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勇者たち一行~古い旅館編~

今夜は町の外れにある古い旅館を宿屋にすることにした勇者たち一行。
突然の宿泊ながら4人で泊まれる部屋が開いており、勇者たちは少々値段の張るその旅館を今夜の寝床にした。

仲居に案内されて通された部屋は旅館の2階。窓から外を覗くと正面には鬱蒼と生い茂った林、その下を細い川が流れている。
素泊まりなので料理はないが、各部屋に大きなお風呂が付いていることがこの旅館のウリだということを伝えて仲居は部屋から静かに出て行った。

居間で各々が武器を降ろし、鎧を脱いでTVを見て寛いでいると、サササッとドス黒いモノが勇者たち一行の前を横切った。
その物体が何だったのか、戦士は見逃さなかった。
『Gだ~!』
戦士の大きな声にGも驚いたのか、スピードを上げ、この旅館のウリである大きなお風呂のある部屋のドアの中へとサササッと入っていった。
勇者たち一行も急いで後を追いかけ、ドアを開けて中に入っていった。
ここから勇者たちの大冒険が始まった。

戦士がパーティに指示を出す。
『遊び人は入口にいて奴が外に出て行かないように見張っておいて』
『了解!』
指示を受けた遊び人は腰を落とし、地面に目凝らす。
『青いラックを端から上げていって』
戦士の指示の元、賢者は脱いだ服を入れる青いラックを順番に持ち上げいき、Gが隠れていないか慎重に探っていく。
『その端っこの体重計も動かしてみて』
指示された勇者は脱衣所の端に置かれた体重計にそぉ~と近づき、ゆっくりと体重計を持ち上げた。

その時、勇者たちの前にバブルスライムが現れた。


ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