眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店…

眠れぬ夜のブックカフェ

一日一度は書店に通う本屋好き。出版社勤務。元漫画編集者。noteでは、読書や創作、書店、出版界の話をします。好きな作家は村上春樹、小林秀雄、佐野洋子、色川武大、川上未映子、大江健三郎、開高健、須賀敦子、太宰治、三島由紀夫、サリンジャー。

マガジン

  • 本の命、本の謎、本の運命?

    本にまつわる謎、本の運命、本好きの宿命、本好きの責任などなど。

  • 読むことは受け身ではない!

    「読む」という行為は、受け身な行為ではない。非常にクリエイティブです!というお話を書いていきます。

  • 私はこんな人たちが好き!

    大好きな作家や作品、また好きなフレーズなどをまてめています。

  • 書くことは人生のスパイスです

    書くとはいったい何か?また、noteを書きながら自分が気づいた細やかなことをまとめました。

  • 本屋さんの話をしよう

    本屋さんや本屋大賞の話、書店業界の話について話をしよう。

記事一覧

【専門家】川上未映子?三浦しをん?佐野洋子?誰の専門家になろうかな?

橋本治が他界して5年になる。 数年前に、noteで、 橋本治を専門的に研究している人を 見た時は、びっくりでした。 私も橋本治は好きですが、 まさか、もっぱら橋本治を…

【本屋大賞】翻訳部門で目覚ましい韓国小説

本屋大賞。 メインの日本の小説に授与される 大賞は話題になりますね。 でも、翻訳部門は、 1位になっても、 あまりニュースにもならない。 残念な海外文学よ。 でも、…

【本との付き合い方】読書は恋にどこか似ている(笑)

好きな作家がみつかった時ほど 至福な時はない。 学生時代は濫読するから、 何人も見つかる。 最初は、宮本輝。 次に、太宰治。 小林秀雄。 開高健。 大江健三郎。 藤原新…

【読書の基準】人はどのようにして本を選ぶのか?@橋本治

誰しもが、 偏食というか、 偏毒ではないでしょうか? 私は恥ずいですが、 普通に文学史的な基準で 読んてきた方ですね。 ただ、そのわりに ほとんど?全く? 関心がない…

【ウツ3】弱いメンタルには、さんまがよく効く!?

何曜日が好きか?と 聞かれたら、火曜日と答えます。 好きなテレビ番組が一番多いから。 「オモウマい店」 「踊るさんま御殿」 「マツコの知らない世界」 「相席食堂」 …

【アメリカ文学】ポール・オースターが死んだ。

オースターが死んだ。 あの、アメリカの、 誰よりも、物語の 未来や可能性について 信じていた一人の作家が、 とうとうこの世から消えた。 77歳だったという。 唐突な知…

【村上春樹】「村上柴田翻訳堂」は失敗したのか?成功したのか?

村上春樹にも、 できないことがあったんだなぁ?? 村上春樹と柴田元幸が タッグになって、 お気に入りの海外文学を 発掘・推薦し、新刊・復刊する  翻訳シリーズがあり…

【文豪】夏目漱石を、もっともっと知りたい方のための読書案内

夏目漱石でいえば  『こころ』や『坊っちゃん』 『三四郎』『それから』『彼岸過迄』 などは読んだけれど、 その先に進むためには、 次はどんな作品を読めばいいだろう? …

【作家】昔の作家は、親炙した外国文学から栄養を採っていた。

今日、さっき新聞を観たら 訃報欄で、武田花さんが死去した という記事が出ていた。 戦後作家・武田泰淳と、 エッセイストの武田百合子の 娘さんだ。 武田百合子のエッセ…

【佐野洋子】エッセイは小説よりも難しい?!

私のこころの貴重な知己を、 三浦しをんも好きだとは知らなくて、 テンションがあがりました。 今日、佐野洋子の 『あれも嫌い これも好き』(朝日文庫)の 新装版を本屋で…

【ウツが来た2】ウツ警報が鳴り出したなら?

