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「女芸人No.1決定戦 THE W 2021」をふり返る

「女芸人No.1決定戦 THE W 2021」をふり返る

ことしで五回目を迎えた「女芸人No.1決定戦 THE W」。熱心に観るようになったのは第三回ぐらいからだけれど、今回は特に面白かったと思う。「M-1 グランプリ」や「キング・オブ・コント」のファイナリストはいまだに男性芸人が中心だ。分母からして違うとはいえ、この偏りはとても残念だと思う。だから女性芸人の中から頂点を選ぶ「THE W」は非常に意義深い大会だ。一方、「M-1 グランプリ」や「キング・オ

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僕が「あちこちオードリー」で感じる絶望と、「アナザーラウンド」に見出した希望について

僕が「あちこちオードリー」で感じる絶望と、「アナザーラウンド」に見出した希望について

※ このnoteは「アナザーラウンド」のネタバレを含みます。

ちまたではお笑い芸人がお笑い論を語ったり、タレントがワイプの技術を解説したりするメタ的なトーク番組が流行っているけれど、そのうちのひとつ、オードリーの冠番組「あちこちオードリー」にはひと味ちがった面白さがある。単なるタネ明かしにとどまらず、一線で活躍する芸能人の「仕事論」が聞けるのだ。一発当たれば大きいものの、ほとんどが日の目を見ない

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「キョコロヒー」:水曜深夜の異空間

「キョコロヒー」:水曜深夜の異空間

日向坂の出演番組を追いかけていると、たいして興味のなかった共演者の芸人もいっしょに好きになってしまうことがある。冠番組「日向坂で会いましょう」のオードリーはもちろん、吉本臭がキツくてどちらかというと僕の中では「嫌い」のカテゴリーだった小籔千豊も「HINABINGO!」を見ているうちに好感を持つようになった。配信番組だと「大好き!日向坂」のアンタッチャブル柴田やアンジャッシュ児嶋、「日向坂46です。

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NiziUと第七世代がつくる「居心地のいい空間」

NiziUと第七世代がつくる「居心地のいい空間」



ファッションビル運営大手のルミネによるクリスマスキャンペーン「MERRY GOOD JOB! ほめよう。わたしたちを。」は、SNS上で非常に大きな反響を呼んだ。波乱に満ちた一年を乗り切った自分たちを、せめておたがい褒め合おうじゃないか。「わたしがわたしでいるだけで、あなたがあなたでいるだけで、とってもとってもGOOD JOB!」なのだと。これらの言葉が刺さった人は多かったらしく、ヤフーニュース

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2020年の「日向坂で会いましょう」を振り返りましょう

2020年の「日向坂で会いましょう」を振り返りましょう

ことしは「日向坂で会いましょう」にずいぶん助けられた。どんなにしんどくても、とりあえず日曜深夜1時5分にテレビを点ければ、30分間はいろいろな嫌なことを忘れることができる。彼女にふられて落ち込んでいるとき、緊急事態宣言が発出されて家から一歩も出られなくなったとき、行き先の見えない仕事に漠然とした不安を抱えているとき…振り返れば25年間の人生でいちばんの受難の年だったが、いつでも明るく元気な日向坂の

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総集編地獄

総集編地獄

テレビをつけても再放送や総集編ばかりやっている。しかもここ1年の素材を使い回すならまだしも、平気で4,5年前の映像を使っていたりする。平愛梨やローラなど、いまではバラエティ番組に出なくなったタレントたちに久々に会えるのはうれしかったりするけれど、そういう棚ぼた的な見どころはレアケースで、基本的には見覚えのある内容のつぎはぎだ。

なにより悲しいのは、そうやって過去回の振り返りで食いつないでいるさま

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髭男爵とリモートワーク

髭男爵とリモートワーク

「ボクらの時代」という番組がある。毎回様々な分野で活躍する人びとを3人迎え、司会者なしのフリートークを展開する日曜朝のトーク番組だ。日曜の朝(7時!)に起きていることなど年に数回あるかどうかなので見たことはほとんどない。だけど、ゴールデンウィークに放送された回は珍しく録画して見た。なぜならゲストが〈一発屋芸人〉だったからである。ふだんは俳優やアーティスト、話題の文化人を招くこの番組に、髭男爵・山田

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日向坂で会いましょう、コント番組へのあゆみ

日向坂で会いましょう、コント番組へのあゆみ

「日向坂で会いましょう」で二週に渡って放送された「大女優へのあゆみ!今こそ演技力を磨きましょう」は期待を上回る大変すばらしい企画だった。企画プレゼン大会にリモート学力テスト、ぶりっこ選手権と手を変え品を変え大喜利をお届けしてきた当番組。「ひらがな推し」から企画も一周してそろそろ落ち着く頃かしらというタイミングで、満を持してのコント企画の登場だ。これからの外仕事に向けて演技力を磨きましょう…という体

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「Nizi Project」と「M-1グランプリ」の共通項

「Nizi Project」と「M-1グランプリ」の共通項

周回遅れで「Nizi Project」にハマっている。まだ韓国合宿に行く前なので、僕はまだ最後にだれが残るかを知らない。最近はテレビに広告に至るところでNiziUを見かけるけれど、番組を完走する前に結果を知りたくないので、そういう時は薄目で見ることでネタバレを回避し、見覚えのある子がいても、記憶を消して見なかったことにしている。仕事終わりに夕飯を食べながら彼女たちの奮闘を見るのが最近のたのしみだ。

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