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『円安の波紋・外国人就労者からの視点⑨』

はじめに

この5年間で起きている急激な円安のトレンド、為替レートの変動は、外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。

この円安トレンドに焦点を当てて、日本で働く外国人就労者たちの支援の立場から、連載を書かせていただいています。

1.外国人労働者への影響


現在の為替市場の5年間の劇的な円安動きは、日本で、働く外国人就労者に、大きな影響を与えています。

急激な円安は、日本で働くアジア諸国の外国人就労者にとって、大きな経済的影響を及ぼします。

これらの就労者は、日本で稼いだ収入を、母国の家族の生活支援や自身の借入金の返済などのために送金することが多いため、為替レートの変動は、直接的に、その送金額の実質価値に、大きな影響を与えます。

円安が進むと、彼らが円で稼いだ収入をドルやその他の母国通貨に換算する際のレートが悪化します。

つまり、同じ、円額を送金しても、母国通貨で受け取る金額が減少することになります。

これは、彼らの家族が母国で受け取る生活費や教育費、医療費などの資金が減ることを意味し、家族の生活水準に、直接的な打撃を与え続けています。

また、長期的に見れば、円安が続くことで、日本での就労が、経済的に、魅力的でなくなるのは、当たり前となります。

特に、他国と比較して、物価上昇による高い生活費を考慮すると、実質賃金の減少は、日本で働くことのメリットを、再評価させる要因となりえます。

これは、日本で働く意欲の減少や、より有利な経済条件を求めて、他国への移動を検討することが、当たり前になる状態になっています。

さらに、これらの影響は、日本経済にも及びます。外国人就労者は、人手不足が深刻な産業や地域で重要な役割を果たしています。

彼らが他国へ移動することを選択すれば、特定の産業や地域での労働力不足が、さらに悪化することとなるでしょう。

したがって、円安による外国人就労者への影響は、単に、送金額の減少にとどまらず、彼らの日本での就労意欲や日本経済全体にも影響を及ぼす可能性があると言えます。

これにより、円安の経済的影響は、国内外の労働市場で大きな変動を与えることとなるでしょう。

彼ら彼女らは、さまざまな国から来日し、日本の社会や産業の成長に貢献しています。その活動は、製造業からサービス業、そして介護業界まで、多岐にわたります。

彼ら彼女らは、自らと家族のために、将来を切り拓くため、仕事の技術習得や語学力向上を目指しています。その中には、社会的使命を感じている人も多くいます。

そのほとんどが、もちろん、私たち日本人と同じく、本人と家族のために、生活や教育、治療などのために、また、将来を切り拓く希望を捨てないで、お金を稼ぐために、経済的な理由から、日本で働いています。

彼ら彼女ら、外国人労働者たちの大きな課題の一つが、母国への送金です。

この送金は、家族を養うため、または教育や医療費など、母国での生活を支えるために必要不可欠なものとなっています。

そのため、送金額は、彼ら彼女らの働き手としての、労働成果を直接、反映しています。 しかし、為替レートの変動が送金額に大きく影響を及ぼします。

円が安くなると、円の価値が、大幅に落ち込んでいますから、同じ額の円を、ドル基軸で、母国の通貨に換算したときの金額が、大きく減少しています。

この5年間の円安の激変は、グラフで見ると衝撃的なものです。

特に、昨年から、現在のように、円が、急激に安くなり、送金を待つように言い続けていますが、これだけ、長く続き、さらに、円安傾向が止まらないと、その影響は、一層深刻となります。

彼らが稼いだお金の価値が、3割から4割までも、大きく減少し、その結果、彼ら彼女らや、その家族が、現在と将来、直面する経済的困難は、深刻に増大します。

鉾先は、当然に、日本に対する不信感でしかなくなります。

今、現在と、今後の円安の動きが、彼ら彼女らの生活と気持ちに、どれだけ影響しているか、引き続き、注視していく必要があります。

2.円安進行~アメリカの金融政策と日本経済への複合的影響

現在の円安状態は、もちろん、複数の要因により加速しています。主な要因としては、アメリカの消費者物価指数(CPI)の伸びが、市場予想を上回ったことが、挙げられます。

これにより、アメリカの金融引き締め(すなわち、利息率の引き上げ)が、続くとの観測が強まり、日米間の金利差が意識されるようになりました。

アメリカの金利が高くなると、その通貨に対する投資が増えるため、ドルが買われ、円が売られる動きが強まり、結果として、円安が進みました。

2024年2月13日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が一時1ドル=150円台まで下落し、約3か月ぶりの水準に達しました。

この円安は、去年11月以来の水準であり、年末から年始にかけての約1か月半で約9円の円安が進行したことを意味します。

市場関係者は、日本銀行(日銀)が、緩和的な金融政策を維持する見方が背景にあると指摘しています。つまり、日銀が低金利環境を続けることで、円を売りやすい状況が、生まれているというわけです。

一方で、財務省は為替市場の急激な変動に警戒を示し、必要があれば適切に対応すると述べています。これは市場へのけん制も含んでおり、為替レートの急激な変動が、経済に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

日本のGDPが、市場予想に反してマイナスとなった報告もありましたが、これは取引への影響は、限定的だったと報道されています。

市場は引き続き、アメリカの経済指標に注目しており、その結果が、為替レートに、決定的な影響を与えるといいます。

現在の円安はアメリカの金融政策の見通し、日本の金融環境の持続、そして市場の期待と観測に大きく左右されています。

日本経済にとって重要な輸出企業にとっては、円安は、海外収益を円換算した際の利益増につながる一方で、輸入企業や消費者にとってはコスト増加の要因となり得るため、政府と日銀の対応が、注目されます。

現在の為替レートの変動は、歴史的な円安が、日本を選んでくれている外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。その立場で、お伝えしたいと考えて書いています。


日本は、将来の日本の社会のためにより良いしくみを構築できるはずです。

~次回に続きます~

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