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生きること、言葉、そしてAI(詩)

会議は進んでいった
すでに代役は決まっていた
替えは誰でもできる
誰も何も言わない

沈黙

そこにいた人のことを 誰も話さない
その話さないことの 不自然さ

先月と何も変わらない議事進行
大体は異論は出ず賛成多数で進む審議と確認事項
では特になにもないようなのでこれで会議は終わります
議長の一言でみな足早に席を立つのもいつもどおり

でもわずかに何かがゆがんでいた
その自然すぎる日常が 不自然だった

どこかが一部欠落しても
またどこかが代わりになって生きて継続していく
組織という名の生き物

だからそれぞれの胸になにか抱えていても
沈黙しかできず
会議室をただ立ち去っていく
組織のそらおそろしさ うら哀しさ

沈黙

人は消えても 歌は残る メロディーも残る
人は消えても おいしい炊き込みご飯のレシピは残る
人は消えても その人がいた記憶 思い出は残る

その人が話してくれたこと
難解な人工知能の話
俳句を学習させることもできる
なんだって学習させられるけど
その元となる素材 データがないと AIは何にもならないという
何を学ばせるかですよね
夢みたいなコラボの話
いつかって笑っていた

もっと話しておけばよかった
そのいつかはずっと訪れない
なにか文学的なものを学ばせたAIを 
共に作る未来は永久になくなった

その代わり
私は私の言葉で 詩を書くことにした
下手でもなんでもいい
詩を書くことで なにかを残そうと思った

人にしか書けない詩というものがあるんじゃないか
それは経験から出た言葉で綴られた詩

なにか情報を入力してAIが作ってくれても 
きっとそれは空想で作った詩に過ぎなくて
生きた詩人の感情や経験を通って出てきた言葉ではない

そうだとして
人が作った詩と AIが作った詩
どちらに 人は感動するのか

どうおもいますか 先生


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