ウツがやってきた。  久しぶりに大きな波でやってきた。 先日、危ないと思った私は、  会社で、毎日降り積もるストレスから 逃げることにした。 朝の出勤途中。 もうす…

【本屋】次世代の本屋といえば、移動式、シェア型、独立系。

今日の朝日新聞に、 移動型古書店の話が乗っていました。 バンでしょうか、 本をいっぱい乗せた自動車で 様々な町を移動してまわる。 今日の新聞に出ていたのは 古書店『…

【探偵小説、今昔】タフじゃなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない…

最近、書店で 目が点になりました。 レイモンド・チャンドラーの 探偵マーロウ・シリーズの 『プレイバック』の文庫が また新しいのが出ていたからです。 20世紀に活躍し…

【コメダの夜明】カレーグラタンか?ハンバーグスパか?

コメダ珈琲の夜タイムには 客泣かせなメニューがあります。 夜だけの限定メニューの話です。 それは、18時以降からしか オーダーさせてもらえないんです。 もうお腹ペコ…

米映画『グリーンブック』と韓国ドラマ『涙の女王』は最高です!!

ここ10年近くで、 こんなに良かった映画はない。 タイトルは『グリーンブック』。 天才黒人ピアニストと、 イタリア人のお抱え運転手が アメリカ南部を巡業する物語だ。 …

【メンタル】久しぶりに、ウツがやって来た。

ウツが来た。 久しぶりに、ウツが来た。 ウツは、私の感覚では、 外からやってくるという印象。 朝、コメダ珈琲で 食べながら、涙が出てきた。 誰かに話しかけたくて、 …

【専門家】川上未映子?三浦しをん?佐野洋子?誰の専門家になろうかな?

橋本治が他界して5年になる。 数年前に、noteで、 橋本治を専門的に研究している人を 見た時は、びっくりでした。 私も橋本治は好きですが、 まさか、もっぱら橋本治を研究する人が 世にはこんなにもいるの?? とは思わなかったからです。 橋本さんは、 アナーキーだし、 シニカルだし、  フリーダムだし、 ひねくれているし、 全くマインドが読めないんですよね。 でも、最近は、 文芸雑誌で橋本治論や 橋本治にまつわる評伝が いくつか見られるし、 『はじめての橋本治論』という

【本屋大賞】翻訳部門で目覚ましい韓国小説

本屋大賞。 メインの日本の小説に授与される 大賞は話題になりますね。 でも、翻訳部門は、 1位になっても、 あまりニュースにもならない。 残念な海外文学よ。 でも、調べてみると 傑作が選ばれているんです。 最近では、 2019年『カササギ殺人事件』     イギリス文学 2020年『アーモンド』韓国文学 2021年『ザリガニの泣くところ』     アメリカ文学 2022年『三十の反撃』韓国文学 2023年『われら闇より天を見る』     アメリカ文学 2024年『よう

【本との付き合い方】読書は恋にどこか似ている(笑)

好きな作家がみつかった時ほど 至福な時はない。 学生時代は濫読するから、 何人も見つかる。 最初は、宮本輝。 次に、太宰治。 小林秀雄。 開高健。 大江健三郎。 藤原新也。 村上春樹。 村上龍。 海外では、 レイモンドカーヴァー。 サリンジャー。 ヘミングウェイ。 ジョンアーヴィング。 そろそろ、 純文学に飽きてきて、 向田邦子。 向田邦子を知った辺りから、 だんだん、女性作家が好きになる。 吉本ばなな。 山田詠美。 その後は、社会人になる。 ちょっと読書量は減って

【読書の基準】人はどのようにして本を選ぶのか?@橋本治

誰しもが、 偏食というか、 偏毒ではないでしょうか? 私は恥ずいですが、 普通に文学史的な基準で 読んてきた方ですね。 ただ、そのわりに ほとんど?全く? 関心がない文豪がいます。 田山花袋、 島崎藤村、 志賀直哉、 武者小路実篤、 といった自然主義文学や 白樺派文学だ。 明治文学の研究や、 大正文学の研究に 関わる訳でもない限り、 どうも、関心が湧かない。 まずは、志賀直哉。 彼は単に自分の気分や機嫌を 書き表わしただけに過ぎない… と感じる。 そんな、他人のお

【ウツ3】弱いメンタルには、さんまがよく効く!?

