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勇者たち一行~母の日のサプライズ~

勇者たち一行きょうはいつも泊まらせてもらっている城下町の宿屋の主人が、70歳になる母親にサプライズを仕掛けるということで協力することにした。
 
内容はなんてことない買い物に出掛けた母親が家に帰ってきた時に、みんなで出迎えて驚かせようという内容だ。
 
勇者『きっとお母さん喜んでくれますよ!』
戦士『大きい声出し過ぎるとびっくりしちゃうから気を付けないとな』
賢者『僕が先頭に立って笑顔でお出迎えしますよ』
遊び人『オイラの手品も最後に披露しちゃおうかな』
 
4人でワイワイ騒いでいると、母親は夕飯の食材を買ってくると、いつものように家を出て行たと、主人が報告にやってきた。
いよいよ作戦決行です。
 
主人の家にお邪魔して、壁をキレイに飾り付け。メッセージボードに「いつもありがとう」と書き記すと、だんだんそれっぽくなってくる。
こんな時に頼りになるのは遊び人。冒険中はほとんど役に立たないが飾り付ける小物の位置やメッセージボードに記入する言葉など、最良なものをどんどん決断して、指示を出していく。
勇者たち一行が楽しんでこのイベントに取り組んだこともあり、予定よりも早く部屋の飾り付けは終わり、あとは母親が帰ってくるのを息を潜めて静かに待つだけとなった。
 
しかし、待てど暮らせど母親が帰ってこない。
いつもだったら帰ってくる時間になっても母親は帰ってこなかった。
徐々に宿屋の主人の顔色も変わってきて、家の中をあっちへウロウロこっちへウロウロ。
勇者たち一行も探しに行こうか、もう少しだけ待とうか決めかねていた。
 
その時、玄関のカギをガチャガチャいじる音がした。
宿屋の主人と勇者たち一行は家の中で顔を見合わせ、急いでお祝い用の体形を取り、玄関の扉が開くのを待った。
そして玄関の扉が静かに開いた。

そこには緑色の物体がデーンと佇んでいる。

勇者たち一行の前にバブルスライムが現れた。
 
 
 

ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