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エピソード大喜利#62 お題:琵琶湖の水、全部抜いたら出てきたものは?

このプロジェクトが持ち上がってかなりの時間が経過したが、遂に実現する時が来た。
琵琶湖の水をすべて抜いて、ごみを取り除きキレイな琵琶湖を取り戻そうというプロジェクトだ。
長年蓄積されたゴミや生活排水、そして外来魚の放流と多くのことが積み重なり、琵琶湖はこの世のすべての腐敗物を受け取ってしまったかのように濁ってしまっていた。
 
水を吸い込む為に用意されたバキュームカーは全部で1000台。
琵琶湖の水を吸い込み、そこから貯水池に持っていき、そこでろ過。
キレイになった水をバキュームカーで吸い込み再び琵琶湖に戻すのが今回の作戦だ。
水が全部抜けたところで底をデッキブラシで磨く人たちも1万人集められた。地元のボランティアと琵琶湖を守る会の人たち。
 
それでもプロジェクトは順調に進んでいた。
バキュームカーが水を吸い込み貯水地に持っていき、キレイにろ過するところまでは。
すべての水が抜けた琵琶湖を地元のボランティアの人たちが見た時、唖然とすることになった。
正に開いた口が塞がらなくなってしまった。
 
琵琶湖の底には大型車や以前流行ったおもちゃ、元が何だったのかは分からないものまでたくさんのゴミが出てきた。
その中に大量の「アベノマスク」が沈んでいたのだった。
確かに大量に配られ、一時期は付けている人もチラホラいたが、まさかココにあったとは。
 
中には未開封のものもあり、消えたアベノマスクは琵琶湖に眠っていたのだ。
プロジェクトに関わった人たちはこの事を世間に報告することはなかった。
言ったところでワイドショーネタになるだけだし、プラスが無いように感じたからだ。この事を世間に公表して琵琶湖のプラスになるとは思えなかったからだ。
コロナ過ではあまり使用されなかったアベノマスクだが、アフターコロナとなった今、このような形でプロジェクトに関わった人たちの口を塞ぐことになった。
 
 
 

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