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エピソード大喜利#65 お題:入学式に出て思った、この学校違ったかも。なにがあった?

ふぅ~~~。
タカシは家に着くなり、深く長い溜息を付いた。
「若いんだから溜息ついてんじゃないの、幸せが逃げるよ」といつもなら母にたしなめられるが、ココに母はいない。
 
きょうは高校の入学式。
地元を出たくて、親に無理を言って寮のある学校に入学させてもらった。
別に中学生時代にイジメられていた訳でも、友人が1人もいなかった訳でもない。ただ地元にずっといるのは違うのではないかと小学生の頃から感じていて、ようやく高校生になってその思いを実行できる環境が整い、実行したに過ぎない。
生まれ育った町は最寄りの駅まで徒歩で30分。電車も30分に1本しかこない中々の僻地だった。陸の孤島なんて言われることもあるが僕は地元が好きだし、愛着もある。ただ一度地元を出て、外の世界に触れることが自分の為にも地元の為にも大切だと考えてこの進路を選んだ。
 
入学式を終え、クラスで担任の先生から簡単な学校説明を聞いて教室を出た所でいよいよ高校生になったという実感が沸いてきた。
1人も知り合いがいない学校、まだ誰とも築けていない人間関係。正にすべてゼロからのスタートという事で待ち望んでいた状況に思わず笑顔がこぼれる。
 
ただそんなタカシも入学式を終えて寮までの家路を歩く道中で「この高校、卒業まで居られるかなぁ~」と不安が浮かんでいた。
タカシを不安にさせる要因はきょう行われた入学式にあった。
 
式の冒頭にあるプログラム「校長先生の話」で、校長の横に教頭がピタッと寄り添い耳打ちをしながら「校長の話」をしていたのだった。
 
教頭「きょうはぁ~」
校長「きょうは」
教頭「入学おめでとう~」
校長「入学おめでとう」
教頭「君たちは美術で例えると真っ白なキャンパスです~」
校長「君たちは・・・」
 

その他の回答
・校長がモヒカン
・校歌が18番まである
・スペイン語が飛び交っている
・1人の生徒に1人の先生が付く
・生徒が全員子どもを連れている
 
 
 

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