失敗こそクリエイション<超抜粋版> Designship2019、前日
2019年11月23日(土)に行われるDesignship2019の、登壇スライドの超抜粋版を先立って公開します。今回のDesignshipコンセプトは「ストーリー」ということで、全編にわたる個人的なストーリーに絡む部分は当日のお楽しみに残しておきます。
※完全版を公開しました。こちらから。
今回のトークでは「とりあえず形にすること」と「失敗を予期する」ことの2つの視点から、失敗と上手く付き合い、新しい未来への道のりをどうデザインするか?をポイントとした上で失敗をバックキャスティングするという、これまでおそらく誰も語ってないであろう視点を掲げ組み立てています。
私個人のしくじりを聞いてもあまりヒントは無いので、大きなしくじりを逆手にとってチャンスを生むための逆転のクリエイティブに焦点を当てています。
未来に向けて何かしらの新しいアクションを起こす際に大事なのが「少し先の未来を見通すこと」です。10年、20年先に起こりそうな事象に予測を立て、未来から今の時点まで逆算し、少しずつ前に進むべくプロトタイピングを通じて具現化した事実が未来を示す導線になります。これはざっくりとバックキャスティングと呼ばれるアプローチです。
例えば、2045年あたりに人口増加と食料供給のバランスが崩れ、食糧危機が起こると言われています。その事態にどうやって立ち向かうか?と問われた時、昆虫食や培養肉のような新しい食素材の開発にチャレンジしたり、これまで無駄だと思われ捨てられてきたものに新しい価値を作るアクション(コーヒーかすを堆肥に変えてキノコを育てるなど)が実際に行われています。
起こりそうな未来に目を向け対応していくことで社会へのサスティナブルな状況を生む可能性が高まり、長いコミットメントを生む一歩へと繋がります。
0→1のアクションを起こそうとする時、その先にもしかしたら「やばい失敗」が待ち受けているかもしれません。(最悪なケースとして)巨額な負債を抱えることになったり、とても仲よかったチームの関係がズタボロに壊れる、なんてこともあるでしょう。そんな事実は回避しなければいけません。
ただ、その失敗が予期できるものであれば、そこから今を見て新しい選択肢を探ることは可能です。ゲームにおけるフラグを立てた状態のように、予測した状況に先回りし対応したことが新しい道への条件分岐になるような、望ましいイベントに変わる可能性が高まります。
やばい失敗の可能性から逆算して今を見た時、その障害を回避する仮説が生まれるでしょう。仮説を分解し、チャンスに変える要素を見つけていくことが、新しい分岐を起こすフラグの役割になります。
立てたチャンスの仮説をただ見つけるだけでなく、とりあえず形にすること。そして前の方にポーンと放り投げることで、1に近づけるものか、そうでないのかが徐々に見えてくるでしょう。
たとえ1に近づかなかったとしても、それは別のチャンスを生む「いい失敗」として残り続けます。
「やばい失敗」を回避するために目的を共有し仲間と前進することで、新しいスキルを獲得したり、機会を生んだり、知識を獲得できたり、チームの結束力が高まったりなど、様々な良い要因が生まれてきます。1に到達できるだけでなく、得たものが枝葉のように多くのn分岐を起こす可能性にも繋がります。
それが、失敗から逆算してチャンスへと繋げる、失敗のバックキャスティング思考です。
まとめとして、自分が見つけた道を自分の判断で歩くための自分基準を持ち、過去よりも未来に目を向け、様々な能力や価値観を持つ異能者と常に次へ向かうこと。
その際に様々な失敗はつきものです。うまくいかないケースの方が多いでしょう。ですが、失敗は挑戦であり、学びであり、ギフトであり、人生の新しい豊かさをもたらします。それこそがクリエイションであり、デザイナーが愛すべき大切な事柄です。
以上が、超抜粋版としてお届けする内容です。
登壇当日は自分のストーリーを織り交ぜ、更に突っ込んだ話をしていく予定です。ご縁があれば会場でお会いしましょう。
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