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サステナブルツーリズム in 岐阜〜暮らしの中から考える豊かさ〜

「豊かな暮らし」とは何でしょう?

スーパーや病院が近くて、生活に不自由なく困らないこと?
〇〇があるから豊かな暮らしというような、シンプルなもの?

今回、地球のしごと地球のしごと大學が主催するフィールドワークに参加しました。

7月の3連休を目一杯に詰め込んで、エネルギー、衣服、祭り、芸能などをテーマのもと、地域の生活・文化などを岐阜で学び・体感をしてきました。

この記事を読んでもらって、石徹白・郡上八幡・飛騨古川の地域の魅力を少しでも知ってもらうのに合わせて、読んでもらった方の生き方と照らし合わせ、豊かさについて改めて考えるきっかけになればと思っています。


地域の魅力を五感で学ぶ3日間

標高700mの小さな集落 石徹白

フィールドワークの初日、各地で猛暑の警戒がなされる中、岐阜県郡上市白鳥町(しろとりちょう)の石徹白(いとしろ)に訪れました。

村全体が森に囲まれ、澄み切った水が流れる、まるで自然が村を守っているかのような雰囲気と木陰にいるような涼しさを感じられるような場所でした。

石徹白は、岐阜県と福井県の県境にあり、人口220名ほどの小さな集落です。

白山信仰の重要な拠点として育まれてきた石徹白ですが、白山信仰の礎が無くなり、過疎が進む現在では、この地域を将来に渡って存続するためにさまざまな取り組みがなされています。

今回は、石徹白で話を聞かせていただいた2つの取り組みを紹介します。

白山信仰の拠点

先人の想いを未来へ繋ぐ。小水力発電。

石徹白で全国的に脚光を浴びているのが、小水力発電です。
小水力発電のプロジェクトを推進した平野さんに案内していただきながら、集落に設置された小水力発電所を周りました。

地域住民が出資をし、新たな農協を設立し、小水力発電所を建設しました。
また、発電所の水は農業用水を利用しており、山の中を通る用水はもともと先人が手掘りで作ったものです。

先人たちの努力の恩恵を受けて、循環的な仕組みが作られました。

『石徹白番場清流発電所』を導入するにも2億近くも必要ですし、そもそも外から電気を買った方が安くすみます。

それでも、地域住民が力を合わせて実現させたという話は、集落の底力やエネルギーを感じさせられました。

小水力発電

石徹白の豊かさと恵みに溢れる洋品店

初日の後半は、石徹白にある「石徹白洋品店」に訪問させていただきました。

この地に受け継がれてきた伝統衣をベースに、染め材などの原料を育てるところから洋服づくりに取り組んでいます。

石徹白の歴史に倣いながら作られ、その土地の原料から手作り。
服が作られた背景と想いを知るだけで、石徹白洋品店の服に心動かされる重さを感じました。

日本一ロングランの盆踊り 郡上おどり

2日目のお昼からは郡上八幡に行き、郡上おどりに参加しました。

郡上おどりは、7月中旬から9月上旬にかけての長期間、笛や太鼓に合わせて手拍子を整え、下駄を鳴らしながらひたすら踊り続けます。
2022年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。

とくに有名なのが、お盆期間中に行われる「徹夜踊り」です。
夜8時から明け方にかけて踊りをします。

私も踊りに参加しましたが、踊りをしながら一体感を感じました。
踊りを知らなくても参加できる優しい雰囲気と、リズム感もありながらも穏やかさのある時間でした。

人生で祭りに参加したことは片手で数えるほど。そんな私が楽しいなと思いましたし、郡上おどりが長く続いてきた理由を肌で感じました。

事前に郡上八幡博覧館で郡上おどりの予習

クールな田舎をプロデュースする飛騨古川のサイクリングツアー

フィールドワーク3日目は飛騨古川へ、インバウンドベンチャー「美ら地球(ちゅらぼし)」が主催するサイクリングツアーの参加しました。

3時間半で7600円と安くはないものの、年間5000人近い外国人が利用者がいます。

ガイドさんの説明を聞きながら風景や歴史を学びます。
自転車で乗っていると、必ず学生さんが挨拶をしてくれました。また、外出から帰られたばかりの地元の方の玄関に入らせてもらったり、自然のみならず人ともふれあうことで飛騨古川を味わうことができました。

ゆったりと時間が流れるような田舎の雰囲気と地域の資源をたっぷり活かしたツアーだからこそ、海外の方が魅力を感じ、集まるんだなと思いました。

サイクリングツアーで町の魅力を学ぶ

まとめ〜改めて豊かさとは〜

地域の方と私たちは「価値基準」が違う。

地域の方が地域のために取り組み続けている理由は「プライド」という話も伺いましたが、大切にしている価値基準が違うんだなと思いました。

「どれだけ綺麗に草を刈れたか」、「踊りに何日参加できたか」

それは、家庭で学校で学んだ教育、歴史の重み、地域性がもたらすものなど理由はさまざまなのかもしれませんが、私は地域で暮らす人々に豊かさを感じました。

コスパやタイパ、合理性、生産性などが求められている社会において、役立つもの、お金を生み出すものは分かりやすく評価されます。

ただ、地域というのは、経済性を考えるとどうしても劣ってしまいますし、お金を産まない取り組みも多いんだと思います。

しかし、地域という存在、文化・歴史・人との繋がりには経済性だけでは語れない魅力や、地域にプライドを持てる地域の方というのは人としての豊かさを持っているんだなと感じました。

新たな価値観に触れ、たくさんの人に出会い、楽しい時間を過ごした3日間でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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