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【マルタの猫スポット】保護猫シェルター「トマシーナ・キャットサンクチュアリ」を訪問した話

マルタ国内には随所に猫コミュニティーが存在し、そこで暮らす人々が地域猫の面倒を見ています。

マルタは、とても猫を大事にする国民性なんですよね。

今日はそんなマルタで、たくさんの保護猫が暮らしているシェルターの話をします。

シェルターの名は、「トマシーナ・キャットサンクチュアリ」。

所在地は、内陸部の「オーミ」というローカル地区です。
空港がある「ルア」の町の隣りになります。

このシェルター、ちょっとわかりにくいので注意が必要です。



初訪問はコロナ前

トマシーナ・キャットサンクチュアリを初めて訪れたのは、コロナ前の2018年1月でした。

日本のメディアで紹介されていたこともあり、一度この施設を訪れてみたいと思っていました。
施設の方では、いつでも見学者の来訪を歓迎しています。

その日の朝、事前に先方に連絡して、道を訊いてから訪れるつもりだったのですが、なぜか施設の電話がつながりませんでした。

仕方なく住所を確認し、自力で訪問してみることにします。

近くまで行くルートは何本かありますが、バレッタから行く場合、#74バスに乗車してFarrugで下車、そこから徒歩3分で施設到着、というルートが最も効率的かと思います。

当施設は、ルア・ロード(Triq Ħal Luqa)という幹線道路上に建っています。
バスを下車したら、ルア・ロードを北上していけば到着するはずです。

保護猫シェルターだから、それらしく猫の看板でも出ているんだろうか?

そう思って道路上を探しましたが、いくら探してもそれらしい建物は見つかりません。
目に入るのは何の特徴もない、似たような建物や民家ばかり……。

辺り一帯は、このような何もないローカル地域だった


そのうち、道の端っこまで来てしまいました。

なにか間違いでもあったかなと思いつつ、来た道を引き返してくると、下のような建物が目につきました。

これ、さっきも見かけたけど、外観からして警察か役所の建物かと思ってスルーしてたんですよね。

ところがよく見ると、看板に「ANIMAL WELFARE(動物福祉)」って書いてあるんですよ……。

これが探していたトマシーナ・キャットサンクチュアリ!
VFCH+4VV, Triq Ħal Luqa, Ħal Qormi, マルタ

ここだ!ここに違いない!
想像していたのと違うから、見過ごしてしまうところでした(汗)。

門をくぐると入り口には警備員がいて、当施設は奥の方だと教えてくれました。

奥へ進むと、該当の建物が見つかります。

そのとき中から、スタッフらしき一人の年配女性が出てきました。

よし、さっそく入れてもらおう!

ところが女性は出てきた途端、建物の戸締りを始めたではありませんか?

私は慌てて女性に駆け寄り、 
「すみません、ここ、トマシーナ・キャット・サンクチュアリですよね?見学したくて来たんですけど……」 
と声をかけました。

すると女性スタッフは、 
「そうだけど、もう閉館よ。私もこれから帰るところなの」 
と答えたのです。

……そうです、うっかりしていました。
当施設は、14時には閉館してしまうのです!

ホテルを出てバスでオーミまで来て、道路で探し回っているうちに、いつの間にか閉館時刻となっていました。
事前に電話で場所の確認をできなかったことが仇となりました。

私ががっかりしていると、女性スタッフが言いました。

「ちょっとだけならいいわよ」

そして今閉めた戸の鍵を開け、特別に中へ入れてくれたのです。

おお、なんたる温情!
私は喜んで、お礼を言って建物に入りました。

そして、駆け足で施設内を見学させてもらいました。


シェルター内で寛ぐ猫たち
棚には猫ベッドが並んでいて、猫たちがお昼寝していた
いつでも一定量のごはんがサーブされているようだ


シェルターは文字通り猫屋敷で、おびただしい数の猫が共同生活を送っていました。

このあと、中庭にも案内してもらいます。


中庭の猫たち
私たちが庭に出ると一斉に猫たちが集まってきたため、誰かの足を踏んでしまった。
ごめんね……。
猫のなる木?

5分くらいで、シェルター全域をざっと見学させてもらったでしょうか。

私は最後に、ムリして入れてもらったお礼の意味も込めて、少しばかりの寄附金を置いてきました。

今度来るときはもっと時間に余裕を持って来ようと肝に銘じ、私はシェルターを後にしました。

コロナ明けのリベンジ訪問

それから5年。

コロナ後初のマルタ行きとなった2023年1月、私はトマシーナ・キャットサンクチュアリを再訪しました。

今度こそゆっくり見学しようと早めに出発し、道順を確認しながらスムーズに見つけることができました。

コロナ禍を経て、施設はどうなっているのか?

