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【本のオビ】理想の帯コピーってなんだろう!?

今日は、オビについて考えてみたい。
オビのコピーって大事ですよね。
それ次第で、買う買わないが
決まってしまう場合もあるくらい。

さて、理想的なオビコピーって
何だろう?
たとえば、これ。

「世界が愛した奇跡の九篇を、
最高の名訳で。

バナナ熱にかかるバナナフィッシュ、
悲しい運命を辿る笑い男、
船の上の天才少年、、、、、
日常の薄氷の上で危うくきらめく、
アメリカ文学永遠の至宝。」
これは、サリンジャーの
『ナイン・ストーリーズ』のオビです。

これは実に丁寧に丁寧に
中身を説明しています。
ただ、ちょっと美辞麗句が多いですね。
80点というところでしょうか。

さて、次に参りましょう。
「嘘みたいなあらすじです。
とんでもない読書だった。
往来堂書店 高橋さん

SNSで1000万 views超の
大バズり小説! 
衝撃のあらすじは裏面に。」
安部公房『カンガルー・ノート』

これはいかにも今風な、
SNSビュー数を誇示する一面と、
名物書店員さんの宣伝コピーの
組み合わせ。
今風と伝統的コピーの組み合せですね。
両輪あわせた辺りは
バランスがいい。
これは75点といったところか。

さて。次に参りましょう。
「人間の本性を問う

代表作『愛するということ』と
対をなす名著、半世紀ぶりの新訳」

これは、エーリッヒ・フロム
『悪について』のオビコピーです。

なんだか、これぞオビ文句! 
って感じのコピーで出来ていますね。
しかもシンプルさは抜群。
85点ってところでしょうか。

さあ、次に参りましょう。
「時代も
国境も越えて
読み継がれる
長編小説

胸に眠る
言葉に
耳を澄まして」
これは村上春樹の
『ノルウェイの森』のオビ。

もはや大ベストセラーの本には
改めて攻めるような言葉は要らない。
無難なコピーがいちばん、
という、典型例ですね?
点数をつけるのは、
やめましょう。

「村上春樹」と印刷されている、
それこそが最大の宣伝コピーですから。

では、最後に、
「悪事は絶対に
バレる。

清張ミステリ
必読の8編!」
これは松本清張『空白の意匠』の
オビコピー。

ミステリの短編集の
オビコピーとして、
「悪事は絶対にバレる」は
なんとも松本清張らしい。
芯を食ったコピーですね。
安定感があります。
これは何点だろう?
85点かなあ。

オビらしい理想のコピーとは、
何だろうか?

ユーチューブの再生数とか、
書店員さんの推薦コピーとか、
美辞麗句を丁寧に並べたり、
ズバっと短い文章で
シンプルにススメたり、
色んなバージョンがあることが
わかりました。

自分が今読んでいる本について、
オリジナルコピーを
付けるアソビも楽しいので、
オススメです。

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