NT札幌2020のトーク原稿


こんにちは。
Hokkaido MotionControl Network いしおかです。
twitterではjunと名乗って活動しております。
今回のNT札幌でコミュニティの紹介をさせて頂けるとの事で、活動の中身と、開発者のいごごち良い場がどうできたか共有したいと思います。

今回のお話はスクショ・SNS投稿大歓迎ですので、是非アウトプットの練習に使っていただければ思います。

まず何者かという話からですが、
ハードルを下げるおじさんです。以上です。

NT札幌2019には、観客として遊びに行きました。
終了間際に会場にはいって、終了10分前のスキをついてエレキバイオリンと振動アクチュエータの組み合わせを体験してもらいました。
これは初心者の自分のヘタクソな弾き具合が増幅されておなかに入るという気持ち悪さを体験するものです。ショッカソン札幌の機会に組みました。

今回の内容をざっくり分けると、前半は現在までの紹介、後半はこれから活動を増やしていきたい人へのヒントになっています。その時のキーワードは↓の三つになるだろうと思います。

札幌のVRの人に共通する背景が、個人のエンジニアが「作った」を発表する場がない問題です。
ビジネス向けしかないので会の存在を知ることが出来ないし、札幌市内で触れるデバイスも無かったりするので、情報や仕事を得るために東京に行くというのがよくあるパターンです。
この状態だと地元で仲間を作ることが非常に難しかったです。

転機になった2018年に、東京のイベントを模した札幌HoloLens Meetup Vol.1が開催されました。この時たくさんの変態(誉)がやっと集まりました。地元で話ができる仲間が初めて出来て、この時のメンバーでDoMCNがゆるく始まりました。
私は大学のツテがあったのでそこに自作ポスターなんかを貼ったりして若い人を呼んでみたりしました。

立ち上げに関わったメンバーがそれぞれ企画をして、メインのHoloLens Meetup以外にもコミュニティイベントをどんどん作ってやってみました。
特定技術に振った集会をモーキャプ、触覚、VRライブ、立体視、3Dデプスカメラとやりました。

やがて、地方で騒いでいるコミュニティを注目してくれる他のコミュニティが現れ出し、勉強会が連動するようになりました。
大阪駆動開発が主催するXRミーティングに北海道拠点として合流しました。この時は小さな会場にオフで集まった会場からzoomで大阪東京に繋ぐ方式でした。
現在は福岡XR部との四拠点共同での運営体制になっています。

AR福岡の吉永さんは趣味の地方巡業ハンズオンを札幌でするお手伝いをしたことがきっかけで交流が始まりました。

VRChatのTnohitoさんはVR空間内のイベント企画者です。VRChatのクリエイターたちとDoMCNのメンバーとのLT大会をやってみた事がきっかけで、VRC内の勉強会もシリーズ化されました。

この時点でオンライン化の対応は大方終わっていたので距離の概念はさほど意味をなさない環境になっていました。札幌というくくりも無くなりました。

コロナ後の2020年に行われた日本全体のHoloLens Meetupのひとこまです。全然実機ないのに東京からHoloMagiciansとして扱われました。スタートから二年経った今も中央から認知されている事が示せているかなと思いますので出してみました。

ここに至るまでには細かいアレコレはあるのですが基本は最初から変わってなくて、3ステップをまわしまくるだけです。
①言い出しっぺが企画を宣言
②きっちりやる
②' 瞬間的にまとめを公開
③様子を伝えるものが出来るので、次回以降に再利用する
というプロセスを通じてコミュニティの信頼度を上げていく事をしました。
この人達だったら協力してもいいかな?と外から思ってもらう確率を上げるということです。

何が言いたいかというと、積み上げを意識すると、できる事が拡がります。

残念ながらコロナ拡大によってオフラインでできていた体験は消えました。オンラインへの移行によってそれぞれのコミュニティ運営にも変化があり、XRミーティングは感染状況ごとや技術の状況に合わせて各拠点が個別に最適化しながらゆるく繋がっています。
AR福岡は勉強会やハンズオンの目的をはたすための運営模索が続いていて、VRChatの方では楽しみ方を共有するイベントにシフトしました。

個人開発者の発信がしやすい場は緑のエリアで示したところです。コロナによって札幌HoloLens Meetupは開催のめどが立ちませんが、個人の開発サポート・成果発信の場は形を変えて守ったという状況です。協力体制はまだまだ広げていきます。

前半のまとめとしては、札幌のエンジニアの技術に触れる機会は減りましたが他の地域のコミュニティと助け合う感じでやれることは増やしています。
ポイントは関心をちゃんと言葉にすることです。距離が無視できるので最重要です。
オンラインツールの活用のされ方はコミュニティごとに異なり、これは運営の思想がわりと反映されている気がします。

本編のコミュニティを続けるポイントに入ります。
今はこれが難しいと思いますので、ヒントにはなるかもです。

まずDoMCNも有志のメンバーの集まりです。
性質として、ボランティアでやっています。
お金的にはやるほど損する構造です。
コミュニティイベントで何かを得られるから参加しているという方が大半だと思います。なので得られなければ無くなります。

