麻雀の普及と今後の課題について

つい先日、U-NEXT Piratesの大逆転で幕を閉じたMリーグ2019シーズン。
その興奮冷めやらぬ中、今後の麻雀普及に関して思うがままに書いてみようと思う。

○これまでの麻雀普及の流れ

今後の麻雀普及について書く前にこれまでの流れをおさらいしたい。

藤田晋社長がチェアマンとなり、2018年から開催されてきたMリーグ。麻雀というスポーツがここまで世間に認知されたのは、このMリーグの力が大きかったに違いない。

何年か前からボケ防止の観点から高齢者向けの「健康麻雀」という形で普及していたが、
それはあくまで高齢者に限定されたものだった。

その点、MリーグはAbema TVという媒体を用いて、「観る麻雀」を老若男女問わず普及させたと言っていい。

実際にインターネットの某アンケートでは人口の4%にあたる500万人が視聴経験があり、しかもそのうちの300万人は麻雀未経験者とのデータが出ている。

1麻雀ファン、愛好家として藤田社長には本当に御礼を言いたい。

そのMリーグと同じくらい外すことのできない要素としてはネット麻雀だ。近年様々なネット麻雀サイトやアプリが作り出されており、雀荘には怖くて行けないという方々にも麻雀が身近に感じられる存在として一役かっている。

中でも「天鳳」という麻雀アプリはひときわ大きいものだ。

朝倉プロや瑞原プロのように天鳳出身のプロやMリーガーが表舞台に立っていただいているおかげで今まで一つの壁があったようにも感じるプロとアマチュアの世界がより近しいものに感じられ、より親近感の湧きやすい状況になったと言えるだろう。

〇麻雀業界と他スポーツ業界の比較

さて、ここまでは普及の過程を述べてきたわけだが、ここで今後の普及について書く前に麻雀業界の現状を見ていきたい。

より麻雀の普及度がわかりやすいよう、同じスポーツというジャンルで日本全国において認知度が高い野球と以下3項目で比較していく。

①麻雀そのもののメディア露出について

人間とは不思議なもので一番多く目や耳に入る情報を覚え信頼していく生き物だと思う。そのうえでテレビをはじめとするメディア媒体は非常に重要な存在になってくる。

野球がここまでの認知度となった背景には高度経済成長期以降「テレビ放送」という形で野球の試合が継続的に放送され続けたこと、新聞やテレビのニュースで連日野球の結果やハイライト等が放映されていることが要因だろう。

ではメディア露出の面で麻雀はどうだろうか。

Abema TVで麻雀専門チャンネルが連日放送されたり、一部地上波の深夜帯等で麻雀番組がしばしば放映されているが、正直全国民が一度は目にしているとは思えない。

だが、過去の野球の例にならい、テレビ放送を続けたとしても、今の野球ほどの認知度は得られないだろう。Youtubeの台頭により個人の視聴媒体が多様化している現在で認知度を高めることは並大抵のことではない。広く浅く視聴者の目に触れていくことが重要なのだ。

②プロ選手について

スポーツを語るうえで欠かせない存在になるのがスター選手だろう。野球でいえば現役でいえば菅野投手、清宮選手、イチロー、松井、もっと遡れば王貞治といったところまで日本全国民が一度は聞いたことある名前がチラホラ聞こえてくる。

その一方で麻雀ではどうか。多井隆晴プロをはじめとしたスター選手と呼ばれる雀士はたくさんいる。しかし日本全国民が知っているかと言われればそれはNoだろう。

この差の原因は何か。ずばり、選手のキャラクターや背景であろう。もちろん前述の麻雀そのもののメディア露出が高まり、ある程度認知度が高まったうえでの話にはなってしまうが、この差は致命的になるかもしれない。

メディアでの話題取り上げというものはあくまで一時的な爆発力しか生まず、ニュースで特集が組まれたとしてもその影響が続くのは短い。

例えば、ある飲食店がニュースで取り上げられたとしよう。取り上げられた瞬間はとてもお客さんが来ると思う。しかしその勢いが永久かといわれると難しいことが大半である。

では、では野球選手はどのようにして認知度の高いスター選手をうみだしていったのだろうか。

もちろん、野球が上手ということは大前提として、ルックス・トーク・カリスマ性といった選手個々人が持ち合わせた才能をニュースだけでなく、本来無関係のバラエティ番組であっても、遺憾なく発揮したことが大きいだろう。

一方麻雀プロはというと、雀力をひたむきに上げることに注力されている方が多いように感じられる。1ファンとしてはもちろんそれも大事なことと承知したうえで、一言申し上げたい。

プロは時には競技普及のためタレントのような存在にもなる必要はありませんか?

誤解のないように、私は麻雀普及活動のために麻雀という枠を飛び越えて様々なことにチャレンジされているプロは一定数いることは存じ上げております。またそのような方々をとても尊敬しております。

しかしながら、既存のファンという狭い範囲での知名度・権力・名誉に固執しているプロ雀士の方も多いように見受けられる。このままではせっかく広がった麻雀という領域がすぐに収縮することは火を見るよりも明らかだ。

この点も今後のさらなる普及には必要不可欠になってくるだろう。

③子供の認知度について

この要素については、ファンを増やすうえで欠かせないものだと思う。

子供1人をファンにするのと、大人3人をファンにするのはほぼ同義といってよい。なぜなら子供1人が興味を持ったものに対し、「あの子が興味を持つなら」とその両親が良いか悪いかは別として連鎖的に興味をもつ可能性が高いからである。加えて子供は大人と比較して今後の人生の中でファンで居続けてくれる期間が大人と比較してもとても長い。長期的なファンを増やすことも子供が重要視される理由であろう。

野球でいえば、子供たちへの野球教室をはじめとして、キャンプ見学、試合への招待等々子供への集客やファンサービスに関しては非常に力を入れている。

むしろ、大人へのサービスよりも手厚くしているようにすら感じられる。。。

では麻雀はどうか。もちろん渋谷ABEMAS等が子供向けの開催していることは認知しているがやはり野球と比べると明らかに少ない。

ではそのようなイベントを増やせばいいのかといわれると、そうでもないと感じている。理由としては、麻雀のルールが複雑すぎて子供に理解してもらえないこと。屋内で行われるスポーツのため、イベント時には必ず開催場所となる施設が必要になってくること。の2点があげられる。

野球は極端な話になるが、ボールをバットで打って走り、塁を一周すれば1点、守備側はピッチャーを中心にそれを防ぐ。3回アウトになったら交代。と非常にシンプルなゲームルールになっている。

その一方で麻雀のルールは役の多さや点数計算、親子のシステムと複雑であり、しかも子供が覚えづらい漢字が多い。子供はいったん分からないとなると一気に興味を失ってしまう可能性が高く、ここをいかにかみ砕いて興味を引くかは難しいところかもしれない。

今回の記事はいったんここまでとさせていただき、具体的な対策案については後日暇なときにでも作りたいと思っていますので、今回はこの辺でご容赦ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。



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