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音楽、オーディオ、ギター、自転車(MTB&ロード)、読書、靴。 note転載用ツィッタ…

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音楽、オーディオ、ギター、自転車(MTB&ロード)、読書、靴。 note転載用ツィッター @junyawtnb

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  • tribute 2022/02

    • 34本

    音楽をシェアするマガジン tribute の2022年2月号です。 tributeに記事をシェアしてくださる方を募集しています。

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【R.I.P.】デヴィッド・クロスビー2+1枚の現代性

「Lighthouse」で得たアクチュアリティ  先週、David Crosby&Lighthouse Bandの「LIVE AT THE CAPITOL THEATRE」を予約した。それにしてもDVD付きのCDを買うなんて、本当にいつぶりだろうか……。 ※無事購入!  ミシェル・ウィリスの新譜に感動して以来、改めて「Lighthouse」と「Here If You Listen」を聴き直していて、この半年くらいの聴取傾向にピタッとくるリリースだ。とてもうれしい……が、我

    • ロビー・ロバートソンが奏でた残響のアメリカーナ

      ロバートソンはずっとそうだった  昨年、ロビー・ロバートソンが亡くなった。  2023年8月9日のことだから、もう半年がたつ。私がもっとも敬愛していたミュージシャンであったので、彼がすでに地上にいないという事実は、とてもさびしい。  おそらく多くの日本人がそうであったように、私も結局ロビー・ロバートソンが音楽を奏でる現場に立ち会うことはできなかった。そのことも、よけいに喪失の穴が埋まらない原因になっている気がする。  しかし、奇跡的な瞬間もあった。  2002年、「ラスト・

      • 西葛西の中華料理屋で食べる硬派オムライス

         東京メトロ東西線の西葛西駅南口を降りて左手に進んですぐ、高架下に西葛西メトロセンターという、飲食店街がある。その中には商店もあるにはあるが、食べ物屋のほうが多いので、商店街というよりやはり飲食店街の趣だ。   駅前の繁華街の動線からはやや外れていても、ひなびているわけではなく、人通りもあってガード下の暗さはない。普段使いの、街の人たちの生活の場ならではの雰囲気なのだろう。  初上陸の西葛西駅から仕事の打ち合わせに向かう途上でこのガード下を通り抜けたときに、気になる店を見つ

        • オデット・ツールの「Isabela」はPlay It Loudで!

          ECM以前の作品もよい  昨2022年にリリースされたオデット・ツールの「Isabela」をようやくじっくり聴くことができた。内容はもちろんのこと、しみじみとCDを買ってよかったと思わせてくれるプロダクションであった(理由は後半にて)。ECMが信頼できるレーベルであることを証しする緒要素が詰まった作品と言える。  オデット・ツールは2017年に出た前々作の「Translator's Note」を愛聴していた。デビュー作の存在も知らず、どこかの媒体で紹介されたのを目にして聴

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        【R.I.P.】デヴィッド・クロスビー2+1枚の現代性

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        • tribute 2022/02
          34本

        記事

          フィジカルの質を反転させるJD・ベックのドラミング

          徹底的にフィジカルを磨き抜いた二人  昨2022年に大いに話題を集めた作品として、ドミ&JD・ベック(DOMi & JD BECK)の「NOT TiGHT」を挙げないわけにはいかないだろう。  二人は数年前からその卓抜な演奏テクニックを、インスタグラムなどの動画で公開して広く注目を集めてきた。ドミはポーカーフェイスでどんなすばやいパッセージでも完璧無比に弾きこなし、JD・ベックはうつむいたまま緻密なリズムパターンを黙々と繰り出していく。  二人が作る音楽世界はストイックな

          フィジカルの質を反転させるJD・ベックのドラミング

          ザ・フーの「Who's Next」はどれを聴く?

          謎の多い1984年CD 【前提】以下は、後追いで仕入れた情報を、自分なりのリスニングで肉付けしたものです。 「Who's Next」の1984年MCA米国初版CDの素晴らしさについては、すでに10年以上前に再発見されて、一部好事家の間では十分に話題になっていた。  その理由は、DCC Compact Classics(とのちのAudio Fidelity)というオーディオファイル向けの名盤高音質リイシューを数多く手掛けたスティーヴ・ホフマンがマスタリングを手掛けているから

          ザ・フーの「Who's Next」はどれを聴く?

          声とピアノ GDRN&Magnús

          アイスランドの歌手GDRN  先日、何気なくスマホのSpotifyでポチポチ試聴していて、偶然出会えた。 「Tíu íslensk sönglög」=アイスランド・ソングログ。字面でなんとなく読み取れば、「アイスランド歌集」ということだろう。  歌手・女優のGDRN(GuðrúnÝrEyfjörðJóhannesdóttir)とピアニストで作曲家のMagnús Jóhannによる、母国アイスランドで親しまれている新旧ポップスと自作1曲を織り交ぜた全10曲のこぢんまりしたアル

          声とピアノ GDRN&Magnús

          ダニエル ・ラノワ「Player, Piano」と幻想のケベック

          2010年代からのラノワ  ダニエル ・ラノワの『ソウル・マイニング』(2013年、みすず書房刊。原著は2010年)は、文章が描き出す世界は詩的で美しく、奔放な構成は散文的で、まさに「ラノワの本」という感じだった。刊行時の初読からそう何度も読んでいるわけではないが、折に触れてパラパラ飛ばし読みしたり、彼の音楽を聴きながら該当箇所を読んだりしている。  もちろん名盤・名録音の誕生秘話として、ラノワの頭の中、創造の源泉を辿るような内容は読み応えがある。しかし、それ以上に、幼少

