僕の友達を紹介します
一日が終わる。すぐ眠りにつける状態まで仕事を無くし、感情以外の何も持たず纏わずに風呂場に向かう。家賃3万円1Rでは妥当な足も伸ばせない程狭い浴槽は、底を覗き込めば水面に映る自分と相俟って窮屈な様子である。四角いものは大抵固くて冷たい。両足をそろえて腰を落とすと、無意識に決まった動作で順に体を湯船に浸けていく。
すると浴槽の底は沈んでいき、どこまでも深くなる。次第に足がつかなくなってしまい、頭まで浸かってしまう。しかしこの水の中では呼吸ができる。僕は泳げる。
少し潜ると底は見つ