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不登校とゲームを通して教えてもらった「学ぶ」ということ。

学校に行かずに楽しく学ぶ。

この1年は、コロナによる登校自粛期間もあったので、不登校家庭に限らず多くの子育て家庭で、向き合ったテーマかもしれません。

我が家にとっては自粛前後も変わらずに、
ずっと考え続けているテーマです。

少しでも面白いと思える、学びのアプリとか。
息子の特性に合わせた学習法の数々とか。
youtubeの学習動画
など、このコロナで面白いものもさらに増えました。

うちの子は、読んだり書いたりが苦手なところがあって。
もともと動画や体験型学習の方が向いています。
板書を読んで写すようなスタイルの勉強はとても疲れるのです。
長文を書くときは、iPad を使って音声入力をしています。

そんな息子は、例え面白いアプリやら動画があったとしても、
自主的に勉強するなんてことは・・・。まあ、まずありません。

不登校になる前は、
読み書きの困難があるからと、母親である私が学校での学習のサポートしていたのですが、
それは反対に、息子が自分自身で学ぶことを難しくしてしまったようでした。

詳しくはこちらの記事で。


自分では勉強しない。やろうとしてもサポートが必要。
でも母子関係のためには、親が子どもに勉強を推すのも良くない。


じゃ、どうすりゃいいのさ??


私は困っていました。

息子の腹の底には、本当は学びたい意欲があるのに。私が推しすぎるとよくないとわかりつつ、どうしても諦めきれない気持ちになる言動が節々にありました。


通級の先生に宛てた感謝の手紙には
「僕は本当は言葉が読めるようになりたいです」と書いてました。

日常の生活の中で
「倍にするってどういう意味?」
「雨はどこから来てどうして降るの?」などの質問を毎日よくしていました。


「僕は僕に合った方法で学びたいんだよ」
「なのに、どうして僕にぴったりの方法を誰も知らないんだよ」

本人に、そう言われたこともありました。


全く勉強をやらないことは、本当に息子の望むことなのかな?
勉強をゼロにするのではなくて、親が推すのでもなくて、自分の意欲がわく中で、日常の中での
楽しい小さな学びを続けられるよいバランスってないのかな?

そう思い、いろいろ探しに探し、
迷いに迷っていった中で良いと思ったのが、
家庭教師の先生をお願いすることでした。

学習への自信を完全になくしていたので、
家という慣れた場所で、誰かと比べられることのない環境。でも自分がしたいと思う学びができる方法。
一番、安心できそうだと思いました。

近所の大学に通うお兄さん先生。
最初は週に1回。


まず「学ぶことは本当は面白いよ~」というのを教えてくれました。
息子が作った飛行機の浮力とか重力について解説してくれたり。

勉強の雰囲気に飽きたら、
一緒に踊りながら、筋肉の動き確認したりとかしているようでした笑。

本人も「先生ならやる」という感じで、
部屋の外まで笑い声も聞こえてきました。

そうして、やる気の充電ができてくると、少しずつ
楽しみながらも、ちょっと頑張りが必要な計算、化学、自然から、社会。読み書きにまつわるような学習やテキストを使ったものもできるようになってきました。


でも、それ以外の時間に、勉強として何かに向き合うことはありません。

それ以外の時間の過ごし方のメインは、テレビかゲーム。
一人の時間の癒しもゲーム。フリースクールでも、友達とよくゲームをしています。

息子にとっては、ゲームが
「自分がやりたいと思って興味を持つ一番の事」なんですよね。

え?勉強しなくてゲーム?と思う方もたくさんいると思います。

私も「不登校は不幸じゃない」というイベントに参加して、この方の話を聞くまではそう思っていました。

小幡和輝さん。
不登校の経験があり、前を向く気持ちが持てるようになるまで、ゲームに支えられたことをお話してくださいました。

何かを自分からやりたいと思える気持ち、興味を持つ気持ち。学ぶことの根本にある、わからないことを知ろうとする気持ち。

学習の前にまず、それを大事にしていこうと思うと、息子にとっては、そのきっかけがゲームだったんですよね。

彼の、ゲームをもっと知りたい、うまくなりたい、攻略したいという熱い思いは
彼の失くしていた自信にも火をつけ少しずつチャレンジするきっかけとなりました。

ゲームの中に難しい文章がでてきても、分からない漢字もニュアンスで読もうとしたり、読み方を聞いて読もうとしたりするんです。

読み書きの苦しさで学校に行けなくなった人が、
900ページあるゲーム攻略本を持ち歩いて読んだりするんですよ。

これってすごくないですか!?
私には、こんな意欲引き出せません。

わが家は今も、10歳ということもあり、
時間や内容などゲームを管理するためのルールは必要だと思っていますが、全てを悪とするのではなく、「やりたい気持ち」を大事にする事が何よりも大切で。

ゲームだって、お風呂掃除だって、買い物に行くことだって。日常な生活の中で、知っているのが当たり前だと思っていたけれど、実は知らないと困る事に、出会う機会は多いのです。
買い物に行ったらお金の計算をしますし、ゲームに出てくる広告がなぜあるか、とか、5%ポイント還元って何?とか。


困ったら学ぶ。
困ったら知りたいと思って、学ぶを繰り返して、少しずつ身につけたものがありました。

息子は、学校での学習は、小2の夏で止まっています。不登校になった頃は、読み書き困難さんということもあり、ひらがなを数文字ずつ読むのがやっとでした。

ゲームのために自らの意志で読み、
好きなテレビ番組に常に字幕を付けていたら、
音声と文字に同時に触れる機会が増えました。

質問されたとき以外には、私から息子になにかを積極的に教えることはなかったのですが、環境は整えること、やりたい気持ちを大切にしてきて、
今は読める漢字がずいぶん増えました。

やりたいこと、困ったから必要だと思う気持ちが、知ろうとする力になります。その学びへの意欲は与えられたものにはない強さを持っています。

何年生だからカリキュラムで何を学ぶということは、それぞれの人の個性を考えれば、合う人も合わない人もいて。

知りたいから学ぶ。必要だから学ぶ。その時が来たから学ぶ。学びたいから調べ方を知る。生活のために必要な学びを積み重ねていく。

不登校から、ホームスクーリングをする中で、そんな学び方があるのだという事を、息子が私に教えてくれたように思います。

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