          ダニエル ・ラノワ「Player, Piano」と幻想のケベック

          段ボール財布を作る【習作編】

           いつだったかテレビで観てから気になっていた島津冬樹さんの段ボール財布。ブティック社から本が出ていることを最近知って購入したので、さっそく作ってみることにした。オールカラーでおしゃれなデザインの本書。型紙とミニウォレットが作れる段ボールがつく。洋裁の本をたくさん出しているブティック社らしいなぁ、と妙に納得した。  今回は習作と位置付け、構造を理解するためにもまずは挑戦してみた。素材の段ボールは手持ちの、スペルガのスニーカーの箱にする。  本にある通り、まずは段ボール潰しか

          段ボール財布を作る【習作編】

          チャールズ・ステップニーの未来とJディラの過去

          *日本盤CDを聴いて若干の修正を施してあります。 ローファイの裏にある未来  様々な方がすでに書いているように、発掘音源として発売されたチャールズ・ステップニーの「Step on Step」は素晴らしいアルバムだった。聴きこんでもよし、流しっぱにしてBGMにするのもよしで、Spotifyで夜な夜な再生している。  1970年前後の一人多重の宅録なので、4chテープにピンポンしながら形にしたと思われ、決してハイファイではない。だが、インティメイトな質感をもった、チャーミング

          チャールズ・ステップニーの未来とJディラの過去

          マーク・ジュリアナと幸福への小径を往く

          聴くことの音という作品  幸福への小径、もっとも重要な質問、見方、私たちの本質、自由になる勇気……詩的というか、哲学的というか、なんとなく暗示的な言葉が並ぶ。これらは「聴くことの音」と題されたマーク・ジュリアナのジャズ〜アコースティックサイドの新作、「ザ・サウンド・オブ・リスニング」の冒頭から5曲のタイトルである。   前2作では、もっとポップなタイトルが曲には付けられていた。本作はティク・ナット・ハンの著書「Silence」とマインドフルネスにインスパイアされて作られた

          マーク・ジュリアナと幸福への小径を往く

          スナーキー・パピーの新譜がすさまじかった

          すごいアルバムを聴いてしまった 「ライヴ録音からこれを作れるのか!」  スナーキー・パピーの新譜を聴いて、口をあんぐりさせるほかなかった。  超絶技巧集団のスナーキー・パピーだからライヴだろうがスタジオだろうが、どんな演奏でも「できる」ことは旧譜からもわかってはいるが、それ以上に「こんな録音物の作り方を思いつくの?」という衝撃だった。やはりマイケル・リーグの発案なのだろうか……そうだとすると、控えめに言っても鬼である。すごいアルバムを聴いてしまったようだ。  ただ実際に

          スナーキー・パピーの新譜がすさまじかった

          最近好きな米国女性音楽家たち

           ここのところnoteを更新していませんでした。まとまった記事を書く時間ももうしばらくとれなそうなので、この数年のあいだ好きで聞いているアメリカ人女性音楽家の音源をいくつか貼ってみたいと思います。順不同、以前の投稿でふれた音楽家は除く。  アメリカの女性音楽家に限定したのに特段の意図はないのですが、深くディグっていないなか、好みで追っていってできたリストから有限化してみた、という感じです(するとCleo SolとかMarta ArpiniとかEnjiとかOlivia Chan

          最近好きな米国女性音楽家たち

          密室的サウンド美あふれるシオ・クローカーの新作

           先月にこの原稿でテオ・クロッカー(以後、日本盤発売元表記に揃えてシオ・クローカー)の新曲について書いた。新譜の「Love Quantum」を聴く時間がとれていなかったのだが、ようやく聴けて、結論として、やはりクローカーの新譜が大いに好みであることがわかった。と、同時に「そうくるのか」という驚きもある、不思議な魅力を持った作品だった。  その前回の原稿で、収録曲の『TO BE WE』を「ギル・スコット=ヘロンを彷彿させる」と書いていた。ふたを開けてみれば、この曲に限らずアル

          密室的サウンド美あふれるシオ・クローカーの新作

          デビュー40周年のBOΦWY論 合本

           noteのまとめやtwitterに拾っていただいたこともあり、とても多くの方に下記①をお読みいただけたのは、まさに望外の喜びでした。ありがとうございます。さらにオーガニックながら⑤もお読みいただくことが多く、せっかくならと5本並べた記事を作ることにしました。

          デビュー40周年のBOΦWY論 合本

          祝来日! 再結成ブラック・クロウズはドラムがいい

           ブラック・クロウズが今年の11月に、およそ17年ぶりに日本でライブをやる! 彼らのインスタで知って、テンションが上がったのだ。そこには東京公演として立川の文字が……意外なチョイスだなと思ったが、サム・ゲンデルや坂本慎太郎が出たフェスをやったステージだ。  各音楽ニュースやスポーツ紙にも取り上げられていた。  クロウズは活動休止と再結成を繰り返していて、今回が3度めの再結成中となるようだ。ロビンソン兄弟以外のメンバーはそのつどラインナップが異なり、バンド活動期間中でも入れ

          祝来日! 再結成ブラック・クロウズはドラムがいい