人それぞれではありますが、私の一例をしめすと好奇心に関するもののみ関心があります。そして時間が勿体ないので手数の無駄はあまりやりません。

コミュニティのイベントに関わる色々な人に色づけすると緑色の部分が、何かを発信している人です。基本的に開発者イベントを維持するには緑色の人々が何かを得ている状態をキープしたいです。

発信者それぞれが何を望むかをなんとなく仮説していきます。例えばエンジニアの人が新技術を知りたいと思えば新技術を学べればOKですので、その時は参加者になってくれる可能性があります。なにか開発済みの自作アプリへの反応が欲しい場合は展示会をつけるとかすると登壇者になってくれる可能性があります。仲間が欲しいとかも当然あるとおもいますので、そうなるように勉強会を考えます。

運営がこうありたいと思っている欲求の部分と、発信者の欲求の部分が重なっていないと参加してもらえなくて、重なりが大きい程参加の満足度があがる形になります。

あまり気づかない部分ですが、運営サイドからの発信で参加者の属性をえらんでいたりもします。赤線みたいな表現に自分かな?と反応してくれる人を待っています。
こうやって運営と参加者の期待値があうようにしている一方で、運営側の発信は他のコミュニティの運営の目にも止まります。コミュニティ同士の志向が近いかどうかを推測するヒントにもなっていて、波長が合いそうならコミュごと合同イベントに発展します。

それぞれのイベントにまつわるハッシュタグツイートまとめは全参加者の体験の指標になるのでちゃんと残します。運営はこれらをアウトプットすることで次の仲間を見つける事に繋げています。

ここで一旦参加者サイドの話にいこうと思いますが、オンラインミーティングは本当にむずかしいです。オフと違って、初対面で同席してるようでもおたがい印象に残らないので接点が残りません。

ネットワーク作れない問題が深刻で、それまであったミートアップとか展示会とか学会などが全て消えた世界では初心者ユーザはどんなエンジニアに会えば世界が広がっていくのか分かりません。

経験者から言えるコツが一つあり、とにかくタグ付きで呟いてみることをおすすめしています。
イベント共通のタグを見てる他の参加者が反応してくれます。
その人はつぶやきに共感したか話題に興味があるかですので、趣味が近い人です。スピーカーに着目するのではなく反応した人に着目すると、ほかに勉強になるつぶやきをいくつもしています。これを繰り返します。
アウトプットファーストで自分の周りの世界が出来ていきますがそのきっかけはただのつぶやきの積み重ねです。気軽に発信者になりましょう。

これが習慣づいていくと、フォロワーが増えたり、参考にするニュースアカウントが増えます。情報源が増えた分だけ興味ない情報から遠ざかって、結果的に情報が偏っていきます。
この、類が友を呼ぶ状態が進んでいって、トピックに関心のある人の固まりが形成されます。

メカニズムが理解できた前提でおススメなのは、勉強会情報をシェアしてみるという方法です。満足できた会の次回予告をみんなに見えるようにRTするだけです。自分が行かなくても、趣味が似ているフォロワーさんが代わりに参加して様子を教えてくれたりします。単純に仲間が増える方向に働くのでおススメです。
また、運営からはそれまでリーチできていなかった人が来てくれるので大変助かりますし、運営のお手伝いをしてくれることになるので勇気づけられて元気になります。簡単ですね。クチコミネットワークをみなさんが持つのが当面の良い形としています。

また運営の話に戻りますが、この意識をずっと続けていると参加者層が変わってきます。関心の高い人が誰かの紹介でやってくる流れが出来ますので、発信する側の人も満足度の高い会になります。自分ゴトとして来てくれるので、仲良くなる確率も高いです。これをオンラインでもできるようにするのが来年の課題です。

最後はややテクニカルな話ですが、私自身はやらない事をハッキリ決めています。自分の好奇心第一主義がブレそうなので、以下の事柄は遠ざけています。具体的な態度としては、ビジネス・メディアと付き合わないというところを最初から続けています。コミュニティでしかできない事を重点的に雑にやることに成功しているかなとは思っています。個人をとにかく大事にしてみようと思ってやってみてます。自分が関わりを継続できるのに楽な体制を作るのが気楽でよいです。

結果としてはなんとなくDoMCNの文化が客観的にも見れるようになってきたように思います。ガジェットにこだわらないでゆるーい集まりという印象が伝わればOKです。

まとめです。
開発者ファーストを意識した場を作ってみた、な話でした。
①やるといったことを積み重ねて信頼を作ります。
②発信して良かったなと思える仕掛けを考えます。
③アウトプットファーストで同志を作ります。
④クチコミの力で文化に変えます。
以上、VRの場づくりの話でした。

という事で、ここでも仲間を紹介しないと意味ないですので、最後呼びかけで来てくれたxRコミュニティのエンジニアさんとコミュニティをまとめます。これからのLTセッションで活動を発信してくれますのでご期待ください。

これで紹介をおわります。みなさんの発信のハードルが下がってるといいですね。

(2020/12/26 90min 4366字)