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勇者たち一行~サプライズパーティ~

きょう1日は経験値集めに明け暮れた。
メタルスライムが頻繁に出現すると言われている湿地帯をウロウロして遭遇するのをひたすら待つ作戦だ。
結局3匹に遭遇して逃げられずに倒せたのは1匹だけだったが、コレで良しと勇者たち一行は納得している。上手くいかなかったことを嘆いても良いことがないことをみんな知っているからだ。
勇者『まぁ1匹倒せただけ良かったよな』
戦士『まさかあのタイミングで賢者の会心の一撃が出るとはなぁ』
賢者『いや、ホントたまたまだよ、ラッキーラッキー』
遊び人『今夜は祝杯としますか!』
戦士『毎日それ言ってねーか』
勇者たち一行『ハハハハハァ~』

勇者たち一行も上機嫌でディナーの席に着き、食事を始めた。
いつもの様に遊び人の面白トークに花を咲かせ、勇者たち一行のテーブルは大いに盛り上がっている。
その時、突然店内の照明が消え、辺りは暗闇に包まれた。
一瞬緊張が走ったが次の瞬間、厨房からこの店の店長が両手にホールケーキを持って現れ、勇者たち一行のテーブルに近づいてくる。
すると、戦士、賢者、遊び人が顔を見合わせ一斉に「ハッピーバースデー」を唄い始めた。そう、きょうは勇者の誕生日なのである。
「ハッピーバースデーテューユー。ハッピーバースデーテューユー。ハッピーバースデーディア勇者。ハッピーバースデーテューユー」

いつの間にか他の客たちも唄い出し、店内は祝福モードに包まれている。
そしてホールケーキがテーブルに置かれ、勇者にロウソクの火を消すように促す。
勇者『みんなありがとう』
勇者はそう言うと、息を吸い込んでからロウソクに吹きかけ、一気にケーキに刺さったロウソクの火は消えた。
火が消え、煙が上がると、店内からは大きな拍手が起こり勇者は手を挙げて歓声に応えている。
店長は役目を終え、厨房に戻り店内の照明の電気のスイッチを入れた。

その時、勇者たち一行の前にバブルスライムが現れた。

ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