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抽象的思考のすすめ

日本人は抽象的な考え方が苦手だと言われます。

そもそも抽象とはなんでしょうか。

抽象とは、共通項のことです。

例えば、学校のクラスに30人の生徒がいて、15人が男子、15人が女子です。この中から抽象を抜き出してみましょう。抽象は見つけようと思えば無数にあります。

彼らはこの学校の「生徒」であり、「人間」でもあります。そのうちの15人は「男」であり、残りの15人は「女」です。これが抽象です。共通しているでしょう?

そして、抽象の対義を具体といいます。

具体とは、個別具体的に、という文句がよく使われるように、「一つ一つをしっかりと見分けた場合」、といった意味です。

私が先生になったとして、生徒を名指ししていきます。

「蒼井さん」
・・・
「青山君」

・・・
「渡辺さん」

それぞれの生徒一人一人の名前を呼びました。
この世界にその人たちはたった一人しかいません。
これが具体です。

毎日ワイドショーを見ていると、「誰が何をやった。」「誰がどんな事件を起こした。」とか、そうした具体的な事件ばかりを追いかけているように思います。

例えば、ウクライナ侵攻とか、イスラエルのガザ侵攻が今のメジャーな話題です。

でも、そもそも「戦争」ってなんで起きるんだろう?ということがわかれば、これからの未来、戦争が発生する理由もわかるわけです。

毎年学校のいじめ問題のため、生徒が自殺しています。この時も、どこの学校で、誰が死んだか、ということが話題になります。

非常に具体的ですよね?

この時も、そもそも「いじめ」って何なんだろう?とか、どうして「いじめ」が起きるんだろう?ということを学んでおけば、どこの誰がいじめの被害にあったか、いじめの加害者になったかは、さほど問題ではなくなります。それは、起こるべくして起きたのです。なぜなら、いじめとはそういうときに発生するものだからです。

こうした具体的な事件を追いかけるのではなくて、抽象的に物事をとらえていけば、社会問題を解決するための糸口が見えてくると考えられます。

抽象論は難しいという人が多いですし、考えて何になるんだろう・・・という意見も多いです。だけど、私からすれば、具体的にどこの誰が、ということを知って何になるんだろう?という気持ちの方が強いですね。






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