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ラノベ感想「デモンズ・クレスト 1」

ソードアート・オンラインの川原礫先生がおくる新たなバトルファンタジー。
小学生6年生の芦原佑馬はクラスメイトとともにVRMMMOゲーム「アクチュアル・マジック」のテストプレイに招待される。
ゲームをプレイ中に不自然な形で現実世界に目覚めたユウマが見たのは怪物に変貌したクラスメイトや跋扈するモンスターの姿だった……。

導入で「アクチュアル・マジック」内の描写はあるものの舞台は現実世界。
ソードアート・オンラインやアクセル・ワールドと大きく違うのは二作品が作中の戦闘でダメージを受けても血色のパーティクルが散ったりとか現実の肉体に傷を負うことがないのに対し、デモンズ・クレストでは現実の身体が傷つくこと。
クラスメイトを襲った綿巻すみかの服に血飛沫が飛んでいたり引きちぎったような腕を持っているのを手始めに、ベロシの遺体の描写あたりになると、これはSAOとは全然違うぞと感じ始めました。
終盤は新たな犠牲者が出ますが、血を吸われてそこから幼虫が羽化するあたりは実に気持ち悪くそういった面も意外でした。
ただ、まだ物語は始まったばかりでこの現実世界と思っているものが現実ではない可能性もあるので今後に注目です。可能性は低そうですが。

もう一つAW・SAOと違うのは現実である以上ついて回る食事や排泄についてです。
ユウマの双子の妹サワがまず提案するのが食料の確保。
この状況が長引くと判断したサワは食料こそが今後のカギになるといち早くその確保にはしります。そして食料が貴重になればそれを交渉材料にしたりすることもできるとユウマに告げ、あまりにもいままでのサワより現実離れした発言にユウマが戸惑う場面も。
ゲームでは食事の必要はなく、あってもバフ効果だったりただの楽しみだったりするなか、この食料の問題が実にサバイバル感を感じさせてくれてこちらも気になるところです。
また、男女で固まってトイレに向かおうというところもSAOのアンダーワールドでは食事はあっても排泄はなかったのでこちらも現実感が出ますね。

生き延びたクラスメイト達がショッピングセンターにバリケードを作って立てこもるなんてゾンビものの定番シチュエーションだなと思いました。
そして須鴨が作ったシェルターをユウマがガモシェルターと呼ぶように、三階にむかったクラスメイト達も同じようにシェルターを作っていて今後二つの間で対立があったりという展開なのかなと思いました。サワの食料がカギになる発言もありますし、人間同士で争いが起きる予感しかしません。
小学生のクラスというコミュニティの中でも一人一人キャラ付けがされ、クラス内のカーストや人間関係などどんな人間模様が描かれるのか気になります。

まだまだ始まったばかりで今後どんな物語が待っているのか予想もつきませんが、物語がアルテア内だけで完結するのか、外の世界にも広がっていくかで短期決戦か長期シリーズかが決まると思うのでそこも注目したいです。
死の直前にユウマが無意識下で出会った少年や悪魔というキーワードから想像するとこれまでの川原作品のコンピューターとテクノロジーというテーマよりは根源は神話的な超常ファンタジーの物語なのかと思い、そこも大きくテイストが違うと感じる部分です。
閉ざされたダンジョンに悪魔、なんとなく女神転生を思い出しました。

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