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この人と結婚してよかった!の瞬間

GWが近づいてきていますが、例年ほどわたしの心は浮き立っていませんでした。
いつもだと、栃木県の那須にある別荘に行き数日間何もせず過ごします。
夫と息子はひたすら焚火。わたしも外に出て焚火のそばに椅子を置いて読書。別荘にいるときは大体夫が食事を作ります。
普段わたしが作る食事をよっぽど我慢して食べているのか、ここぞとばかり小麦尽くし、チーズ尽くし、加工肉尽くし、ノーベジタブルの食事が続きます。
そこにわたしがおにぎりを握ったり、こっそり持参した野菜を添えたりしています。それでも作ろうという心意気を損ねてはいけないし、わたしも楽だし、どんなに怠けても怒られないので、那須で過ごす日々を愛しています。

どうして今年はわくわくしていないのか。
今年はスペシャル企画らしく、夫は張り切って一か月前にどこかに電話して予約を取っていました。
那須の山の上にある特別な旅館を予約したそうです。なぜかわたしの実家の父も誘って4名で行くことになっていました。

ある日夫は職場でもある実家から大きな袋を持って帰ってきました。
中からピンクの登山靴。「旬子にはおれの母さんの靴を借りてきたから。」
息子には義姉の赤い登山靴を借りてきました。

よく聞くと、その旅館は山道を2,3時間登ったところにあるそうです。
そして電気がないそう。夜トイレに行くためにヘッドライトをつけていくそう。シーツは向こうにあるから持って行かなくて大丈夫、と夫は誇らしげに言いました。

何が悲しくてそんな不便なところに行くのだろう。
山ガールでもないわたしは、別荘でもそれなりに不便なのにさらに不便なところに行きたがるその心理がよくわからずにいましたが、夫が小さいころに行った思い出の旅館でまた行きたいようでした。さらにわたしに響かない話です。

それでもなんでも日々は過ぎて、もう数日先になりました。
夫に何度も靴を履いてサイズが合うか確かめるようにと言われていたのに、足を入れたのはつい一昨日でした。24センチなら大丈夫、念のため翌日音読レッスンに出かけるときに履いてみました。ハイカットの靴、だんだん痛くなって、帰りは辛くて辛くてやっとの思いで帰りました。それでも短い靴下だったから素足に靴が当たったのだろうと気にも留めず、今日もう一度長い靴下で履いて駅の方に行ってきました。痛い!すごく痛い!まずい!

10分でこんなに痛いのだから2時間も山を登れるわけがない、どうしよう。1か月も前から試し履きするように言われていたのをやっと履いて痛くて無理と言ったら仏のような旦那さんも怒りだすかもしれない。

やっとの思いで帰宅して、仕方なく夫にLINEで靴が合わないことを告げ、違うのを買ったほうがいいかな、ずっと履かないでいてごめんねと送りました。

しばらくして電話がかかってきました。
「パルコの好日山荘に行って、店員さんに事情を話して新しい靴買っておいで。不安な靴で行かない方がいいから。お金は後であげるから。合わない靴を持って行ってどこが痛いか説明するといい。雨の中大変だけど」
とさわやかに言いました。

なんていい人なんだろう!
こんな遅いタイミングで合わないと言い出したことに嫌味のひとつも言わない。
ネガティブな見方をしたことを大変申し訳なく思いました。
改心したと言っても過言ではありません。

言われたとおりに好日山荘に行って、店員さんに色々教えてもらい、痛くない靴を買いました。帰宅して写メしたら、「いい靴を買えてよかったね」と返事がきました。

この人と結婚してよかった、と思った身勝手妻でした。

よかった、ありがとう。

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