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電波凸爺メモリー 第六話

第六話 3階の住人

警察官は昨夜の事を話しだした。

警察官「了解しました。…ちなみに昨夜あの後続きがありまして…」

ワイ「え?続き?」

警察官「はい…。味沢さんの部屋には何もなかったと警察官が凸爺さんの部屋に行き報告したすぐ後、また凸爺さんが交番まで来て全く同じ事を事を言い位に来たらしいです」

ワイ「うげ!怖ぇぇ〜」

警察官「そんな事もありますので周辺パトロールは強化致します。何かありましたら遠慮なく連絡して下さい。では」

酒屋警察官は帰って行った。

短時間で2名の警察官にある意味お世話になったが、どちらも話のわかる警察官で心強かった。それにしてもまた交番に戻るなんて想像を超えて来る奴だ。

「グゥ〜」

呑気に腹がなる。
…腹が減っては戦は出来ぬ。
朝からガッツリ系の朝食(肉野菜炒めと豚汁と納豆)を作って食べ、少し部屋を片付けてゴミを捨て、この日は在宅だったので仕事のメールを返したり送ったりして早めに午前の作業を終わらせる。

そして時刻は朝9時。そろそろ大家さんに電話しよう。
iPhoneを手に取り大家さんに電話をした。

大家「はい。もしもし大家の〇〇です」

大家は早めのコールですぐ出てくれた。
そして昨晩とさっき起きた事を伝えた。もはや少し伝え方がうまくなってると自覚もあった。
大家は寝耳に水だったようで、かなり驚いていた。

電話ではこの感情を伝えれなかったのと、実際に管理会社が間にいるので、大家自身凸爺の顔がわからないとの事で、昨夜動画を撮っていた部分もあるのでそれを見てもらおうと、実際に会ってお話しさせてもらう事にした。そして大家を玄関先まで迎え話をはじめる…。

大家「…なるほど…これは…はぁ…それで夜中と早朝に…警察に2回も…はぁ困ったなぁ〜本当ですか…」

ワイ「今までにこう言ったトラブルはあったんでしょうか?」

大家「私がこのマンションを建ててはじめてですよ!とりあえず管理会社には今連絡します」

そう言うと管理会社の〇〇に電話をした。
俺でも聞いた事ある大手の会社だ。

大家「あ〜もしもし△△マンションの大家です。あのですね昨夜4××に住んでいる凸爺さんが電波がなんとかで夜中と早朝に2××の味沢さんの家に来てね……」

とりあえず60代の小柄だが細身でスポーティな雰囲気を感じる大家は、はじめて起こったトラブルに困惑しながらも管理会社に状況を伝えていた。

大家「今ね!その2××の味沢さんが一緒にいるからちょっと変わるね!」

そう言うと大家はガラケーを渡して来た。

ワイ「あ、すみません。お電話変わりました味沢です。えーっとですね」

もはや磨かれたネタのように昨日起こった事をスラスラと伝えるが、多分20代前半であろう管理会社の担当の男は、「はぁ…」「えぇ、」「なるほど…」と、まるで興味の無い相槌を打って来た。

それもそうだ。この手の揉め事には管理会社の契約書に「建物内の問題は当事者解決してちょんまげ」ってのがセオリーで俺自身も管理会社は当てにはしてなかった。

大家に変わり大家も電話切ったので俺から色々質問をした。大家は特に隠す事もなく自然に答えてくれた。

まず凸爺は60代で俺よりだいぶ長い事住んでいて、敷地内の駐車場も契約してるし滞納も無くいい入居者さんだと。
結婚や同居人に関してはわからない。仕事内容は不明だが割と稼いでいる(orいた)印象。こんな事する人なんて全く思わなかった。

俺の撮った動画を見て素直に「こりゃぁ病気なんじゃないの?」と言った。

そして大家は全く電波とかその手の事は苦手で今だにガラケーを使ってる事を伝えた。
そしてピュアな気持ちで俺に聞いてきた。

大家「実際電波があったとして耳とかに響くもんなの?ごめんね…俺、本当にわかんねぇのよ。」

ワイ「普通に暮らしててもこの現代は電波まみれですから電波のクレームは100%思い込み(病気)だと思います。百歩譲って人を苦しめる電波の装置があったとしてピンポイントで2つ真上の人にぶつけるのは厳しいかと思いますね。あと俺自身もやられると思いますよw。てかこの上の3××は空き部屋なんですか?」

大家「3××? 普通に住んでるよ」

ワイ「住んでるんかーい!アイツ空き家って言ってましたよ!!」

大家「今のところありがたい事に満室ですよ。…ではこの後管理会社が凸爺さんに連絡入れてみるらしいので、その連絡がありましたらまたご連絡します」

そう言うと困ったなぁ〜困ったなぁ〜と言いながら大家は去って行った。

てか3××住んでるのかよ!なんなんだよアイツ!面白すぎるだろ!!俺はこの時点でもう記録に残そうと決心していた。

そして昼過ぎの13時半頃、大家からの着信があった。

つづく

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