何曜日が好きか?と 聞かれたら、火曜日と答えます。 好きなテレビ番組が一番多いから。 「オモウマい店」 「踊るさんま御殿」 「マツコの知らない世界」 「相席食堂」 ずっと笑っていられるから。 特にさんまが好きですね。 だから、今日みたいに テレビ番組改編期だからか、 見たくもないモノマネ特番に とってかわられるのは残念です。 喜びを奪われたみたいに。 さんまに癒やされるように なったのはいつ頃からだろう? メンタルが弱い人には、 笑い声をたくさん聴くのは メンタル

【アメリカ文学】ポール・オースターが死んだ。

オースターが死んだ。 あの、アメリカの、 誰よりも、物語の 未来や可能性について 信じていた一人の作家が、 とうとうこの世から消えた。 77歳だったという。 唐突な知らせに、 新聞を見ながら、 私はふっと息を呑んだ。 まだまだ、何作か、 書いてくれると思っていたから。 思えば、 30数年前の大学4年の時まで、 まだオースターを知らなかった。 サークルにいた、 何でも機を見るに敏な仲間がいて、 彼がオースターの存在を 教えてくれた。 カフカのような神秘さと プルースト

【村上春樹】「村上柴田翻訳堂」は失敗したのか?成功したのか?

村上春樹にも、 できないことがあったんだなぁ?? 村上春樹と柴田元幸が タッグになって、 お気に入りの海外文学を 発掘・推薦し、新刊・復刊する  翻訳シリーズがありました 2015年から2018年でした。 題して「村上柴田翻訳堂」。 このシリーズでは、 ハーディ『呪われた腕』や フィリップ・ロス 『素晴らしいアメリカ野球』 キングストン『チャイナ・メン』 ディッキー『救い出される』 ラードナー『アリバイ・アイク』 コリン・ウィルソン『宇宙ヴァンパイヤ』 ジョン・ニコルズ『

【文豪】夏目漱石を、もっともっと知りたい方のための読書案内

夏目漱石でいえば  『こころ』や『坊っちゃん』 『三四郎』『それから』『彼岸過迄』 などは読んだけれど、 その先に進むためには、 次はどんな作品を読めばいいだろう? という人のために 漱石の読書案内を ご紹介してみたいと思います。 まず、私が個人的に好きなのは、 文鳥を飼ってみたものの、 不慣れで、死なせてしまった、 そんな一連を描いたエッセイ 『文鳥』が大好きで、オススメです。 その次は、シュールで不気味な 『夢十夜』でしょうか。 漱石の、無意識に内在する 生きる不安や

【作家】昔の作家は、親炙した外国文学から栄養を採っていた。

今日、さっき新聞を観たら 訃報欄で、武田花さんが死去した という記事が出ていた。 戦後作家・武田泰淳と、 エッセイストの武田百合子の 娘さんだ。 武田百合子のエッセイや日記には 武田花ちゃんはたびたび登場する。 子供として登場するから、 ずっと子供のイメージで さっき新聞で、72歳と知り、 またそうした年齢のお写真を見て、 なんだか、困惑してしまった。 ところで、 そんな武田花さんの父親の 武田泰淳は、 もともとは、中国文学の研究者だった。 戦後日本文学の重鎮だった。

【佐野洋子】エッセイは小説よりも難しい?!

私のこころの貴重な知己を、 三浦しをんも好きだとは知らなくて、 テンションがあがりました。 今日、佐野洋子の 『あれも嫌い これも好き』(朝日文庫)の 新装版を本屋で見つけたからです。 佐野洋子は前から大ファンでした。 その佐野洋子のエッセイの 新装版の巻末に、 新たに三浦しをんが解説を書いていた。 佐野洋子は自虐と毒が程よく ミックスされている。 三浦しをんもまた、  エッセイの名手ではあるけど、 芸風はガラっと違って、 自虐性が強く、毒はあまりないから、 三浦しをんと

【ウツが来た2】ウツ警報が鳴り出したなら?