軽く不安に駆られながら、施設の敷地に入っていくと……。

シェルターの前で早速猫のお出迎え
施設の建物前ではボランティアさんが猫のごはんを作っていた
作業中のボランティアさんの前にも猫が


あの時は閉館前だったのでいなかったですが、いつもはこれだけのボランティアさんが働いているのですね。

施設の方は若干リニューアルしたらしく、建物の正面玄関ではなく、中庭から入るようになっていました。

この先が中庭だが、金網の扉の向こうに早速猫が集まってきた
入場すると、ぞろぞろと猫がお出迎え
中庭にはカラフルな猫ハウスも設置されている
以前はなかった壁画が描かれていた
施設全体が、明るくモダンに変わっていた
改めてこの施設の敷地は広いなと感じる
ここの猫たちは好奇心が強い
だるまさんがころんだ……じゃないか(笑)
私の鞄に乗って動かない猫
前から思っていたが、この施設は茶トラ率が高い気がする

もう、周りを見回すと、360度猫に取り囲まれています。

この猫の圧による幸福感、猫好きな人ならわかってくれますよね(笑)。

これがトマシーナ・キャットサンクチュアリの名物猫?

次に、中庭から屋内に入ってみます。

建物の中もリニューアルされ、よりかわいらしい施設になっていました。


改めて見てみると屋内も広い
金網で仕切られた空間があったが、向こうにいる子は病気等で隔離が必要なのだろうか?
手作り感満載のかわいい垂れ幕が掲げられていた
やがてボランティアさんがおやつを配りにやってきた


ところでトマシーナ・キャットサンクチュアリといえば、手でごはんを食べる猫がいるってご存じですか?

なぜ手で食べるかというと、ご覧のように猫の数が多く、食事時も競争になるため、素早く手でごはんを取り出して食べる猫が出現したそうです。
(日本のメディアでも紹介されていました)

前回訪問時は駆け足の見学だったため見られなかったのですが、今日はちょうどおやつタイムに居合わせたので、「手でごはんを食べる猫」が見られるかもしれません。

すると……


真ん中の棚の白黒猫に注目
おっ、手で掴んで食べた!
後ろの茶白猫も手を伸ばそうとしている

とうとうその瞬間を捉えることができました。
これが当施設の名物猫です(笑)。

猫のチャリティーカレンダー

そろそろお暇しようと施設の入り口まで出てくると、ちょうどスタッフの長と思われる年配の女性を見かけました。

おそらく5年前、閉館ギリギリに入れてくれたのはこの人じゃなかったかな?

私は、立ち去る前に女性に話しかけてみました。

JUNJUN「実は5年前にも来ました」

女性スタッフ「あら、そうなの」
(やはり向こうは憶えていません)

JUNJUN「リニューアルしたみたいですね」

女性スタッフ「ちょっとだけね」

私は、施設で発売しているチャリティーグッズはないかと訊いてみました。

施設に寄附したいのと、記念になるものがあれば欲しかったのです。
(なければ寄附金だけ置いてくるつもりでした)

すると女性は、
「こっちに来て」
と、オフィスに案内してくれました。

オフィスには、施設で発行しているチャリティーカレンダーの在庫が置いてありました。

施設の猫たちの写真を使用したものです。

保護猫シェルターでは、年末年始に訪れるとこのようなチャリティーカレンダーを販売していることがあります。

私は、それを1部購入しました。

トマシーナ・キャットサンクチュアリのチャリティーカレンダー
1部5ユーロ
ただこのカレンダー、日付が写真と反対の面に来てしまう
猫の写真を正面に向けると日付が見えない(汗)


JUNJUN「この売上げが猫のためになるんですね」

女性スタッフ「もちろんよ(笑)」

カレンダーを受け取ると、私はスタッフたちに挨拶して施設を後にしました。
これでようやく、5年前のリベンジができた気分です。

トマシーナ・キャットサンクチュアリへ来てみると、マルタの猫愛が全身で感じられます。

実際、当施設の猫はみな毛ヅヤよくきれいで、大事にされている様子が伺えます。

愛猫家で、猫目当てでマルタへ行く人は、ぜひ訪問してみてはいかがでしょうか?

当施設ではボランティアも募集しています。

なお、開館時間は10:15~14:00と短いので、ご注意ください(笑)。

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