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場末のディサービス(祭日)

場末のディサービスでは祭日は できる限り お祝いをするようにしてた。
5日のこどもの日には 菖蒲を湯船に入れて 菖蒲湯
食事は食事の配食サービスを頼んでいたので 白米を散らし寿司に
変えて提供したりしていた。
季節を感じて欲しくて 色々工夫をしていた。

元旦の3日間だけお休みで 後の362日は利用者さんを受け入れていたので
大袈裟な事は できないが 利用者さんに喜んで貰えたらと思っていた。

鏡開きの日は ぜんざい お餅を入れることができなくて
可愛い麩を入れて出した。

お盆には 余った白米で おはぎを作って おやつに出したら とても
喜んでおられた。糖尿病のかたは 小さいおはぎが1個
他の方は おはぎときなこをまぶしたのを1個ずつ  ミキサー食の方は
お汁粉にしたりしていた。

1ヶ月に一度はたこ焼きパーティ タコの代わりにちくわを刻んで入れて
たこ焼きパーティはとても人気があった。お食事が進まない方でも5個ぐらい
食べいた。3時のおやつにたこ焼きパーティをすると 午後1時過ぎには
キャベツを刻んだり ちくわを刻んだり 準備が大変だったが、
もとたこ焼き屋さんがいたり 鍋奉行ならぬたこ焼き奉行がいたりするので
大いに盛り上がった。
私はいらっちなのでよく怒られた。
「あんたなあ ひっくり返すの 早いわ〜 周りが固まるまで
 じっとできへんか! 手ェ出したらあかんよ!」

私 竹串持ったら 回したくて回したくて・・・奉行が見てない間に
くるっと と思って返すんだけど 早すぎて 回らへんのよ

御奉行様が 「また あんたか!」
もう少しで お手打ちになるとこでした。
御奉行様は食べるより 焼くほうがお好きだったので 
「あんた はよ 皿だし!」と焼けたら入れてくれました。

熱いから ふーふーして食べてね って何度も言うのに あっち あっち
たっぷりのたこ焼きソースにマヨネーズ 美味しかった。

酒飲みクーさんは これで酒があれば美味いんやけど・・・・
「おい 酒 ないのか?」
「出すわけないやん 家帰って飲んで」
なんて 家族のような会話を楽しんで ニコニコ笑顔で帰りの送迎

冬至の日は 柚風呂 前の日に たくさん柚を買ってきて 綺麗に洗って
皮にちょっと傷を入れて 当日洗濯ネットにれて 大きなお風呂に 
「ざぶ〜〜〜ん」 「ざぶ〜〜〜ん」

女性の利用者さんは大喜び お風呂中に柚の香りが一杯
「なんか みんな若がえった気がせえへん?20は若くなったよ」
「20若くなったって60や ばあさんやで〜〜」

お風呂に笑い声が響いていた。

クリスマス会は5日間ぶっ通しでした。週1回しか利用できない人がいて
どうしても5日間続く ケーキも5日目になると 飽きてきて
お菓子バイキングにした。プリンやおかき アイスクリームなど
意外に人気だったのが うまか棒
利用者さんは食べたことがないと言われ 色んな味のうまか棒を混ぜて
好きな味を楽しんでもらった。

季節を感じて メリハリのある生活を過ごして欲しかった。

朝の会の時「今日は 何日ですか?」

し・・・・・・・ん

「季節は?」
「みんなが 長袖やから 冬かな?」
いやいや 利用者さん みなさん一年中 長袖です。
「今日は憲法記念日です」

し・・・・・・ん

ええやん 元気でディサービスに来れて 明るく笑って 1日過ごせたら

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