ウツがやってきた。  久しぶりに大きな波でやってきた。 先日、危ないと思った私は、  会社で、毎日降り積もるストレスから 逃げることにした。 朝の出勤途中。 もうすぐ新宿だった電車をおり、 私は紀伊國屋書店に向かった。 会社には、休むと連絡を入れた。 連日のストレスのうずまきから、 ちょっと距離を取ることにした。 ストレスがピークだったし、 不眠症にもなっていた。 判断力も忍耐力もなくなっていた。 典型的なウツ症状だ。 だから、私は避難した。 災害時に当てはめると、

【本屋】次世代の本屋といえば、移動式、シェア型、独立系。

今日の朝日新聞に、 移動型古書店の話が乗っていました。 バンでしょうか、 本をいっぱい乗せた自動車で 様々な町を移動してまわる。 今日の新聞に出ていたのは 古書店『ブルーバードブックス』を 始めた草薙みちるさん。 最近、独立系古書店や シェア型(共同型)古書店などが 話題になりますが、 移動型古書店も、 その存在価値は大きいでしょうね。 でも、いきなり、 ある公園や空き地にいって、 外に本棚を並べて、 お客さんが来てくれるのを待つのは 人見知り人間にとっては、 かなり

【探偵小説、今昔】タフじゃなければ生きていけない。優しくなければ生きる資格がない…

最近、書店で 目が点になりました。 レイモンド・チャンドラーの 探偵マーロウ・シリーズの 『プレイバック』の文庫が また新しいのが出ていたからです。 20世紀に活躍した作家 レイモンド・チャンドラー。 彼はハードボイルド小説を よく書き残しました。 村上春樹も、 チャンドラーの愛読家で、 チャンドラーが書いた人気シリーズ 「探偵フィリップ・マーロウ」 シリーズを全巻、  翻訳し終えました。 ハヤカワ文庫から。   それから、 また、同じハヤカワ文庫では 60数年前に刊行

【コメダの夜明】カレーグラタンか?ハンバーグスパか?

コメダ珈琲の夜タイムには 客泣かせなメニューがあります。 夜だけの限定メニューの話です。 それは、18時以降からしか オーダーさせてもらえないんです。 もうお腹ペコペコで、 なのに、時刻はまだ17時半なら オーダーさせてはくれない。  ああ、あれがいつだって 食べられたなら、どんなに良いか? もう少し開始時刻を早めに してくれないかと日々思いますね。 お店だって、儲かるんだから、 変に限定にし過ぎではないかしら? 次に悩ましいのは、 メニューの良さ、旨さ。 コメダ珈琲

米映画『グリーンブック』と韓国ドラマ『涙の女王』は最高です!!

ここ10年近くで、 こんなに良かった映画はない。 タイトルは『グリーンブック』。 天才黒人ピアニストと、 イタリア人のお抱え運転手が アメリカ南部を巡業する物語だ。 作りとしてはコメディ。 テーマは白人と黒人の深い溝。 物語を貫くのは、 黒人ピアニストが南部の街で 弾き聞かせる音楽。 それが差別問題をまろやかにしてる。 黒人の役者も、 イタリア人の役者も芸達者だ。 『グリーンブック』は こんなに面白かったなんて。 ネットフリックスで年末に観て、 今日もまた観ている。

【メンタル】久しぶりに、ウツがやって来た。

ウツが来た。 久しぶりに、ウツが来た。 ウツは、私の感覚では、 外からやってくるという印象。 朝、コメダ珈琲で 食べながら、涙が出てきた。 誰かに話しかけたくて、 母親に電話したけれど、 イライラがたまり、 電話も、ぶち切ってしまった。 判断力も、 冷静さも、 忍耐力もまるでなくなっている。 それに、おでこはずっと熱がある。 これは、ウツになる初期症状だ。 本も何冊もカバンに入れてたけど、 1冊も読めなかった。 読むチカラも余裕もなかった。 自暴自棄になって、