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本屋さん探訪レビュー(7)駅前の小さな書店はどう生き残れるのか?

駅前の小さな本屋さんはどうしたら
上手くいくのか?
そのお手本になりそうな書店を
最近、見つけました。

京王線・千歳烏山駅の商店街にある
「烏山書店」。
駅から2分の便利な場所ですが、
店内スペースは小さい。
誰もが「駅前書店」と言われて
きっと思い浮かべるサイズの店舗です。

最初は、きっと老齢の店主夫妻が
のんびりやっているのかな?と
思いながらお店に入っていきました。

これがこれが、私の大間違い。

店外の軒下には、
定期刊行物のジャンプやマガジンなど
週刊、月刊のコミック雑誌が
ずらりと整頓した状態で並んでいます。
また、児童向けの付録付き雑誌も
定期刊行系はしっかり並んでいました。
ここで、男性と子供を呼ぼうという
試みですね。

さて、店内に入ると、
きれいでホコリ一つない明るい印象。
これはとても大事ですね。
気持ちがいい。
その分、滞在時間が長くなるから。
やはり、整理整頓は重要かあ。

それで、ここに入って
すぐに気づくのが、
そんなに売れてる?というくらい
いわゆるラノベ、ライトノベルの棚が
ズラリ、充実しているのです。
ここは世田谷区の書店だから
ファミリー層も来る。
本好きな少年や青年も来る。
親子でも来る。
地域のニーズを見越しているのです。

もうひとつ気づくのは、
コミックスの棚は、
レジの真後ろにあり、
欲しいのがあれば、
レジの店員さんに取ってくれるよう
お願いするようになっていること。
これは明らかに万引き防止策ですね。
無くならないのは残念な話。
でも小さな書店で万引きは致命傷です。

それに、今はコミックスは
どのみちビニールのシュリンクで
くるまれるから、立ち読みができない。
それなら、店員のすぐそばに
置くのが、適切かもしれない。
ただ、マンガ好きで、
コミックスの棚をあれこれ眺めたい客層を
考えると、これはもったいない。

店の3分の1は女性ファッション雑誌、
もう3分の1は
新潮・文春・講談社・カドカワの
文庫がズラリ。
そうして残りが
ラノベと、旅行ガイド、
あと、ちょっとした机の上で
新刊文芸と新刊エッセイが
並んでいるのですが、
小さな駅前書店なら、
こうした本は取次(問屋)から
配られてこないかな?というような
本まで意外と置かれています。

これは取次(問屋)から信頼されている証。
今までの結果から見て、 
あの本屋なら
この本を売ってくれるだろうと
取次や出版社が予想するからです。

どおりで、この本屋さんは
店内が明るくて、
お客さんも色々と物色している。

お客さんの滞在時間というのが
書店の活気問題には
大きなカギになります。

よくデジタルの世界では、
どこどこのサイトは
滞留時間が良いとか悪いとかが
非常に重要とされていますが、
駅前書店だって同じですね。

欲しかった週刊ジャンプだけ買って
はいさようなら、されては
売り上げは限界がある。

レジには懐かしいクラッカーが
売られていたりもします。

ここの店主は、お客さんをよく
見ている人なんでしょうね。 

青年や少年が好きなラノベ棚は
大きくして、
ビジネスマン向け新書などには
チカラをいれず、
お母さん世代向けの女性誌は
しっかり棚をとっている。

何をとって何をあきらめるか、
非常に適切というか、妥当というか、
地域のニーズをよく見ていますね。

本当に勉強になりました。

活気★★★
品揃え★★
きれいさ★★★★

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