒レビューがこのnoteで1番充実した内容になる気がするので・・・え?最初にぶち上げた音楽系の記事は書かんのかって?

・・・筆者の気まぐれnoteにご期待下さい。


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