特定技能外国人制度2023年6月末の動向
はじめに
前回、外国人特定技能制度の動向について、書いた週末に、法務省が2023年6月末時点での速報を公表しました。
最新の動向について、見ていきたいと思います。
1.特定技能在留資格者数の最新状況
令和5年(2023年)6月末時点で、特定技能在留外国人数(速報値)で173,089人となっています。特に、飲食料品製造業での需要が高まっています。
この増加は、新型コロナウイルスの感染拡大が一定程度収束したこと、ワクチン接種が進んだことが、影響していると考えられます。
また、この感染拡大が終息して、景気の回復や観光客の訪日も回復し始めたことも、大きな影響です。
特定技能ビザを持つ外国人労働者は、日本の様々な産業で活躍しており、その数も増加傾向にあります。
しかし、国籍や職種、地域によって偏りが見られるため、今後の制度運用においては、そのバランスに考慮した施策も必要なのか、観察が必要だと思います。
2.令和5年6月末の特定技能在留外国人数(概要版)の要点
このデータによれば、特定技能ビザを持つ外国人の数は増加しています。特に、令和4年6月末から令和5年6月末までの1年間で、約85,629人増加しています。
これは、日本が多くの分野で労働力を必要としており、特定技能ビザが、そのニーズに応えている可能性が高いです。
特定技能1号と特定技能2号の在留外国人数に関する統計が掲載されています。https://www.moj.go.jp/isa/content/001402075.pdf
3.産業分野別の特定技能在留外国人数
飲食料品製造業が最も多く、日本国内での需要が高いためと考えられます。また、建設業や介護も、日本の高齢化社会に伴うニーズが高い分野です。
飲食料品製造業が、令和5年6月末で29,617人(33.9%)を占めています。建設(12,776人、9.8%)、介護(10,411人、11.9%)、農業(6,232人、12.5%)などがあります。
飲食料品製造業 53,282人(約30.8%)
巣ごもり需要やテイクアウト、デリバリーの需要増加が影響しています。さらに、新たな食文化の導入や多様な食品の生産にも寄与しています。
この分野で働く特定技能外国人は53,282人で、全体の約30.8%を占めています。日本国内での食品の需要が高く、特に、地方での労働力不足が解消されている側面もあります。
建設業 18,429人(約10.6%)
建設業で働く特定技能外国人は18,429人で、全体の約10.6%を占めています。日本のインフラ整備や都市開発が進む中、この分野での労働力は非常に重要です。
介護 21,915人(約12.7%)
介護分野で働く特定技能外国人は21,915人で、全体の約12.7%を占めています。日本の高齢化が進む中、介護の需要は増加しており、特定技能外国人の存在が。ますます重要になっています。
宿泊業
観光業は、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にありましたが、国内外からの観光客が増加し、回復に向かう傾向が見られます。特に、地方都市への観光が活発化しています。
季節変動の労働時間が、特定技能外国人にとって、不満となり、転職希望となる傾向があり、安定した、年間を通じた賃金の補償が課題となる産業分野だと思います。
外食業
新型コロナウイルスの影響で外食需要が減少したことが影響していますが、最近では徐々に回復の兆しを見せています。新しい食文化の導入や多様な食品の提供が、この回復をサポートしています。
特定技能外国人の推移を見ると、今年からの増加の動きが目立って多くなり、主要な居酒屋や料飲食店の業績の拡大傾向で、今後は、さらに増加がみられると思います。
4.国籍・地域別の特定技能在留外国人数
総数: 173,089人
1.ベトナム 97,485人
2.インドネシア 25,337人
3.フィリピン 17,660人
4.中国 11,402人
5.ミャンマー 8,016人
6.カンボジア 3,659人
7.タイ 3,499人
8.ネパール 3,428人
9.その他 2,603人
ベトナム
ベトナムからの特定技能外国人が最も多く、97,485人、約56.3%を占めています。これは日本とベトナムが持つ強い経済的な関係や文化的な親和性が影響していると思います。
日本は、ベトナムとの間にも、強い経済的な関係があり、特に、近年は、技能実習制度の需要とベトナムの労働輸出の国策が日本の労働市場へと向かい、介護分野と製造業やでの協力が進んでいます。
また、文化的な親和性も高く、日本の企業文化や働き方に適応しやすいとされています。
インドネシア、フィリピン、中国
これらの国からも多くの労働者が来ており、特に、介護や医療、製造業での需要が高く期待されるところです。2番目に多いのが、インドネシアは25,337人、3番目が、フィリピンは17,660人、4番目が、中国は11,402人となっています。
特に、インドネシアは、各産業分野で、増加、需要が高まっている傾向が強いです。
4.都道府県別、産業分野別の特定技能在留外国人数
総数 173,089人
大都市圏(東京、大阪、名古屋など)では、サービス業や製造業での特定技能外国人の数が多いです。一方で、地方都市や農村地域では、農業や漁業、介護などで特定技能外国人が活躍しています。
東京都 8,747人
東京都は日本の首都であり、多くの産業が集まっています。特に、飲食業や建設業、製造業が盛んです。特定技能外国人は、これらの産業で多く働いており、特に建設業や製造業では労働力不足が問題となっています。東京都内では、多文化共生が進んでおり、多様なバックグラウンドを持つ外国人の人々が働いています。
神奈川県 8,505人
神奈川県は、東京都に隣接しており、製造業や飲食業が盛んです。特に、横浜市や川崎市では大規模な工業地帯があり、多くの特定技能外国人が働いています。また、観光業も盛んであり、特定技能外国人が多く働いています。
千葉県 9,914人
千葉県は、製造業や農業、漁業が盛んな地域です。特に、千葉市や船橋市、木更津市などでは工業地帯が広がっており、多くの特定技能外国人が働いています。また、千葉県は観光地も多く、特に、ディズニーランドやディズニーシーがあり、宿泊業、飲食業での特定技能外国人も多いです。
埼玉県 9,966人
埼玉県は、東京都に近接しており、多くの人々が通勤・通学しています。製造業や建設業、飲食業が盛んで、特にさいたま市や川口市、越谷市などでは多くの特定技能外国人が働いています。埼玉県内でも、特に南部に特定技能外国人が、集中しています。
その他
過疎化の地方では、北海道が7,175人と最も多く、秋田県が273人と最も少ないです。地域による偏りが見られ、これは地域の主力の産業構造や労働市場の状況によるものと考えられます。
北海道 7,175人
北海道では7,175人の外国人労働者が働いています。観光業や農業、漁業など多様な産業があり、それぞれのニーズに応じた労働力が求められています。
青森県 880人
岩手県 1,313人
宮城県 1,743人
青森県、岩手県、宮城県 これらの県ではそれぞれ880人、1,313人、1,743人の特定技能外国人が働いています。地域によっては特定の産業が盛んであり、その産業に特化した労働力が求められています。
秋田県 273人
秋田県では273人の外国人労働者が働いています。人口が少なく、地域によっては、労働力が不足している場合もあります。
その他の都道府県も掲載されています。
5.最後に
日本政府は、今後も「特定技能2号」を活用し、海外からの優秀な人材の受け入れを進めることで、日本の経済成長やグローバル競争力の向上を目指しています。
以上の情報は、令和5年6月末時点のものです。今後、これらの都道府県での特定技能外国人の動向や、新たなニーズが出てくる可能性があります。それに対応するためには、制度の柔軟な運用と、外国人就労者のスキル向上が求められるでしょう。
今後もこの制度の動向をしっかりと分析し、その影響を予測していく必要があると考えています。
日本は、将来の日本の社会のために、
より良いしくみを構築できるはずです。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
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