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【秘伝レシピ】お祖母ちゃんの秘伝は、アメリカ風のトマトご飯。

おばあちゃん家に行く。
何が食べたいかと聞かれたら、
私はいつも
「トマトご飯が食べたい」と
即答していました。

おばあちゃんの父、
私には曾じいちゃんは、
第2次世界大戦の前、
まだ日本とアメリカが
戦争になる前の頃、
出稼ぎでアメリカ西部で
農民として働いていた。

アメリカ東部では、
アルカポネがいたり、
チャップリンが映画を
取り始めた時代、
大変大変、昔の時代。

お祖母ちゃんの父は
仕事の後、一人、
畑でとれたトマトを
ザク切りにして
お鍋でよく炒め、
塩コショウで煮詰め、
スープ状にしては
カレーのようにご飯に
かけて食べていたそう。

それを子供である祖母も
受け継いで、日本らしく
アレンジをしていたんです。

とはいえ、50年60年前。
そんなに凝ったアレンジは
祖母もできなかったろう。
塩コショウのほかに
醤油で旨みを足し、
バターでコクを足し、
それから牛肉の細切れを
わりと大目に入れていた。
肉を入れたとたんに
いい香りが家中に漂う。

お皿にご飯をよそったら、
そのトマトスープをかけ、
最後にグリーンピースを
パラパラっと乗っけたら
完成です。

本当は今なら、これに
あめ色になるまで炒めた
玉ねぎや、
甘く炒めた人参、
牛肉も細切れじゃなく
脂の乗ったカルビや
ロースでこってりした
ソースにすることも
できるでしょうけれど、
おばあちゃんの味、
ひいては、
曾おじいちゃんの味から
あまり遠ざからないよう、
ギリギリのアレンジで
とどめておきたいのが、
孫の私の微妙な心情…。

私がお祖母ちゃんの
トマトソースに
どうしても
追加したくなったのは、
コンソメ粉末ですかね。

アメリカでアルカポネが
闊歩していた時代に
カリフォルニアで
農夫がよく食べていた
トマトご飯、
ちょい足し版の完成です。

ちなみに、トマトは
生トマトを皮もむかず
ざく切りにして、
炒めるのが一番美味しい。
普通の大きさのトマト2個で
一人前としては十分。

なお、お水は絶対に入れない。
それが祖母のこだわりでした。

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